あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

季節外れの真夏日 東武動物公園駅の南側を歩く(埼玉・宮代町)

2018-10-10 18:42:20 | カントリーウオーク
 2018年10月7日(日)

 平年なら一番歩きやすい時期のはずだが、カントリーウオークグループの第257回例
会は、季節外れの真夏日になるとの予報である。

 集合は東武伊勢崎線の東武動物公園駅、10時10分に西口をスタートした。


 == 南側の社寺と郷土資料館を回り広々としたはらっぱ公園へ ==

 西口の線路沿い一帯は草の伸びた空き地。地図には建物が記されているが廃業して撤去
したらしい。


 中央二丁目の民家にリンゴが大きく実り、色づき始めた実もある。
    

 宮代(みやしろ)二丁目に入って百間(もんま)小の南側まで進むと、西側の流れに沿
った桜並木が近づく。



 すぐ先で道仏(どうぶつ)集落の稲荷神社に入り、最初の休憩。気温も上がってきたの
で、社殿前の2本の大クスノキの緑陰にホッとする。
     
  

 集落の南側には医王院がある。さい銭箱の上に大きな念珠が下がり、参拝してそれを引
くとカタカタと清らかな音が感じられる。
     

 だが、参拝後緑陰で休憩していたら、ご住職が出て来られ、連絡してから来るようにと
言われる。お寺でこのようなことを言われたのは、さいたま市西区のM寺以来だ。

 この辺りは新しい広い道路になっていて、現地確認がしにくい。南東に進んで姫宮落川
の新しい橋を渡り、南に平行する笠原沼落と呼ぶ細い流れの右岸沿いを南東へ。

 流れ沿いに桜並木が続き、一帯はひこばえの伸びた緑の田んぼが広がる。


 東武線の線路際まで進んで姫宮(ひめみや)集落の姫宮神社に入る。

 姫宮神社は旧百間領の総鎮守。桓武天皇の孫の宮目姫が突然の病で亡くなり、後に慈覚
大師円仁(じかくだいしえんにん)が姫の霊を祭ったのが始まりとか。延長5(927)
年成立の延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)にも記された古社のよう。

 本殿は正徳5(1715)年頃の建立と推定され、拝殿には文久3(1863)年の銘
が記されているという。

     
 少し早めの七五三参りの家族が記念撮影し、拝殿横に並ぶ2本の大イチョウの1本から
大粒のギンナンが落ちていた。

 参道の南西側に回ると、北方はるかに男体山など日光連山が望まれる。


 宮代高の東側を南下して東(ひがし)集落に入り、西光院(さいこういん)へ。

 西光院は奈良時代の僧、行基(ぎょうぎ)の草創と伝えられているとか。

 本尊の阿弥陀如来、脇侍の観音像と勢至菩薩の三尊像は平安末期の安元2(1176)
年の造立で国の重要文化財。現在は上野の国立博物館で展示されているという。

 中世には岩槻城主太田氏の祈願所とされ、徳川家康から寺領50石と葵入り茶碗を寄せ
られ、茶碗は寺宝となっているようだ。

 庫裡(くり)は、昭和31(1956)年に当時の知事校舎の一部を移管したものとか。
本堂前の2本の大カヤから実が落ちていた。

     
 山門近くには大きな宝篋印塔(ほうきょういんとう)があり、門前からはクスノキの古
木が目についた。


 道路を挟んで南側には五社(ごしゃ)神社がある。熊野三社と白山、山王の五社を祭っ
たことからこの名がつけられたよう。


 現在の本殿は文禄・慶長年代(1592~1614)の建築と推定され、県の指定文化
財である。


    
 少し西進後、右左折をくり返して西北に進む。沿道には色づいたカキやミカンなどが多
く、花盛りのソバ畑もあった。
        

     

 宮代高の西側から西原集落に入り、百間小の先にある宮代町郷土資料館に入って観覧す
る(撮影禁止)。

 館内では、町内で発掘された旧石器・縄文時代や弥生・古墳時代の石器、土器など、古
代・中世の古文書、近・現代の資料、郷土の偉人・島村盛助の紹介などの展示がある。町
立の施設としては、かなり充実した展示施設のように思われた。

 館の北側には野外展示として、町指定文化財の旧加藤家住宅と縄文時代の復元住居があ
る。

 旧加藤家は、町内本田(ほんでん)から移築復元したかやぶき屋根の民家。加藤家は代
々名主(なぬし)役を務めており、建物は文化10(1813)年前後の建築と推定され
ているよう。


 縄文時代復元住居は、資料館の敷地内から発掘された縄文時代前期(6千年間)の住居
跡をモデルに復元したものという。


    

 さらに北に接する「西原(にしばら)自然の森」と呼ぶ一角には、ともに町文化財の旧
斉藤家住宅と旧進修館の建物もあるようだが、12時半を過ぎているので観覧は省いた。


 西原集落の西端まで進み、南側の金原集落へ。遍昭院↑の東側から南に回り、昼食地の
「はらっパーク宮代」に12時50分に着く。



 広い芝生広場の北側にあった緑陰に腰を下ろして昼食とする。

 
 == 新しい村を抜けて駅に戻る ==
 
 ミーティングと記念撮影をして、13時50分にはらっパークを後にした。



 公園の西北端付近から北へ、ひこばえの延びた水田の間を抜けて再び金原集落に入り、
珍しい名の保食神社↓の横を進む。



 その先にもソバ畑があり、ちょうど花盛り。
         

 東北側の西原集落に回って青林寺に立ち寄る。青林寺は、午前中訪ねた西光院の末寺で、
中興開山は明和4(1767)とか。


 境内には鎌倉時代から戦国時代の板石塔婆(いたいしとうば)、宝篋印塔(ほうきょう
いんとう)や五輪塔の一部などが残っていた。
         


 この辺りは戦国時代から江戸時代前期の城館跡のようで、のちの百間陣屋でもあったと
推定されているという。

    


 山崎集落に入り、小さな社殿の神明神社前を通過する。民家の塀際のコンクリートの隙
間から、力強く伸びた花がある。夏の暑さにも耐えたのだろうか…


 近くには、広い屋敷に植栽豊富な民家も幾つか見られた。


 小さい築山に浅間神社が祭られた小さな森の前を西へ、すぐ先で北に下ると、小さい流
れに沿って西に延びる田んぼが現れた。

 刈り取った稲を干すはさ掛けもあり、北側に笠原小が望まれる。
         
 ここは「新しい村」と呼ぶ一角で、田んぼは「ほっつけ田」と呼ばれ、屋敷林や土水路
など宮代町の原風景を残した空間。「農」のある町づくりの推進拠点として平成13
(2001)年にオープンしたという。


 中心部の建物は宮代産の新鮮野菜や特産品の直売所で、周辺には市民農園やハーブ園、
雑木林、芝生広場などある。



 直売所↑そばの建物に入り、アイスクリームやかき氷などで暑さを和らげ、ゆっくりと休
憩した。


 北に向かうと東武動物公園の大きな木造ジェットコースターが望まれる。


 木々に囲まれた親水池の中央ではアオサギやカワウが羽を休めていた。





 新しい村を出て、笠原小の西側を進む。校舎は切妻の瓦(かわら)屋根に赤い外壁のユ
ニークな造り。



 姫宮落川を渡り、駅前に向かう広い通りを進む。細い流れ沿いの桜並木を横断して、子
育て広場と呼ぶ公園の横を過ぎる。

 広場には、東武鉄道で昭和41(1966)年まで貨物列車用機関車として使われてい
た、明治31(1898)年イギリス製のSLが保存されていた。

 北側の進修館(しんしゅうかん)は町民のコミュニティ活動拠点で、笠原小同様の赤い
外壁とユニークな外観である。


 ゴールの東武動物公園駅西口には15時31分に着いた。

    
 駅前広場に転轍機(てんてつき)のモニュメントがあり、「ここは昭和18(1943)
年から機関車の整備工場で、平成16(2004)年にその機能を南栗橋に統合して役目
を終え、工場で使われていたた転轍機をモニュメントして設置した」と記されていた。

 出発時に、草の伸びた広い空き地は工場跡のようだと推測したのだが、このモニュメン
トで東武鉄道の工場があったことが分かり、地図上に残っていた引き込み線の跡らしいタ
イルの埋め込みも確認できた。
 

 この日、近くの久喜市の最高気温は32.1℃、周辺の越谷市やさいたま市でも32℃
を超えており予報通り真夏日だったが、真夏より湿気は少な目で風もあり、幾分救われた。

(参加 11人、天気 晴、距離 10㎞、地図(1/2.5万) 久喜、歩行地 宮代町、
 歩数 19,500)




アウトドアランキング




にほんブログ村 アウトドアブログ ウォーキングへ
にほんブログ村

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「松浦武四郎展」観覧に静嘉... | トップ | さいたま市美術展を観覧し八... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (しゃんしゃん)
2018-10-13 17:20:15
こんにちは。
青空の下に地面いっぱいに広がる草むらや芝生はいつ見ても綺麗ですね。ソバの花は色も含めて綺麗なだけでなく地面いっぱいに広がるソバ畑は綺麗な光景です。
古民家 (H.T)
2018-10-13 21:25:50
移築復元したかやぶき屋根の民家の写真楽しませて頂きました。
晴天の日の彩り (saikoroat)
2018-10-22 18:27:58
しゃんしゃんさん、コメントいただいた日から不在となり、お返しが遅くなりました。
やはり写真は、晴れた日の方がきれいに見えますね。
広い緑の芝生や純白のソバの花は、どこで見てもよいものです。
ほかの建物も (saikoroat)
2018-10-22 18:34:01
H.Tさんからも同じ日にコメントいただきながら、遅くなりました。
そばの公園内に、別の古民家と古い建物もあるようですが
回る時間が無くて確認できませんでした。

コメントを投稿

カントリーウオーク」カテゴリの最新記事