殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

プラスワン

2024年02月07日 09時14分11秒 | みりこんぐらし
同居する義母88才と、実家で一人暮らしの母90才にかまけ

何かと慌ただしい日々を送っていることは

折に触れてお話ししてきた。

ところが先月末からここに、夫が参戦。

この人だけは手間が要らないばかりか

私のハードな日常をさりげなくフォローしてくれていたのに

一番手がかかるようになった。


認知症ではない。

ヒザ関節症の悪化。

急に寒くなって、痛みがひどくなったらしい。

患部は左足なので運転はできるため

仕事には出ているが、歩行には難儀する状況。

よって、こちらが動いて彼の要望を叶えることが増えたのだ。


夫は元からマメだったわけではない。

女房にタバコの火を点けさせたり、足の爪を切らせたり

ゴルフ道具の手入れをさせていた男の息子なんだから

結婚当初は何もしないのが当たり前だった。


しかし、身辺清らかでない暮らしが長かったせいで

冷蔵庫から食品を出したり、着替えを取りに行ったり

うっかり床に落とした物を拾ったり、ゴミを捨てるといった

何げない日常の動作は妻を頼らずに自分でやるようになった。

よそのおネエちゃんのアパートへ住み込んだり

駆け落ちを繰り返している間に

自分のことは自分でやる癖がついたのである。


なぜって、よその旦那と遊ぶ女は横着者と相場は決まっとる。

横着だから、すでに仕上がった妻子持ちを自分の物にしたがるのだ。

その横着者、最初のうちは甲斐甲斐しいフリをするが

それは演技なので続かない。

続かないから、夫は自分のことを自分でする癖がついた。

女との蜜月を引き延ばしたければ

自分が甲斐甲斐しくなるしかないのだ。

可愛い子には旅をさせよ…じゃないけど、これも一種の成長。


言うなれば私は、身辺清らかでない夫を持ったお陰で

この手の細かい世話を免除されてきたというわけ。

それがどうよ。

これじゃあ、関白亭主にかしづく世話女房と同じじゃないか。


しかし最も困るのは、2匹の犬の散歩。

体力が有り余っている夫は、朝昼晩の1日3回

アレらを散歩に連れて行った。

それが癖になっているもんで、急に行けなくなると犬が納得しない。


そこで長男と手分けして散歩をするが

長男がいない時は、私が2匹を連れて行くことになる。

1匹ずつというわけにはいかない。

アレらは仲悪いくせして、散歩はニコイチでなければ動かないのだ。


かたや体重30キロ超の若い大型犬

かたや8キロと小さいものの、13才の老犬。

犬種と年齢が違えば習性やスピードも違い、非常に骨の折れる作業だ。

ただでさえ忙しいのに、この上、犬に時間を取られるのは厳しい。


そもそも夫は元々重度のO脚で

身長180センチ、体重85キロの巨漢。

この条件でバドミントンを週に3回続けていたら

重い体重を支えるヒザに無理が来るのは当たり前だ。


野球をやっていた夫に、バドミントンは合わない。

たまに走り、たまに打つ野球と違って

バドミントンは最初から最後まで動きっぱなしの激しいスポーツ。

あれは足がまっすぐで、身軽な人が楽しむものだと思う。

人より多い頻度でバドミントンをやるには、夫は大柄過ぎるのだ。


思い返せば夫がバドミントンに手を染めたのは、30年ほど前。

当時の愛人だった第一生命のおネエちゃんに誘われて始めた。

以来、バドミントンのトリコとなった彼は

生命保険のおネエちゃんと別れて以降も

私に隠れながら細々と続けていた。

この10年余りは複数の人から誘われるままに入会し

3つのバドミントンクラブを掛け持ちするありさま。


この男が限度というものを知らないのは

長い結婚生活で熟知しているつもりだった。

昔やっていた野球も、6チームか7チームぐらい入っていた。

どれがどのチームのユニフォームか、わからなくなったり

試合にどのチームから出場するかでトラブルになったことも

一度や二度ではない。

請われればホイホイと行ってしまう…

それはスポーツでも女でも同じ。

バドミントンはたまたま市内に3チームしか無いため

3つで留まっているだけである。


けれども近年、彼のヒザは悲鳴を上げていた。

壊れるまで秒読み段階になってからは

「早く辞めないと車椅子になるよ」

私は何度も言った。

そうなれば夫も辛かろうが

こんな大男を介護する身の上になったら、こっちも死活問題。


しかし、止められると意地になるのが夫。

「このまま進み続けたら大変なことになる」

頭ではわかっていても、引き返したり諦める勇気が無く

つい前に進んでしまう…

登山で遭難する人や、マルチ商法にハマる人と同じ心理である。


そしてとうとう、彼のヒザは使い物にならなくなった。

いずれ足が悪くなるのは予測していたが

せめて自分の親を見送ってからにしたらどうだ。


私におびただしい洗濯物を洗わせ、高いラケットを次々と変え

ヒザ痛で病院通いをしながら続けてきたバドミントンが

いったい何の役に立ったというのだ。

痩せたわけでもなく、品行方正になったわけでもなく

変な女に引っかかって、会社に入れただけじゃないか。

ちなみにその女、今回も教員採用試験に落ちたらしく

4月以降も続投決定。


ともあれ親に手がかかるのは、仕方がない。

誰でも年を取る。

年を取れば意固地にもなるし、心細くもなる。

自然なことだ。


しかし、夫のヒザは違う。

人一倍大きい身体とO脚に目を背けたまま

人並みに週1回程度の楽しみにしておけばいいものを

週に3回も続けた挙句に歩行困難となった。

誰にも訪れる自然の摂理ではなく

自身の欲望をセーブすることなく破滅にひた走った忌々しさ。

これで懲りるかといえば、絶対に懲りない。

それが夫である。


さて、このまま介護生活突入か?と思われたが

数日続いた雨が上がって気温が上昇すると

少し楽になってきたようだ。

夫も楽になったが、私も週3回やっていた膨大な洗濯が減って

よく考えれば楽になったかもしれん。


私は洗濯が苦になるタイプではないが、夫の洗濯物はマジで多い。

限度を知らないという呪われし悪癖は、ここにも発動。

バッグには入り切らないので

大きなゴミ袋へパンパンに入れて持ち帰る。

こんなにたびたび着替えて、バドミントンはいつするんだろう?

と不思議なくらいだ。


前に一度、洗濯が大変だと知り合いにこぼしたら

「あら、私は主人が週に一度、バレーボールに行くけど

その洗濯物を干しながら

主人が健康でバレーボールを楽しめることに喜びを感じるわ」

彼女は細い目を丸くして言ったものだ。

あんたの所は夫婦二人やんか。

週に一度やんか。

が、そういう考え方もあるのだと知った。


夫は現在バドミントンを休んでいるので、膨大な洗濯物は出ない。

動けない夫に世話が焼けるのと、寮母並みの洗濯…

どっちがマシだろうと考えてみる。

…今のところ、ドローだ。

いずれにしても、バドミントンは辞めてもらう。

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4 コメント

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Unknown (田舎爺S)
2024-02-07 14:55:14
夫婦は、お互い元気でいないといけませんね。
古希を過ぎて、風邪を引いたり腰を悪くしたりすることが増えたので、
そう思うようになりました。
ご主人の膝がこれ以上悪くならないよう、お祈りいたします。
返信する
Unknown (みりこん〜田舎爺Sさんへ)
2024-02-07 15:31:16
本当にそうですね!
お互いに元気でナンボ。
夫の回復を祈ってくださって、ありがとうございます。

田舎爺Sさんも風邪を引かれたり腰痛が…。
知り合いが言ってましたけど、いっそしっかり
年を取ってしまうと菌や痛みに避けられるようになるとか。
そういえば実家の母も去年の夏
“巨大椎間板ヘルニア”と診断されましたが
今は嘘のように痛みが無くなりました。
そうなるまでお互いに頑張りましょう。
返信する
Unknown (しおや)
2024-02-09 17:56:46
こんにちは
とり急ぎ、実弟、がんではないと言われました!
悪性でないので肥大症であろうから様子見と。
聞いたとたんへなへなとなりました。
みりこんさん、色々教えてくださってありがとうございました。
みりこんさんの体調と美味しそうな記事にふれずに、自分の事ばっかりで申し訳ありませんでした。ありがとうございました。

みりこんさん、10キロ痩せられたんでしょう?大丈夫ですか?両母のお世話大変なんだと思っていたら旦那様まで…
うちの義母が数年前に、
昔やっていたスポーツの影響
&体重の増加
&長年の義父の世話で
両膝に水が溜まりからの両膝手術をして、私が付き添いましたので、今度は私がみりこんさんに少しでも情報お伝えできるかもです。

膝の骨は
(成長期終わる20代)この体重を支えりゃいいんだろと思ってるので、それから体重が成長し続けてる全ての人の膝がやばいそうです!ぎく!
返信する
Unknown (みりこん〜しおやさんへ)
2024-02-10 10:11:55
良かった!
悪性でないのに越したことはないですよ!
本当に良かった!
ご本人もしおやさんも、ホッとされたでしょう。
お母様に心配かけないように出張だと言うなんて
優しい弟さんです。
これを機に、摂生してもらいましょう。

膝の水、昔だけど夫が抜いてましたね〜。
当時はジョギングと野球のし過ぎだっけ。
ほら、限界知らずだから。
そのうちだんだん医学が進歩して
抜いた水の代わりに何か別の物を注入してからは
ずっと小康状態を保っていました。
おそらくこのまま行けば、しおやさんのお義母様と
同じ状態になると思われます。
しおやさんが付き添いをしてあげたのね。
膝、腰の付き添いは本人が動けないから
大変だったでしょう。
よくやってあげましたね。
また色々教えてくださいね!

え〜?膝って、そういう子なの?
20代だったら、夫は今より20キロ近く軽量でした。
そりゃ、悪くなるわ。

弟さんの無事を聞いて、私もホッとしました。
嬉しい気持ちで三連休を過ごします。
いや、わたしゃ平日と同じなんだけどね。
色々心配してくださって、ありがとうございます。
返信する

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