蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

CLEAR

2010年09月26日 | 映画の感想
CLEAR

昔々の一時期には人気歌手だった主人公(マギー・チャン)とその夫は、今ではインディーズ扱いで、レコーディングもままならない。子供は夫の両親に預けっぱなし。
ところが、夫は薬物の過剰摂取で急死。天涯孤独の身となった主人公は、子供と暮らそうとするが、世間並みの生活になかなかなじめず、子供も彼女を拒否する。
主人公はなんとか子供と打ち解けようとして、彼女が暮らすパリに義父と訪ずれていた子供をホテルから連れ出す。

義父母の清潔で整理の行き届いた家で暮らす子供は、父母がいなくてもとても幸せそう。一方で母親は自分勝手でわがまま。どう見てもこの子が母親と暮らして幸せになれるとは思えないが、義父母も高齢で健康に不安があるため、彼女を断りきれない。
世の中にはこんなパターンがよくあって、独占欲みたいなものにかられて子供をひきとったはいいが、育児はまったくせず、放置されている子供も多いんだろうなーなんて映画とテーマと関係ないことを考えてしまった。

主人公が、パリの街中を、子供を後ろにのせたバイクで走り回るシーンが印象的だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レスラー

2010年09月23日 | 映画の感想
レスラー

ミッキー・ロークって、不精ひげをファッションにしたいい男というイメージで売り出したのが、1980年代末頃だったと思う。

本作の主人公であるレスラーもそのころ頃が全盛期で、全米クラスの有名人だったという設定。それから20年たった今、プロレスを細々と続けているものの、住んでいるのはトレーラーハウスで、その家賃も滞納がち。しかたなくバイトで生計をたてているというみじめな状況。

ミッキー・ローク本人も、昔の2枚目ぶりはどこへやらのごつい面構えになっていて、映画とプライベートがシンクロするかのように作られている。

プロレスの試合中に心臓発作を起こしてドクターストップがかかったので、引退を決意してバイト先のスーパーでフルタイムで雇ってもらう。しかし、つまらない日常にすぐに嫌気がさし、唯一、心の支えにしようといた娘とも決定的に断絶してしまい、もうプロレスにしか生きがいが見出せなくなり、リングに戻る・・・という筋。

ストーリーは「いかにも・・・」のステレオタイプだが、(前述のように)ミッキー・ロークの実人生とダブって見えるような内容なので、飽きずに最後まで楽しめた。

ミッキー・ロークは、一時格闘技(ボクシング)のプロだったので、リングのシーンは迫力満点。また、そのごつい彼が身をすくめるようにしてスーパーの肉売り場で仕事するシーンも印象に残った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする