蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

投手のリズム

2010年04月10日 | 野球
投手のリズム

土曜日の午後、試合終了までの放送が保証された(NHK)プロ野球中継をぼけっと見ているときが、私が最もリラックスできる時間かもしれない。
ひいきチームでない方がよりぼんやりできるが、今日(4月10日)は、ひいきの巨人の対中日戦で、しかも先発転向した山口が投げていて、ちょっとハラハラしなければならなかった。

8回裏、巨人の攻撃。
4-3と巨人が1点リード、ワンアウト1塁でマウンドは今季絶好調の中日救援陣の一人、鈴木。バッターは8番エドガー。2ボールノーストライクとなったところ。

9番はピッチャーの越智。8回表2アウトからの登板でクローザー不在の中、9回も続投が予想されたので、中日ベンチは敬遠を指示。
しかし、キャッチャーは外角にはずせという仕草をしたものの立ち上がらず、敬遠の指示が鈴木には伝わらなかった。
鈴木は何度も1塁ランナーを気にしている。たまりかねて森野が「敬遠だぞ」と伝えにいった。

1塁が空いているわけではないので、鈴木は意外だったのだろう。また敬遠の指示を見逃した動揺みたいなものもあったのかもしれない。次の越智への投球は明らかにぎこちなく、どうみても当たりそうにないスイングの越智(プロの一軍で打席にはいったのが確か6回目)に外野まで持っていかれ、前進守備の頭をこされてしまった。

テレビ解説者も、さかんにリズムの崩れを強調していたが、本当にピッチングって微妙な均衡の上に成り立っているのだということを見たような気がした。
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のはなし2

2010年04月03日 | 本の感想
のはなし2(伊集院光 宝島社)

伊集院さんというと、バラエティ番組でみかける太った人というイメージしかなかったが、数年前まで放送されていた日曜日の午後のラジオ番組「日曜日の秘密基地」を、何回か(自動車での買い物の途中に)聞いて、「けっこう話が面白い」と見直した。
本来はラジオのパーソナリティが得意分野のようだ。深夜番組では学生にとても人気があるらしい。

一方、エッセイもかなりイケてる、という評判も聞いたので、本書を読んで見た。

本書は(ゴーストではなく)自分で書いたもののように思われ、しかもよく推敲されているように感じられた。
特にテーマが統一されているわけではないが、仕事(お笑いとかバラエティとか)に対する真摯な姿勢が韜晦の中にも貫かれていた。
全般に、著者は真面目な人なんだな、という印象を持った。

冒頭の「アウトセーフの話」は、高校時代の野球部の思い出を書いたものだが、これが抜群に良い。この話だけで1200円出した価値があるというくらい。

「タレント本」という枠をはるかに超えたすぐれたエッセイ集だと思う。
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