蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ロスト・キング 500年越しの運命

2024年06月18日 | 映画の感想
ロスト・キング 500年越しの運命

フィリッパ(サリー・ホーキンス)は、難病持ちでシングルマザー(ただし離婚した夫との関係は良好)、会社では昇進がかなわず落ち込んでいた。子どもたちとシェイクスピア劇を見て、親族を殺害して王位の簒奪者となったとされていたリチャード3世のエピソードが史実だったのか?と疑問を持つ。
リチャード3世の同好会?に入りあまたの解説書を読んだフィリッパは確信を深め、遺体を捨てられたとされる王が、現在は駐車場となっている場所に埋められていると信じて、発掘プロジェクトを立ち上げる・・・という話。

リチャード3世実はいい人説が盛んになったのは「時の娘」がきっかけなのかもしれないが、現代でも同好会?ができるほど、その説を信じる人が多いのに驚いた。
日本でも昭和の頃には(多分、徳川幕府を打倒した明治政府の差し金で??)江戸期は暗黒時代だった、とうムードだったけど、昨今ではむしろ平和で文化が花咲いた時代として黄金期とする向きが増えているように、「史実」はうつろいやすいものなのだろう。

最初はフィリッパに対して冷淡だった大学が、遺骨発見となったら、自らの手柄であったかのように手のひらをクルリと返す様が(よくあることとはいえ)滑稽だった。

本筋とは無関係だが、離婚した夫が(多忙なフィリッパの代わりに)夕食を作りに来てくれたり、子どもたちとごく自然に接したり、挙げ句にフィリッパのクラウドファンディングに匿名で寄付したりするシーンが印象的だった。日本でも離婚は日常化しているけど、こんなに素敵な?離婚文化?はまだまだ醸成されていないよなあ。

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