8歳の娘が、フィギュアスケートを習ってみたい、と言った。
テレビで先日、NHK杯をちょっとだけ観たのがキッカケらしい。
ちゃんとしたスケートの勉強をさせることは難しいが、
市内の教室に行ってみることくらいは出来るだろう。
私は若い頃、娘が出来たらきっとバレエを習わせよう、と思っていたものだ。
私自身が二十代半ばにもなってから、
どうしても習いたくてクラシックバレエの教室に通うようになり、
シマッタ、これを小さい頃からやっていれば、と悔やむことしきりだったからだ。
当時、バレエに対して、私なりには大真面目だった。
大それた希望は全く持っていなかったが、
まずは自分なりに、美しいバーレッスンを完成したかった。
だが、自分で思っていた以上に、私には才能がなかった。
仕事が終わってから、週2回、市内の教室へ通って、毎回2時間のレッスン、
髪はびしっとシニヨンにまとめ、黒いレオタードに白いバレエシューズ、
気分はすっかりバレエ学校の少女だったのだが、
こちらも道楽のプロだから(^_^;)、鏡に映る自分の姿を見ると、
「駄目だ」と毎回、はっきりと思った。
トンベ、パドブレ、グリッサード、パ・ドゥ・シャ、シソンヌ・シソンヌ、
と、それなりのアンシェヌマンを習うようになった頃でも、依然として、
「バレエになっとらん~!」という私のジレンマは非常に深いものがあった。
ああ、せめて大脳が出来上がる前に、何かもうちょっとインプットしてあれば。
それで、若かった私は思ったのだ。
何がどうでも、しなやかに立つことができれば、軽やかに脚が上がれば、
少女はきっとプライドを持って生きていける。
私に娘が生まれたら、必ずバレエを習わせよう。
しかし。
私自身のバレエと同様、娘は全然、私の理想通りにはならなかった。
3歳の娘に、当時家の近くにあった貞松浜田バレエ団を見せてすすめてみたが、
「みーちゃん、やだ」と一言のもとに却下されてしまった。
日を改めて幾度か訊いてみたが、全然興味がないと言う。
娘が当時選択したのはスイミングだった。これは今も続いている。
そして今度は、フィギュアスケートに興味が…?。
なんとなくバレエに似ていなくもないが、やっぱり別のものだ。
しかし、まあ、いい。やりたいことを、やりたまへ。
それでこそ得られるものも何かあろう。
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