あるきメデス

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奈良・春日大社本殿の特別拝観と2つの日本庭園めぐり

2015-06-03 12:51:46 | 奈良を歩く
 2015年5月26日(火)

 5時44分に自宅を出て、東京駅7時33分発東海道新幹線ひかり503号に乗る。京
都駅に10時11分に着き、10時34分発JR奈良線快速にて奈良駅には11時18分
に着いた。


 隣接する旧駅舎内の奈良市観光案内所に入り、観光パンフレットや展覧会のリーフレッ
トなどを幾つか入手した。

 観光案内所に待機していた奈良市観光協会マスコットキャラクターの「しかまろくん」。
    


 歩道が広くなった三条通に入ると、30℃を超えるという予報通り日射しが暑い。小西
さくら商店街を近鉄奈良駅に向かい、正午を過ぎたので駅近くのビルの「うどん亭」でま
ずは昼食とする。
    

 12時55分頃店を出た。近鉄奈良駅構内のコインロッカーに荷物を入れ、登大路を東
大寺大仏殿の方向に向かう。興福寺境内付近からは歩道が松並木の下になり、暑さからは
幾分開放された。
      

 でも、5月でもこの暑さではシカもたまらぬようで、木陰で休んでいるシカないのかも
しれない。
    

 周辺には「鹿の飛び出し注意」の標識も幾つか見たが、山間地ならともかく、県庁近く
では奈良シカないのではなかろうか…。
        

 県庁東交差点を右折して国道169号沿いの芝生園地を進み、春日大社の一の鳥居から
参道に入る。こちらも、アカマツなどの木々が日射しを遮ってくれる。


 緑の車両が止まっていて、そばに小学生がたくさんいた。近づくと、傷ついたシカが用
水溝に倒れていて、それをNPOのシカの救急隊が来て担架で車に収容したところ。これ
も、奈良ナラではのことといえよう。



 近くに和洋折衷の独特の建物が見えた。国重要文化財の旧奈良県物産陳列所で、明治35
年(1902)の竣工とか。明治中期を代表する近代和風建築として高く評価され、現在
は奈良国立博物館の仏教美術研究センターとして活用されているという。



 参道は緩やかに上がり、両側には奉納された大きな石灯ろうが並ぶ。


 参道の東側の飛火野(とびひの)では、近くの中学生だろうか、伸び伸びと運動をして
いた。



 修学旅行生の多い二の鳥居をくぐって石段を左に上がり、第60次式年造替(しきねん
ぞうたい)記念で特別公開中の、春日大社本殿を拝観することにする。


     特別公開のリーフレット
    
 春日大社の式年造替は20年に一度で、普段は入ることの出来ない国宝の本殿を間近に
拝観できる。今回の特別公開は4月1日から6月30日まで(リーフレットでは5月31
日までだが、その後延長された)。
        

 ちなみに式年造替とは、社殿を全部作り替える伊勢神宮の式年遷宮とは異なり、本殿の
神々を仮殿に遷座後、本殿の傷んだところを修理したり、色を塗り替えたり、檜皮葺(ひ
わだぶき)の屋根を葺(ふ)き直したりなどの大修理を行うことだという。

 混雑していて並んで待つようならあきらめようかとも思ったが、暗に反して拝観者は少
なく、すぐに入ることができた。


 朱塗りの南門を上がった弊殿(へいでん)↑の先は撮影禁止で、本殿を撮ることは出来
ない。




 樹齢1,000年を超えるといわれる傍らのご神木の大杉も、根元しか撮れなかった。
      

 左手(西側)の回廊から入り、日本の代表的な神社建築様式のひとつ、春日造りの典型
で、4棟が横一列に並ぶ朱塗りの本殿を、裏手から表側へと間近に拝観した。

 また、社殿の間の御間塀とよぶ塀に描かれた獅子や神馬の絵や、今回初公開という本殿
に祭られている「磐座(いわくら)」と呼ぶ神秘の石、明治維新以来閉ざされていたとい
う後殿(うしろどの)なども拝観できた。(拝観料 1,000円・特別記念品↓付)
       

 拝観を終え、いったん南門を出て回廊の西側に入り、一番奥の内侍門から西に下りる。


 そばの酒殿(さかどの)↑と柱昌殿(けいしょうでん)↓の間を進み、駐車場の横を通
過する。


 さらに春日大社神苑を緩やかに下り、奈良県新公会堂横を過ぎる。その先は「鴟尾(し
び)の庭」と呼ぶ池を巡らす日本庭園があり、北に東大寺大仏殿の屋根が望まれる。



 広い芝生地となり、背後に若草山も見えてきた。大仏殿交差点から北に伸びる道路沿い
には土産物店や飲食店などが並び、修学旅行生や観光客で賑わう。


 この先の登大路は樹木が少なく正面からの西日が暑い。すぐ先の奥村記念館は無料休憩
所になっていたので入館した。

 ここは、総合建設会社の奥村組が、創業百年を記念して2007年に開館した施設。1
階は観光インフォメーションセンターとショールームで、奥村組の歴史や技術紹介の展示
があり、無料の飲み物をいただき、休憩コーナーで休ませてもらった。

 次の三差路の先に氷室(ひむろ)神社がある。橋を渡った正面、表門の右手にシダレザ
クラの古木が立つが、枝に癌腫(がんしゆ)と呼ぶ悪性の腫瘍があり、樹木医の指導で樹
勢回復中で、花咲寄進(はなさかきしん)お願いの張紙があった。


 県文化財の表門を入ると、舞楽を上演する舞殿(拝殿)で、その奥には文久3年
(1863)造替という独特の社殿形式の本殿↓が祭られ、やはり県文化財である。


 季節外れの暑さに応え、舞殿の左右からは冷風を吹き出すミストがあり、暑さを和らげ
てくれる。神社でこのような施設を見たのは初めてのことだった。


 舞殿の正面下に、ドイツの造船所で建造された清国(しんこく)海軍の戦艦「鎭遠」の
主砲の30.5サンチ(㎝)砲弾が置いてある。
        
 鎭遠は日清戦争では帝国海軍の脅威だったが、後日座礁して帝国陸軍軍艦として使用さ
れたという。

 さらに西へ、県庁東交差点の手前の細い三差路を右折して土塀の間を進み、突き当たり
を右折するとすぐ先に、吉城園(よしきえん)と依水園(いすいえん)の二つの日本庭園
が公開されている。


 まずは右側の吉城園に入る。万葉集にも読まれた吉城川に隣接して明治・大正時代につ
くられた庭園で、奈良県が取得して平成元年(1989)に開園したという。

                        旧正法院家住宅(奈良県文化財)


 敷地面積約8,900㎡あり、園内は池の庭、苔(こけ)の庭、茶花の庭からなっている。
池の庭は江戸時代からの地形の起伏や曲線を巧みに取り入れ、建物と一体になるように作
られているようだ。



 順路に従い変化ある園路を15分ほどで一巡し、緑豊富な日本庭園の景観を楽しんだ。

                 茶  室

(入園料 大人250円、外国人、65歳以上、中学生以下無料)

 16時となり、北に隣接する日本庭園、依水園へ。

 依水園は、江戸時代前期に作られ周囲から隔絶された前園と、周りの景色も借景として
取り入れ明治時代に作られた後園からなり、昭和50年(1975)に国の名勝に指定さ
れている。

 面積は11,000㎡あり、正門を入った前園左手には、寧楽(ねいらく)美術館↓が併
設されている。



 最初に前園にあるかやぶき屋根の三秀亭↓横から池の周辺を回り、対岸の↑茶席清秀庵
の方に進む。





 その先は、より大きな池の背後に春日山や若草山、東大寺南大門などが望まれ、開かれ
た後園のエリア。池の右手から水車小屋を経て、池の北岸を戻った。

                 氷 心 亭   


                 水 車 小 屋






                   三 秀 亭    

 最後に寧楽美術館↑に入り、依水園を買い受けた実業家・中村準策が収集したという、
古代中国の青銅器や拓本、古鏡、高麗・朝鮮王朝時代の陶磁器、日本の茶道具や古瓦など
の展示を観覧した。(館内は撮影禁止)
    
    美術館の前のクスノキが、気持ちよい若葉の彩りを見せる。

 観覧を終えたら閉館時刻の17時、正門は閉じていて、横の小さい門を開けて園を出た。
(入園料 一般900円)

 県庁構内を通過して近鉄奈良駅に戻り、預けた荷物を持って電車に乗る。次の新大宮駅
で下りて、奈良では定宿としている近くのビジネスホテルに入った。

(天気 晴、距離 7㎞、地図 (2万5千分の1)奈良、奈良公園ウオークマップほか、
 歩行地 奈良市)





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