高架線(滝口悠生 講談社)
西武池袋線の東長崎駅近くにある古ぼけたアパートかたばみ荘は、家賃は格安だが、賃貸人が出ていく時は次の借り手を紹介することになっていた。
アパートは身動きするだけで建物がきしみ電車が通り過ぎると揺れるくらい古かった。アパートの一室を借りた4人の若者と友人たちの物語。
というあらすじを書いても面白くもなんともなさそうだし、ドラマチックな事件も全く起こないのだが、普通のサラリーマン社会や経済とか金融とかといった世間から切り離されたようなスローテンポで平穏なボロアパートの空間の雰囲気がとてもいい。
プロミュージシャンになりそこね、長い髪を切って就職するが、いじめられて2年間失踪し、山奥のうどん屋で修行していた所を発見される片川三郎の仙人のようなキャラがいい。
仙台でヤクザの情婦に手を出し、東京に逃げてきてかたばみ荘に住んだ峠茶太郎(仮名)が入り浸る近所の喫茶店の雇われ店主の木下目見は、大学時代にバイトしてたこの店でそのまま(オーナーから頼まれて)店長になってもう10年。そんな人いないよねえ。でもなんだか憧れる。
西武池袋線の東長崎駅近くにある古ぼけたアパートかたばみ荘は、家賃は格安だが、賃貸人が出ていく時は次の借り手を紹介することになっていた。
アパートは身動きするだけで建物がきしみ電車が通り過ぎると揺れるくらい古かった。アパートの一室を借りた4人の若者と友人たちの物語。
というあらすじを書いても面白くもなんともなさそうだし、ドラマチックな事件も全く起こないのだが、普通のサラリーマン社会や経済とか金融とかといった世間から切り離されたようなスローテンポで平穏なボロアパートの空間の雰囲気がとてもいい。
プロミュージシャンになりそこね、長い髪を切って就職するが、いじめられて2年間失踪し、山奥のうどん屋で修行していた所を発見される片川三郎の仙人のようなキャラがいい。
仙台でヤクザの情婦に手を出し、東京に逃げてきてかたばみ荘に住んだ峠茶太郎(仮名)が入り浸る近所の喫茶店の雇われ店主の木下目見は、大学時代にバイトしてたこの店でそのまま(オーナーから頼まれて)店長になってもう10年。そんな人いないよねえ。でもなんだか憧れる。