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岐阜・タイル巡り【粘土工業所のタイル】

2018-09-15 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

少し前、タイル友の会(TTK)のメンバーが、岐阜県関市にある旧粘土工業所で素晴らしいタイルが見れるという

リサーチ&見学の予約を取り付けてくださり、TTKメンで見学へ訪れてきた。

 

 

岐阜駅で合流して、レンタカーを運転してもらい、いざ粘土工業所へ!

途中、素敵プランも立ててもらって、旧発電所や古民家ランチ(後ほどじっくり報告)をしつつ到着。

 

 

粘土工業所は大正13年に岐阜県関町にて創業。
 
当初は素地製タイルのみの製造だったが、昭和2年頃より施釉タイル、その後美術彫刻を施した腰張り用、
 
テラコッタ、床タイルを製造し、昭和12年頃合資会社となる。
 
と見せて頂いた資料には書いてあったけど、

タイルを製造されていた時のことをよく知る人はもうおられないようで、現在は関ブロック工業他、
 
いくつかの会社グループとなっていて、その旧事務所の中にお宝タイルは眠っているとのこと。
 
社長の奥様にお話を少し聞かせて頂いた後、旧事務所の中にあるタイルを貸し切り?!で存分に見せて頂いた。
 
 
 
 
建物の玄関上に掲げられた「NK」のマークは粘土工業所のマークで昭和3年から昭和12年にかけて使用されていたという。

 

 

玄関ポーチを支える柱にも渋い色合いの型押しタイル、

 

 

入口扉周りも布目タイルなど様々なタイルの競演が見られる。

 

 

そして、ガラスの扉を開けて目の前に飛び込んできたのは!

ジャジャーーーーーーン!

めちゃめちゃいい色と質感とデザインのレリーフタイル、そして床タイル・・

 

 

私たちは皆、興奮を抑えきれず、ため息と称賛の雄叫びを上げながら写真を撮り始めたが、、

今回約束を取り付けてくださった☆さんがおもむろにマイ箒&ちりとりを取り出し、掃除を始めた。

さすが、訪れるのが2度目となると冷静だなあ。

そう、タイルを美しく写真に収めるにはタイル表面のゴミと埃を取り除く作業は必須だったのだ。

皆一旦、カメラを置いて、ぞうきんや汗拭きシートなどで一斉清掃を開始。

 

 

 

表面の埃をふき取ると、一層美しい輝きを放つタイルが現れた。

 

 

準備万端。これで心おきなく撮影ができる・・

L字型のカウンターの腰壁には渋い布目地のタイルが貼られ、その所々にいろんなデザインのレリーフタイルが

貼られている。

見本ともなったタイルだろうからデザインはほぼかぶっておらず、見たことのないレリーフタイルのオンパレードに大興奮!

 

 

東洋的な雰囲気のあるレリーフタイル

 

 

ひと際凹凸が激しかった立体的なお花模様のタイル。

四分の一サイズを対角に入れることで可愛さ倍増。

 

 

天使?らしき顔が描かれたタイル。

よく見ると片耳に輝くイヤリングをつけたおばさんかも?

 

 

想像上の動物?!不死鳥?

左のは足が蛇化してる・・

 

 

こちらも伝説の生物、羽を持つ天馬?

 

 

 

 

4分割された小さめタイルがかわいいなあ。

葉っぱのタイルに、子供の顔が分割されたキュビズムタイル。

 

 

女性の上半身のタイルもリアル。

別室にこのタイルが多用されたタイル壁もあった。

 

 

色が変わるとガラッと雰囲気が変わるなあ。

 

 

これは何?花瓶?

 

 

おばちゃん風天使タイルのこちらの色合いもいいなあ。

 

 

幾何学的なデザインのものも。

 

 

湯気が立ち上るティーカップもなんだかアールデコ調で素敵。

 

 

本?の上で考える人

 

 

花のデザインのタイルは手作り感があってほのぼの。

 

 

これは葉っぱと実らしき植物がデフォルメされたものか?アートなデザイン。

一通りのレリーフタイルを撮り終えたところで、ほっと一息。

 

 

カウンターの一面に入れられた型板ガラスも素敵だなあ。

 

 

押さえの桟にも細かく彫刻が入ってた。

 

 

カウンター前の床のタイルは立方体のだまし絵風タイル。

 

 

そして、カウンターの向こう側の床には、

 

 

床タイルがパターン毎にまとまって貼られてる。

奥様が言われていたように、腰壁のタイルも床のタイルも一つもはがれることなく、このように美しい状態を保ったまま

残されているのは奇跡だなあ。

当時とタイルの品質と施工技術のレベルの高さがうかがえる。

 

 

 

真ん中のメインのタイルを囲み、絨毯のように縁取りデザインされたタイルが9パターンほど、床に貼り巡らされる。

未だかつて見たことのないボリュームのタイルに益々狂喜!!

 

 

 

 

網目模様のものもあれば、

 

 

ヘリンボーン貼りのもの

 

 

布目地に模様の入ったレリーフタイル

 

 

矢羽形を組み合わせたバリエーションもいろいろ

 

 

 

 

所々カラフルな色が混じるヘキサゴンの組み合わせも可愛い。

 

 

そして隅に貼られてたこの亀甲型、クロコダイル調タイル、

これは以前、下呂温泉の湯之島館の春慶荘の浴室で見たタイルとパターンが同じだ。

このタイルの雰囲気、質感は独特。

 

  

春慶荘では単色で使われていたが、こちらは色分けされていて、それによりこのタイルが紫陽花がモチーフだったと分かった。

こちらの粘土工業所でつくられたものだったんだなあ。

 

  

部屋の隅の方まで、隙間埋めるように貼られたタイルも見逃せない。

T字のような模様が入った型押しタイルも初めて見た。

 

 

 

 

 

そして、入ってすぐ右手にある応接スペースらしき部屋にはこんなタイル壁が残されている。

めちゃめちゃ好みの色合いと雰囲気のタイル壁!

壁面の上部には羊らしき頭部が付いていたと思われるが、残念ながら今はない。

 

 

玄関のカウンターの腰壁にもあった女性の胸像レリーフタイルが渋い布目地の色タイルの間にぽつぽつと置かれてる。

 

 

 

 

色とりどりのタイルは、泰山タイルほど華やかさはないけれど、どれもシックで落ち着いた深みのある色合いで超好み。

 

 

釉薬の重ね掛けで出された深みのある色合いと風合い・・たまらんなあ。

 

 

 

 

 

そして社長室の床には、ややくすんだライトブルーが素敵なタイルが敷き詰められてた。

 

 

 

 

私たちは更に、社長室の隅でソファに隠れるようにして貼られていたこれらのタイルたちのことも見逃さなかった。

ソファを少しずらして、表面の埃を取り去ると色鮮やかに浮かび上がってきたタイル。

 

 

渋いイエロー、焼きむらや窯変が美しいタイル・・

タイルってやきものなんだなあと改めて感じ入る。


 

 

  

我々はこのタイル部屋で1時間半~2時間ほどは粘っただろうか?

この素敵タイル空間で至福のひと時を過ごしたのだった。

この素晴らしいタイルたちを惜しげもなく見せてくださった関ブロック工業の方、

そしてアポを取り付けてくださった☆さんに感謝です。


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