魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

水や空気

2020年01月07日 | 占いばなし
IR汚職事件。当たり前の話だ。お金でお金を釣ろうという賭博の世界に、汚職文化の中国とくれば、便所でうんこが付くより当然だ。
昔、男社会で宿舎暮らしをしている友人と久々に会って、話していると、
「トイレで、屁を笑うのは反則だろ。トイレ以外のどこでしたらいいんだ」
と、笑い話のつもりで話してくれたが、何となくズレているような気がした。
「屁をひって面白くもなし独り者」の川柳もある。男どもが集まって、屁で盛り上がっている様子が目に浮かんだ。

政治家の世界、商売人の世界、それぞれに空気がある。水とも言う。
空気は、その中にいると何も違和感を感じなくなる。匂いや音に敏感な人でも、すぐ慣れてわからなくなる。不正も、それを当たり前のようにやられると、「こんなものか」と馴れてしまう。
口説きのテクニックの一つに、既に二人は認め合った仲と、堂々と振る舞えば、抵抗感がなくなる。中国は世界中の政治家を汚職に引き込んでいるが、中国ではごく当たり前の作法だから、堂々と汚職を働きかけ、容易に相手を巻き込んでしまうのだろう。

一白の安倍長期政権には、イケイケ、なあなあの空気が蔓延しているようだ。
一白は水だ。二黒、五黄、八白のような、融通の利かない土性の「実質」と違い、風の四緑や雷の三碧と同類の水は、融通無碍で形がない。形がないから、何の裏付けもないことでも「素早く」「自在」にやってのける。
今回、日本を脱出した、カルロス・ゴーンも安倍総理と同い年の一白だ。
やはり一白の田中角栄が、終戦間際に建設を請け負って朝鮮に渡り、ロシアの参戦を知るや、前渡し金の軍票を円に換金して日本に引き揚げたと言うエピソードは有名だ。真偽はわからないが、それほど素早かったと言うことだろう。軍票は日本が負ければ紙くずだから、仕事をせずに大金を手に入れたわけだ。戦況をにらんでこの展開を読んでいた可能性もある。一白「水」は智の星でもある。筋書きさえ浮かべば道理や常識にこだわらない。こんな芸当は、実体や裏付けにこだわる土性にはできない。

しかし、この素早さが常に成功するとは限らない。「策士策におぼれる」。イケイケで走っている最中の田中はロッキードで墜落した。
長期政権で、すっかり一白ムードに覆われた安倍政権のイケイケは、金融のアベノミクスに始まり、やはり産業の実体のない、IRのような「徒手空拳」を好む。消費税の軽減対策でも、コネコネと手品師の様なネコ欺しをやる。
田中角栄の日本列島改造論、中曽根政権のバブル景気、一白の、ムードだけの景気が去ると、国民は膨大な借金に苦しむことになった。
賑やかなアベノミクスだが、対処療法が次々と打ち出される割に、日本がどこに向かっているのかさっぱり解らない。
ただ、田中、中曽根政権と違うのは、麻生との二人三脚という点だろう。金性六白の麻生こそが本体で、天の六白は国際的に大きな絵が描けるが、大きくなり過ぎるとパンクする。歴史上の典型的人物には、白村江で大敗北をした天智天皇がいる。