蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

her 世界でひとつの彼女

2024年06月23日 | 映画の感想
her 世界でひとつの彼女

LAに住むセオドア(ホアキン・フェニックス)は、手紙の代筆業者で、妻と離婚協議中。寂しさをまぎらわすため、人工知能が受け答えしてくれるソフトでサマンサと会話する。サマンサとイメージ・セックス?をするほどの仲となったセオドアだが、サマンサの行き過ぎた配慮(人間の娼婦を紹介する)がきっかけで仲違いする・・・という話。

10年くらい前に公開された作品だが、今まさに起きようとしている事態を正確に予言?している。

生成AIを使って、架空人格をまさに生成していけば、サマンサを再現することは今すぐにでも出来そう。サマンサにように気がききすぎて不愉快になることはあるかもしれないが、少なくとも、AI側が人間をムカつかせるようなことを言わないだろうし、もし気に入らなければ、電源を落とせばいいだけで、人間のようにあと腐りはない。別のAIで(会話を異なるアプローチで行って)別の人格を一から作って試行錯誤するうち、理想の友人?を生成できるかもしれない。理想すぎる友人というのも、ある意味グロテスクだが・・・

SF映画だと、まずテクノロジーの素晴らしさを描いた後に、そのテクノロジーによって人間が復讐されるという結末になるこことが多いが、本作では破滅的なラストは用意されておらず、人工知能の友人もいいものかも・・・という感じで終わらせているのも、友人AIへの誘惑をかき立たせそうな気がした。

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