洋服はほとんど、おしゃれメイト・マミで買う。
同級生のマミちゃんが経営する洋品店だ。
今では全身、おしゃれメイト・マミの商品で生きているような気がする。
それでも、たまには他の店で洋服を見る。
巷で何が流行っているか、どんな素材や組み合わせが今どき風かを
自分の目で確認し、あるやなしやのファッション感覚を養うのは
年寄りにとって大事だ。
未だバブル期のコーディネートをしていたり
娘にそそのかされて似合わぬ若作りをしている同年代を見たら
特にそう思う。
そんな私には、去年から注目しているブランドがあるんじゃ。
シンプルなデザインと比較的手頃な価格により
私が若い頃、つまり昔はけっこう人気だったものだ。
そのブランドが、隣市の大型スーパーにある。
何があったのか、今はスーパーブランドに落ちぶれたため
テナントでなく衣料品売り場の一角に置かれているのだ。
デザインは相変わらずシンプル、しかし堅苦しくなく
どことなく柔らかい雰囲気…
私の好みとするコンセプトは昔と変わらないように思う。
「アルファ・◯◯◯◯◯◯だ!」
見つけた時は、懐かしくて駆け寄ったものである。
その中に、黒のパンツスーツを発見。
このブランドの特徴の一つになるが、上下が別売りになっているので
厳密に言えば薄手のジャケットと、同じ生地のパンツ。
上下を買うと3万5千円ぐらい。
黒のパンツスーツは、近年の私が探しているアイテム。
なぜって、葬式用よ。
マミちゃんの店では買えない。
取り寄せをしても、パンツの丈が短いからだ。
しかし、パンツの喪服は動きやすくて温かいので魅力的。
通夜葬儀には老若を問わず、パンツスーツの喪服が増加の一途。
私も持っているが、ある事情によって着なくなった。
ここはひとつ、その事情を避けられるデザインのを探したいところよ。
その点、この黒のパンツスーツは良さげだ。
薄手の生地で襟が無く、前身頃が打ち合わせになっている女らしいデザイン。
そして細身のパンツは、見たところ足首までしっかり長さがありそう。
試着したかったが、夫と一緒だったので遠慮して売り場を離れた。
夫を待たせるのも気が引けるけど
亭主の目の前で洋服を買うのはもっと気が引けるからだ。
それが昨年春のこと。
そのうち季節は巡り、冬がやって来た。
この日は長男とその彼女マーコと共に、かのスーパーへ赴いた。
例のコーナーへ行ってみると、まだあるではないか…
あの黒いスーツが。
しかも半額になっとる!
長男はどこかへ行ったので、マーコと二人だ。
「試着してみてもいい?」
私はマーコにたずね、マーコは
「もちろんです!着たら見せてくださいね」
と言った。
交際中の彼女というのは、彼氏のママに寛大なものである。
着てみたら狙い通り、ジャケットは優しく身体に添い
パンツの丈もちょうどいい。
試着室から出ると、マーコは驚いたように目をパチクリさせて言った。
「お母さん…すっごく似合ってますっ!」
わかってるよ。
こういうスーツ、わたしゃ似合うんだよ。
だけど似合うって、美しいとか素敵という意味じゃないのも
わかってるんだよ。
板につき過ぎてる…
つまり葬儀場の社員みたいにピッタリってことなんだよ。
黒のパンツスーツで通夜葬儀に参列し
これまで何度、葬儀場の人に間違えられたことか。
「お手洗い、どこですか?」
「献花を申し込みたいんですけど」
「火葬場行きのマイクロバスは…」
「お弁当の数を変更したい」
そう言って呼び止められる確率100%だぞ。
だからパンツの喪服を着なくなった。
間違えられるのは嫌じゃない。
元々世話好きの出しゃばりなんだから
私でわかることなら喜んで対応するし
わからなければ、本物の葬儀場の人に繋いで差し上げる。
しかし、私がただの弔問客と知ったその人たちの
申し訳なさそうな表情といったら。
こっちが申し訳なくなるじゃないか。
人を惑わせるのは良くないと思って、パンツスーツを避けるようになった…
これが、私の言う“事情”。
マーコの反応を見ると、また間違えられそうじゃんか。
よって、この日も買わずに帰った。
さらに季節が巡った、先日の連休。
やはり長男とマーコと一緒に、あのスーパーへ。
衣料品売り場は、春の装いで溢れている。
例のコーナーへ行ってみると、あのスーツがまだあるではないか。
が、値段は半額ではなかった。
値札が付け替えられ、また定価になっとる。
生地が薄いので、再び春物扱いになったらしい。
去年、発見した時も春物扱いで定価。
着る物が厚手になる冬には半額となり
今年の春が近づいたら、また定価に戻っているというわけ。
卒業式や入学式のシーズンなので、まかり間違って買う人がいるかも…
とでも思ったのか。
何だかアパレル業界の闇を見た気分。
じゃあ次の冬が近づくと、また半額になるのだろうか。
ぜひ確認したい。
売れてしまっていたらどうするのかって?
売れるわけないじゃん。
あの上下を着られる女子は、そういないはずだ。
袖丈やパンツ丈が長くてカットしたら台無しになるので
私みたいに長身で手足の長い人間でないと無理。
そんな人間が、そうたくさんいるとは思えない。
さらにその手足の長い人間が、このように特徴的なデザインを選び
しかもスーパーで買い求めるとなると、確率はかなり低くなる。
絶対に売れ残って、次の冬にはまた半額になっているところを
ぜひ見たい。
冬が来るのが、今から楽しみだ。
同級生のマミちゃんが経営する洋品店だ。
今では全身、おしゃれメイト・マミの商品で生きているような気がする。
それでも、たまには他の店で洋服を見る。
巷で何が流行っているか、どんな素材や組み合わせが今どき風かを
自分の目で確認し、あるやなしやのファッション感覚を養うのは
年寄りにとって大事だ。
未だバブル期のコーディネートをしていたり
娘にそそのかされて似合わぬ若作りをしている同年代を見たら
特にそう思う。
そんな私には、去年から注目しているブランドがあるんじゃ。
シンプルなデザインと比較的手頃な価格により
私が若い頃、つまり昔はけっこう人気だったものだ。
そのブランドが、隣市の大型スーパーにある。
何があったのか、今はスーパーブランドに落ちぶれたため
テナントでなく衣料品売り場の一角に置かれているのだ。
デザインは相変わらずシンプル、しかし堅苦しくなく
どことなく柔らかい雰囲気…
私の好みとするコンセプトは昔と変わらないように思う。
「アルファ・◯◯◯◯◯◯だ!」
見つけた時は、懐かしくて駆け寄ったものである。
その中に、黒のパンツスーツを発見。
このブランドの特徴の一つになるが、上下が別売りになっているので
厳密に言えば薄手のジャケットと、同じ生地のパンツ。
上下を買うと3万5千円ぐらい。
黒のパンツスーツは、近年の私が探しているアイテム。
なぜって、葬式用よ。
マミちゃんの店では買えない。
取り寄せをしても、パンツの丈が短いからだ。
しかし、パンツの喪服は動きやすくて温かいので魅力的。
通夜葬儀には老若を問わず、パンツスーツの喪服が増加の一途。
私も持っているが、ある事情によって着なくなった。
ここはひとつ、その事情を避けられるデザインのを探したいところよ。
その点、この黒のパンツスーツは良さげだ。
薄手の生地で襟が無く、前身頃が打ち合わせになっている女らしいデザイン。
そして細身のパンツは、見たところ足首までしっかり長さがありそう。
試着したかったが、夫と一緒だったので遠慮して売り場を離れた。
夫を待たせるのも気が引けるけど
亭主の目の前で洋服を買うのはもっと気が引けるからだ。
それが昨年春のこと。
そのうち季節は巡り、冬がやって来た。
この日は長男とその彼女マーコと共に、かのスーパーへ赴いた。
例のコーナーへ行ってみると、まだあるではないか…
あの黒いスーツが。
しかも半額になっとる!
長男はどこかへ行ったので、マーコと二人だ。
「試着してみてもいい?」
私はマーコにたずね、マーコは
「もちろんです!着たら見せてくださいね」
と言った。
交際中の彼女というのは、彼氏のママに寛大なものである。
着てみたら狙い通り、ジャケットは優しく身体に添い
パンツの丈もちょうどいい。
試着室から出ると、マーコは驚いたように目をパチクリさせて言った。
「お母さん…すっごく似合ってますっ!」
わかってるよ。
こういうスーツ、わたしゃ似合うんだよ。
だけど似合うって、美しいとか素敵という意味じゃないのも
わかってるんだよ。
板につき過ぎてる…
つまり葬儀場の社員みたいにピッタリってことなんだよ。
黒のパンツスーツで通夜葬儀に参列し
これまで何度、葬儀場の人に間違えられたことか。
「お手洗い、どこですか?」
「献花を申し込みたいんですけど」
「火葬場行きのマイクロバスは…」
「お弁当の数を変更したい」
そう言って呼び止められる確率100%だぞ。
だからパンツの喪服を着なくなった。
間違えられるのは嫌じゃない。
元々世話好きの出しゃばりなんだから
私でわかることなら喜んで対応するし
わからなければ、本物の葬儀場の人に繋いで差し上げる。
しかし、私がただの弔問客と知ったその人たちの
申し訳なさそうな表情といったら。
こっちが申し訳なくなるじゃないか。
人を惑わせるのは良くないと思って、パンツスーツを避けるようになった…
これが、私の言う“事情”。
マーコの反応を見ると、また間違えられそうじゃんか。
よって、この日も買わずに帰った。
さらに季節が巡った、先日の連休。
やはり長男とマーコと一緒に、あのスーパーへ。
衣料品売り場は、春の装いで溢れている。
例のコーナーへ行ってみると、あのスーツがまだあるではないか。
が、値段は半額ではなかった。
値札が付け替えられ、また定価になっとる。
生地が薄いので、再び春物扱いになったらしい。
去年、発見した時も春物扱いで定価。
着る物が厚手になる冬には半額となり
今年の春が近づいたら、また定価に戻っているというわけ。
卒業式や入学式のシーズンなので、まかり間違って買う人がいるかも…
とでも思ったのか。
何だかアパレル業界の闇を見た気分。
じゃあ次の冬が近づくと、また半額になるのだろうか。
ぜひ確認したい。
売れてしまっていたらどうするのかって?
売れるわけないじゃん。
あの上下を着られる女子は、そういないはずだ。
袖丈やパンツ丈が長くてカットしたら台無しになるので
私みたいに長身で手足の長い人間でないと無理。
そんな人間が、そうたくさんいるとは思えない。
さらにその手足の長い人間が、このように特徴的なデザインを選び
しかもスーパーで買い求めるとなると、確率はかなり低くなる。
絶対に売れ残って、次の冬にはまた半額になっているところを
ぜひ見たい。
冬が来るのが、今から楽しみだ。
昔はファッション誌に載っていましたが
スーパーに置かれるようになったのは驚きでした。
住んでいる場所は違うけど、あのブランドを
一緒に見れると思うと嬉しいです。
マルチビタミン、良いですか?
私も飲んでみようかな。
ナッツはいいらしいです。
というのもアーモンドやカシューナッツ
ピーナッツなどのナッツ類は夫の好物で
いつも何かしらのナッツを身近に置いて食べています。
彼の限界無き体力はナッツかも…と以前から
思っていました。
私も夫のようなスタミナが欲しくて
時々食べるようにしています。
本当に、健康があってこそですね。
ありがとうございます。
ナッツ食べて、身体に気をつけます。
モモさんもね!
先日あまりにも、やる気が起こらず、頭も回らず、だるさが抜けきらなかった時に、ナッツ類を食べてひと眠りしたところ、何となくすっきりして気持ちも上向いてきている様に感じました。
それから意識して、小袋のナッツ類とビタミンを摂るようにしています。
おしゃれも、仕事も家事も、子育ても、趣味や楽しみも、健康あってのことだとつくづく感じました。
お忙しい時期だと思いますが、くれぐれもご自愛くださいね。
このまま春になるのか、また寒い日がやってくるのか。
来冬まで待つなんて、私にしてはかなり長期の作戦です。
また半額になっていたら、完全にアパレルの闇。
ぜひ残っていて欲しいです。
経過観察を続けて、また記事にしたいと思います。
少し暖かくなりましたね。
来冬まで待とうとは、かなりな作戦ですね。
無事売れ残って、再びの半額と、
処分されずにいることの幸運を祈ります。
1年経ったら、また記事にして下さい。