犬の力 (ドン・ウインズロウ 角川文庫)
主人公のアートは合衆国の麻薬捜査官。メキシコを経由の麻薬流入を阻止しようとメキシコの麻薬王バレーラ一家と果てしない戦いを数十年も続ける。
バレーラ一家は同業者との血みどろの抗争をくぐりぬけてメキシコで覇権を唱えるが、メキシコ出身のカトリックの枢機卿を殺したことからアートの殲滅作戦に壊滅状態に追い込まれる。
麻薬流通をめぐるアートとバレーラ一味の戦いが主筋だが、負けず劣らず、ノーラという高級娼婦と幾人かの登場人物の恋物語も重きをおいて描かれる。
アートもバレーラの頭目ミゲル、アダンも意地の張り合い以外はけっこう軟弱なのに比べて、ノーラのキャラが際立っている。彼女はハードボイルドな(?)娼婦で、ストイックに商売に専念し、女の魅力を磨き続ける。本当に惚れたのは高齢の枢機卿だけで、彼が殺された後、復讐を誓ってアート側のスパイになる。
上下巻合計1000ページ近くあり、いくらなんでも長すぎる。
下巻の後半から相当盛り上がるが、そこまで着くのに一苦労。
あと、日本語表記だと似た名前の人物が多いのも、少々読み進みにくい感じを増す原因になっていた。
私としてはドン・ウインズロウに期待するのは、ストリートキッズシリーズのような(よくありそうな警官とか探偵とかのようなのではなくて)オリジナリティの高いハードボイルドなのだが、そのリクエストにぴったりくるのは、前記のように、ノーラくらいで、他の登場人物はちょっと類型的な感じ。
主人公のアートは合衆国の麻薬捜査官。メキシコを経由の麻薬流入を阻止しようとメキシコの麻薬王バレーラ一家と果てしない戦いを数十年も続ける。
バレーラ一家は同業者との血みどろの抗争をくぐりぬけてメキシコで覇権を唱えるが、メキシコ出身のカトリックの枢機卿を殺したことからアートの殲滅作戦に壊滅状態に追い込まれる。
麻薬流通をめぐるアートとバレーラ一味の戦いが主筋だが、負けず劣らず、ノーラという高級娼婦と幾人かの登場人物の恋物語も重きをおいて描かれる。
アートもバレーラの頭目ミゲル、アダンも意地の張り合い以外はけっこう軟弱なのに比べて、ノーラのキャラが際立っている。彼女はハードボイルドな(?)娼婦で、ストイックに商売に専念し、女の魅力を磨き続ける。本当に惚れたのは高齢の枢機卿だけで、彼が殺された後、復讐を誓ってアート側のスパイになる。
上下巻合計1000ページ近くあり、いくらなんでも長すぎる。
下巻の後半から相当盛り上がるが、そこまで着くのに一苦労。
あと、日本語表記だと似た名前の人物が多いのも、少々読み進みにくい感じを増す原因になっていた。
私としてはドン・ウインズロウに期待するのは、ストリートキッズシリーズのような(よくありそうな警官とか探偵とかのようなのではなくて)オリジナリティの高いハードボイルドなのだが、そのリクエストにぴったりくるのは、前記のように、ノーラくらいで、他の登場人物はちょっと類型的な感じ。