蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

2013年05月29日 | 映画の感想
探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

原作は「探偵はひとりぼっち」。ススキノのオカマバーの人気者が殺される。被害者が熱心なファンだったというバイオリニストが探偵に真相の調査を依頼する。調査をするうち、北海道の有力若手政治家と被害者が(BL系の)付き合いがあったらしいことがわかり・・・という話。

本シリーズの原作は携帯電話が普及していない頃に書かれたので、探偵がいきつけのBARにたむろしている時に電話がかかってきて・・・というシーンが数多くみられるし、携帯電話がないことでコミュニケーションが限定されていることが、むしろ魅力の一つになっている面もあったと思う。
映画の前作は、舞台を(携帯電話が当たり前になった)現代に設定しながらも、BARに電話がかかってくることがストーリーのドライバになっていて、工夫が感じられた。その電話の声でいきなり犯人?がわかってしまうのが映画ならでは苦しさでもあったが、大泉さんと松田さんのキャラを生かして、原作の雰囲気がよく滲んでいるような感じがして、良くできていたと思う。

それで、2作目は映画館に見に行ったのだが、同じ監督なのに1作目に比べると正直言ってかなり落ちると思った。制作側から要請があったのか、はたまた東映映画だからなのか無駄にアクションシーンが多くて、相手の人数や持っている獲物からして、どう見ても不自然に主人公が強すぎる。

全体にコメディタッチを強めようという狙いなのかな・・・と思ってみていると、政治家役の渡部さんが力いっぱいどリキむシーンがあったりして(主人公がまた真面目な顔でこれを聞いているので、見ている方が恥ずかしいような気持ちになってしまった)、なんか方向性が見えないな・・・という感じ。

しかし、動員は好調のようなので、私の見方が悪かったのでしょうね・・・
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2013.5.13 ロッテ―楽天8回戦(QVCマリン)

2013年05月13日 | 野球
2013.5.13 ロッテ―楽天8回戦(QVCマリン)

日蔭はちょうどいいけど、太陽があたるところでは相当に暑かった。首位にいることもあってか、まあまあの入りだった。

井口、角中が揃って故障してしまい、ただでさえ迫力のない打線が相当に貧弱に見えてしまった。なんて思ってたら、加藤が初打席の初球を打ってホームラン。体は大きいし、ファームでもけっこうホームランを打っているみたいなので、スイッチヒッターで長距離打者なんてのが誕生しないかと皮算用してしまった。
実は、このホームランの瞬間は、隣の息子のスマホの覗き込んでいて見られなった。残念。

成瀬は調子が今日もイマイチで、それでも無失点なのがすごいのだが、球数が多くて7回から大嶺。あわよくば最後まで、なんて目論見だったのかもしれないが、小心さとノーコンが復活してしまい、もしかして元に戻っちゃったかも・・・。

次々登場したピッチャーも服部の除いて良いところなく、9回表、チェンジだと思った内野ゴロがセーフの判定でがっくりきたのか益田も打たれて逆転。エースが先発の試合でクローザーが逆転くらうんじゃ、見に来た甲斐が全くないよ・・・と思っていたら、9回裏1アウトから、根元四球、荻野レフト線への2塁打、鈴木敬遠、サブロー三振。2アウト満塁で、今江。まったくタイミングが合ってないように見えたが、ライト線に2塁打で逆転サヨナラ。球場のムードは最高潮。見に来てよかった。テレビ観戦では決して得られない幸福感があった。
今江がヒーローインタビューで「サブローさんが決めてくれないかと思ってた」なんてつるつる言っていて、天真爛漫とはこのことか、と。「何も考えずに打席にはいった」なんて常套句も、彼の場合、ホントにそうなのかも。それでプロでこれだけの実績というのも驚きだが。

蛇足だが、連勝の疲れかヨレヨレのロッテリリーフ陣と対照的に、楽天の斎藤がとても球威がありそうに見えた。球速も145キロを超えていて、43歳にしてすごいなあ、と思った。給料もあまり高くないようで、ゴンちゃんより、こっちがよかったかも。
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時代

2013年05月10日 | Weblog
時代

もう1カ月以上前のことなので気がひけるが、備忘のため書いてみる。

4月6日の「SONGS」(NHK総合)のテーマは「時代」だった。

この曲がヤマハだったかのコンクールで最優秀賞になり、中島みゆきさんはメジャーデビューした(だったと思う)。

八神純子さんが番組の中で思い出を語る。八神さんは「時代」がグランプリを取った年の前年のグランプリ獲得者でもあり、グランプリを取ると武道館で歌えるという副賞?がとても魅力的で、2年連続のグランプリを取るつもりだったし、十分自信があったそうだ。
しかし、中島さんが歌う「時代」に勝つことはできず、とても悔しかったという。
アーティストのプライド、自負があふれたインタビューはとてもよかったし、そのインタビューの後で八神さんが歌った「時代」は(その後、中島さん本人がアカペラで歌ったものに負けず劣らず)素晴らしかった。

(記憶に頼って書いているので、間違いがあったらすみません)
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いねむり先生

2013年05月08日 | 本の感想
いねむり先生(伊集院静 集英社)

著者の自伝的小説。
主人公のサブローは、二人目の妻を亡くして、酒浸りからアル中にまでなり、子供の頃からの持病(統合失調症?)が再発する。
人生を投げてしまったような状態からサブローを救ったのは、小説家の先生(色川武大がモデル)との(競輪の)旅打ちだった・・・という話。

サブローも先生も持病や文学作品を書くことに苦しみながらも、実に楽しそうに競輪の旅打ちに出かける。
旅先での思いがけない出会い(特に松山で漁師の民宿に泊まる場面)、勝っても負けても淡々とした姿勢、などが生き生きと描かれる。

当時の著者は、まさに無職無収入のプータローのアル中なのだが、色川武大、井上陽水を初めてとしてきらびやかな面々が著者の人柄や生き方に惚れ込んで、いろいろな形でなんとか著者を(どん底の環境から)救いだそうとする。
魅力がある人物、生まれつきのオーラがある人物(本作とは関係ないが、二人目の奥さんが夏目雅子さんで、三人目が篠ひろ子さんというのも、下世話ながらその証左ですよね)というのは、本当に世の中にいるものなのですなあ。比べるのも愚かなことながら、羨ましい限りです。
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舟を編む

2013年05月03日 | 映画の感想
舟を編む(映画)

原作を読まずに見た。

私が読んだ三浦しをんさんの作品のほとんどが(妄想系の)エッセイであるせいか、どうも三浦さんの原作だと、BL系なのでは?と勘ぐってしまうのであった。
始まってすぐに、オダギリジョー演じる垢抜けた役柄の男(西岡)が、辞書編纂室にスカウトしようと、名前通り真面目一本槍のぼんやりした男(馬締)役の松田龍平に絡むシーンになったので、「やっぱり」と思ったが、そういう話では全くなかった。

国語辞書の編集の苦労話を主人公の恋愛と絡めて描くという極めて地味な題材なのだが、小林監督なので、かなりぶっ飛んだ展開になるのでは?と期待した。
しかし、メジャーな原作・製作者・出演者ということもあってか、映画としてはかなり地味で静かなシーンが続く。小林監督のもとでの宮崎さん(馬締の妻役)の演技は相当なものなのでは?という点においてもやや期待外れであった。

小林薫(ベテランの辞書編集者役)、宮崎あおい、オダギリジョー、とクセの強そうな俳優を並べて、しかし、敢てぐっと抑制したシーンを続けようというのが狙いだったのかもしれないが、それでも、この三人には圭角がちらっと覗くような筋立てや演出がよかったのではなかろうか、と思った。
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