蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

フランキーマシンの冬(ドン・ウインズロウ 角川文庫)

2011年01月31日 | 本の感想

フランキーマシンの冬(ドン・ウインズロウ 角川文庫)

年が明けると、手帳の1ページ目に、今年の目標を書いてみる。
いわく、減量するぞ!とか、●●の資格をとるぞ!とか。
でも、まあ1カ月ももったらいいほうで、10年前の手帳の最初のページにもほぼ同様のことが書いてあったりして、自己嫌悪に陥ってしまったりする。
そんな私だけれども(というか、そんなズボラな自分だけに)、自分で決めたルールを忠実に毎日きちんと守れる生活にあこがれる。

本書の主人公フランキーは、そういう人(そういえば、同じ著者の別シリーズの主人公ニールも同じような習慣を持つ人だった)で、上巻の半分くらいは、フランキーの規則正しい日常生活とビジネス(釣り関係の小売店とリネンサプライ、不動産賃貸)の様子が詳しく描かれている。
この部分が、私のあこがれ通りのくらしぶりで、最後まで読んだあとすぐ再読してしまった。

フランキーは、かつて凄腕の殺し屋だったが、今はカタギの自営業者として生活している。
離婚した妻ともつきあいがあり、一番気になるのは娘のこと。一方で素敵な愛人もいるという、うらやましい状況。

しかし、かつてのマフィア仲間の抗争にまきこまれて平和な日常は終わってしまう。マシーンと呼ばれるほどのマフィアとしての来歴と、(現在の)ふりかかる火の粉を振り払う様子が交互に語られる。

上・下巻だが、「犬の力」と比べるとライトな印象で「長すぎる」という感じはしないし、過去と現在がいれかわる構成も「犬の力」と同じだが、本書は読みやすかった。

どのような窮地にあっても冷静さを全く失わず、最良の選択を重ねようとするフランキーは、とにかくかっこいい。
ラストは「ああ、やっぱり」というものなのだけれど、「フランキーならこれくらいは朝飯前でしょう」と納得してしまえるのだった。

ということで、昨年(2010年)読んだ小説の中ではピカイチだったと思う。

 

***********

土曜日の畳替えに続いて、今日はリビングのエアコンを取り替えてもらった。
10年くらい使っているので最近とみに効き目が悪くなっていたため。
こういう時は賃貸がありがたいと思う。

今年は関東地方を除いて日本中が大雪という感じだ。しかし、埼玉や東京は快晴続き。
関東地方って、夏は大阪や名古屋に比べれば暑くなく雨も程よく降り、台風もめったに直撃せず、冬は良く晴れてあまり寒くないと、気候には恵まれている気がする。
気になるのは地震だけれど、これは日本中、「ここは安全」っていう地域はあまりないし。私が大学の頃は、「関東では大地震が60年周期で起こるので、関東大震災から60年経った今はとても危険」という説がもっぱらだったが、それから30年、そんなことはなかったし。(忘れたころにやってくるかもしれないが)
(2011.1.30)

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ザ・ロード(映画)

2011年01月30日 | 映画の感想
ザ・ロード(映画)

核戦争とか隕石衝突といった大災厄が起きて人類の大半が死に絶え、厚い雲が空をおおって寒冷化が進み、人間以外の生物も植物もほとんど見られなくなってしまった世界が舞台。

大災厄の後に生まれた10歳くらいの男の子を連れた主人公は(さしたる理由付けもなく)南の海をめざす。
旅の途中にはマン・イーターと化した人間たちが出現するが、息子をかばいながらなんとか切り抜けていく。

常に天気が悪い設定なので、回想シーンを除いて画面はほとんどモノクロ調で、登場人物の全部がボロボロの恰好をしているという、救いのない暗い映画。家族が寝た後の深夜に一人でDVDを見たので、なおさらやるせない気分になった。

・・・ではあるのだけど、見始めたらやめられなくなった。

ヴィゴ・モーテンセンは世をすねたような役柄が多かったけれど、本作では終始一貫、息子を守り続ける熱血オヤジ。
オヤジは、あまりの試練の連続に、他人への信頼を失っていくが、息子は天使ような無垢さを保ち続けていく。二人のコントラストを際立たせることで主題を浮かび上がらせている。

**********

マンションの和室の畳の表替えをした(大家さんがしてくれた)。入居以来10年、畳をあげるのは初めて。当然だが、畳の下は打ちっぱなしのコンクリートで、畳がなくなった後は音がやたらと反響した。
新しい表は、これも当然ながらけっこう強いイグサ?のにおいがした。日本人でなければ部屋にいられないのでは?と思えるほど。(2011.1.29)

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死闘 渡辺明VS羽生善治(NHK BS2)

2011年01月30日 | Weblog
死闘 渡辺明VS羽生善治(NHK BS2)

昨年の竜王戦を、二人の棋士としてのキャリアを織り交ぜながら描いた番組。

NHKらしく、将棋以外の横道にそれることなく正統な?ドキュメンタリータッチに仕上がっていて好感が持てた。

将棋の技術的な解説にはいりこむことなく、かつ、各局のポイントをあげて現役棋士で理論派の島朗さんがわかりやすく解説する形もよかった。
2年前の、やはり二人の竜王戦をネタにした民放の番組が(かなり前の話だが)あったが、将棋のルールを知っているかさえあやしそうなMCと野球解説者の談話が中心で、羽生さんへのインタビューの内容もひどくて、とてもがっかりした記憶があるが、それとは雲泥の差であった。

竜王が負けた3、4戦をふくめて、各局とも、竜王が優位に進めた将棋で、羽生さんは苦手意識ができてしまったのかなあと思わせるほどであった。

番組が企画されたことからわかるように、この二人の棋戦が、今の将棋界の最高のカードなのだが、どうも二人ともライバル意識をむきだしにするタイプではないようで、盤外のもりあがりがもう一つかなあ、とも思える。

番組の中で、19歳にして初めて渡辺さんが棋戦挑戦者となって羽生さんに挑み3勝2敗で敗れたときが、これまでで一番くやしそうであった、という渡辺さんの奥さんの証言があった。初めての挑戦で相手が羽生さん、かつフルセットというシチュエーションなら、並みの人間ならむしろホッとしてしまいそうだが、やはりそこは勝負師、内に秘めたガッツはすごいのだなあ、と思えた。(当たり前か)
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2011.1.24.常滑 GⅢ MBトライアル 優勝戦

2011年01月26日 | 競艇
2011.1.24.常滑 GⅢ MBトライアル 優勝戦

1.樋口 2.繁野谷 3.矢後 4.岩井 5.山田(竜) 6.佐竹

うーん。1、4、6の選手って全く知らないんだけど・・・6なんて埼玉の選手なのに・・・
ブランクが長すぎたか。

昔ヒモで買って高配当をもらった覚えがある矢後のヒモ流し。

結果1-6(逃げ)34.2 矢後は3着。
(敬称略)
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陸上自衛隊 広報センター

2011年01月26日 | Weblog
陸上自衛隊 広報センター

1月23日に子供二人と行ってきました。
HPには和光市駅から徒歩15分とありましたが、子連れだったせいもあって、25分くらいかかってしましました。

事業仕分けのための視察で、人気のある議員が訪問したことで有名になり、入場者が急増したと聞いていましたが、さほど混んでいませんでした。
もとは無料だったようですが、「有料化実験中」(大人500円、子供200円)だったせいかもしれません。

まず3Dシアターを見ました。主に空挺部隊の訓練風景を紹介したものでしたが、立体感はイマイチ。ただ、最後の方の市街戦訓練の場面は、隊員の持つライフルがやたらと飛びだして見え、子供が怯えるほどでした。

次に、子供が攻撃ヘリのシミュレータを体験しましたが、「とても面白かった」と言っていました。

屋外には本物の戦車や自走砲、対空戦車、機雷敷設用の水陸両用車などが展示してありました。
屋外展示なのにとてもきれいでした。きっと管理の人が掃除しているのでしょうね。
車体に刻まれた製造元表示を見るとは砲身や砲塔はだいたい日本製鋼所で、車体とかは重工なのですが、ある自走砲の車体メーカがコマツだったのは意外でした。

1階で子供は迷彩服を借りて着ていました。
1階のメインは攻撃ヘリと90式戦車で、両方とも迫力がありました。ヘリのコクピットは想像以上に狭かったです。

2階の展示室には小泉元首相の感状(スピーチ原稿)が展示してありました。見覚えのある筆跡で手書きでした。文案は他の人が作ったのでしょうが、手書きしてそれを渡すところがやっぱうまいなあ、と思いました。

私が一番よかったと思ったのは、戦車の砲手の座席が再現(というか使用済みの本物)されたもので、ペリスコープを覗きながら安全装置を外して射撃ボタンを押せるようになっていました。

おみやげ(日清食品製の自衛隊専門のカップヌードル(←こんなのがあるんだと感心。表面の表示も「SDF」とでかでかと書かれている)とケーキ、自衛隊まりもっこり)を買って帰りました。

子供はとても喜んでいて、有料でも十分ペイしたなあ、と思いました。
駅からは遠く、バスの便なく、駐車場も狭い感じで、アクセスが悪いのは残念ですが。

あと、借りた迷彩服を返す時に係のお姉さん(自衛隊員と思われる)が、子供に「自衛隊入りたくなった?」と言っていました。「おお、なんて職務に忠実なんだ」と感心しました。残念ながら?子供の答は「かっこいいけど、ちょっと怖い」でしたが。(2011.1.26(水))
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