3652(伊坂幸太郎 新潮社)
作家生活10年間(専業でないときも含めて)のエッセイを収録したもの。
ただ寄せ集めて出版したわけではなくて、全編脚注付という(とても多忙そうな著者としては)大サービス付。脚注があることで10年前のエッセイもある種の新鮮さが感じられる。
この本を読むと、伊坂さんの作品は、自分の好みに沿って書かれているのだということがよくわかる。当然かもしれないが、プロの作家では、そうでなさそうな人も多いので。
その好みとは、ハードロック、幻想的、偶然性、価値観の逆転、みたいなところだろうか。
また、著者の作品では主人公の父母や目上の人が、ちょっと独特の性格を持つ変わった人という設定が多いが、実際、著者の父母(特に父親)はかなりユニークな人のようだ。
「重力ピエロ」を出したころは、もう大人気作家という感じだったように思うが、実はこの作品が会社を辞めて専業になって初めてのもので、勝負作だったというのは意外だった。
その他に、特に印象に残ったエピソードは2つ。いきつけのレンタルビデオ屋の店員が実はさっきいた喫茶店のDJだったというのと、干支エッセイの猿年のもの。
作家生活10年間(専業でないときも含めて)のエッセイを収録したもの。
ただ寄せ集めて出版したわけではなくて、全編脚注付という(とても多忙そうな著者としては)大サービス付。脚注があることで10年前のエッセイもある種の新鮮さが感じられる。
この本を読むと、伊坂さんの作品は、自分の好みに沿って書かれているのだということがよくわかる。当然かもしれないが、プロの作家では、そうでなさそうな人も多いので。
その好みとは、ハードロック、幻想的、偶然性、価値観の逆転、みたいなところだろうか。
また、著者の作品では主人公の父母や目上の人が、ちょっと独特の性格を持つ変わった人という設定が多いが、実際、著者の父母(特に父親)はかなりユニークな人のようだ。
「重力ピエロ」を出したころは、もう大人気作家という感じだったように思うが、実はこの作品が会社を辞めて専業になって初めてのもので、勝負作だったというのは意外だった。
その他に、特に印象に残ったエピソードは2つ。いきつけのレンタルビデオ屋の店員が実はさっきいた喫茶店のDJだったというのと、干支エッセイの猿年のもの。