転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



「分度器、ない?」

と、昨夜、娘が私に尋ねた。
分度器!なんとまぁ、懐かしい語彙!
私が最後にその言葉を発音したのは、30年前だったか。

私「去年学校で買ったセットに無かった?」
娘「ドリルやるのに要るから探してるんだけど、見つからない」
私「角度はかる問題?90度とか60度なら、分度器で測らなくても書けるけど?」
娘「そういうのじゃないんだ」

娘が見せてくれたドリルは、確かに「角度をはかろう」という単元で、
指定された角度を、自分で線を書いて図示するようになっていた。

私「これが宿題なの?」
娘「うん」
私「学校でこんなの、やってるの?」
娘「ううん。全然」
私「やってないのに、宿題だなんてアリ?学校で分度器、使った?」
娘「いや」
私「そんな宿題、変じゃないの」
娘「だって!ドリル36って、黒板に書いてあったもん!」
私「だったら、分度器が家になくて出来なかった、って明日学校で謝るしかない」
娘「う~ん。それも、なんだかな~~」

学習雑誌に出てくる母娘なら、こういうとき、
分度器を使わずに角度を割り出す方法、というのを、
ふたりで探るものじゃないだろうか。三角定規もコンパスもあるんだし。

が、怠惰な母に似合いの、アーパーかつズルい娘は、ふと、ニヤリと笑い、
「ふふ、答えのページがあったはず。あれ見て、写そう」
と決めた。こいつ、ロクなもんにならんな。

さて、さきほど娘が学校から帰って来たので、
私は昨夜の話を思い出し、どうなったのか、尋ねてみた。

私「あの宿題、結局どうなった?」
娘「ああ、あれね」
私「?」
娘「間違いだった。ドリル33が宿題だった。36じゃなかった」
私「ったく、やっぱり見間違いだったんだろ?変だと思った」
娘「惜しかったな~、3つ違いだったんだけどな~」

そういうのは、惜しい、とは言わんぞ普通。

私「で、どうしたの。違うところやってきました、って謝ったの?」
娘「ううん。大丈夫だった」
私「どうして」
娘「先生が来るまでに、33の答え、写したから」

きょうまでの小学校生活において、キミが身につけたものは、
人様の目をかすめる技術と、帳尻だけ合わせる要領か。
学力や注意力でなかったことだけは、明白だな。

やはり母が間違っていました。
今日限り、ドリルの解答、切り取って預かることにします。
あと、部屋かたづけて分度器探すように!

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