『紀州のドンファン』
家に7億の現金があるとテレビで言っちゃったら
狙われるのは当たり前よ。
その割にセキュリティが甘かったら、もう必然ね。
だから犯人が誰だろうと、興味は無いわ。
だけどこのニュースを見て、何だか懐かしい気持ちになっちゃった。
今は亡き義父の友達に、こういう人、多かったのよ。
気さくでチャーミングで、不遜で、品が無くて、小さいお猿さんみたいな‥
簡単に言えば、豊臣秀吉ふうな人。
もちろん女性関係もお派手だったわ。
一緒にゴルフや旅行はもちろんのこと、困った時は相談に来たりして
義父もできるだけのことをしていたわ。
いい時はいいんだけど、長い年月の間には
波風の立つ経営者も出てくるものでしょ。
相談の内容は訴訟問題や相続問題、申告漏れなんかのヘビーなものが多かったわ。
それらを義父が解決できるわけじゃないの。
そんな力があれば、先に自分の会社をどうにかしてるわ。
だけど顔だけは広かったから、適任の人を紹介したり
詳しい人にたずねたり、あれこれ骨を折っていたものよ。
で、義父が寝付いた途端、彼らとの親交は途絶えたわ。
お見舞いはおろか、お葬式にも、どなたもお見えにならなかった。
そんなもんかもね。
『大阪で姉が弟を自殺に見せかけて殺害』
父親が創業した会社の役員をする姉が
やはり役員の弟を殺害したとされる事件。
建設系の業種に姉弟の確執‥他人事とは思えないわ。
この姉弟の父親は二つの会社を持っていて
本線の建設会社は40才の弟が
水道工事系の会社の方は44才の姉が、それぞれ社長をつとめていたみたい。
憶測だけど、業界の常識からすると姉の水道系は弟の建設系の下請けで
弟の会社より規模が小さかったんじゃないかしら。
決してよそ様のことは言えないんだけど
見たところ、あんまり羽振りが良さそうには見えないわね。
会社をきょうだいで分かち合うのは、モメる元なのよ。
骨肉の争いが普通で、平和な方がレアなんだから。
きょうだいなのに‥じゃないのよ。
きょうだいだから‥なのよ。
鬼の一匹や二匹、出てくるってもんよ。
こういう環境って、起業した父親は昭和のワンマン経営者で
子供は何不自由なく甘やかされて育ったと相場は決まってるわ。
そういう家の子が姉と弟だったら
きついお姉ちゃんと優しい弟の組み合わせもお決まり。
大人になって親が弱ってくると、当たり前のように子供が経営を引き継ぐけど
身についているのはプライドだけで
逆境の乗り越え方なんか、知るわけないじゃないの。
色々と問題が起き始めるのは、たいてい落ち目になってきた頃だわよ。
姉は考えると思うわ。
弟がしっかりしてないから、自分とこの仕事が減った‥
もしかして、嫁がセーブしているのかも‥
そうよ、あの嫁は前から気に入らなかった‥
弟の方に本線の会社を与えて、自分は下請けの貧乏くじ‥
お父さんはやっぱり弟の方が可愛いんだわ‥
悶々としながら、周りの人を憎むようになるものよ。
「もし自分とこだけ潰れたら‥」
そう考えると、居ても立っても居られないと思うわ。
お姉さんが独身だったら、死活問題よね。
弟に頭を下げて援助を頼むのは、姉として敗北。
弟だけならまだしも、嫌いな嫁に知られるのは耐えがたいはずよ。
いずれにしても不安を解消するためには
弟と入れ替わって、自分が本線に立つしかない。
年も年だし、いまさらよそで働くという発想は無いから
会社経営に執着してしまって
だんだん「弟さえいなければ」になっていく。
自分を無傷で残すなら、弟の自殺がベスト。
これ以外に無いわ。
そういうのを自己中って呼ぶんだけど
邪魔者を消して成り代わろうとするのは、韓流ドラマによくある筋書きね。
それにしても、練炭自殺を図ったとされるトイレのドアを
内側から密閉するために使った接着剤の容器が
トイレの中じゃなくて別の部屋から見つかったことや
火をつけなければ練炭自殺はできないのに
トイレにライターやマッチが無かったことから他殺と断定するなんて
刑事ドラマや探偵ドラマみたいだわ。
完全犯罪って難しいのね。
家に7億の現金があるとテレビで言っちゃったら
狙われるのは当たり前よ。
その割にセキュリティが甘かったら、もう必然ね。
だから犯人が誰だろうと、興味は無いわ。
だけどこのニュースを見て、何だか懐かしい気持ちになっちゃった。
今は亡き義父の友達に、こういう人、多かったのよ。
気さくでチャーミングで、不遜で、品が無くて、小さいお猿さんみたいな‥
簡単に言えば、豊臣秀吉ふうな人。
もちろん女性関係もお派手だったわ。
一緒にゴルフや旅行はもちろんのこと、困った時は相談に来たりして
義父もできるだけのことをしていたわ。
いい時はいいんだけど、長い年月の間には
波風の立つ経営者も出てくるものでしょ。
相談の内容は訴訟問題や相続問題、申告漏れなんかのヘビーなものが多かったわ。
それらを義父が解決できるわけじゃないの。
そんな力があれば、先に自分の会社をどうにかしてるわ。
だけど顔だけは広かったから、適任の人を紹介したり
詳しい人にたずねたり、あれこれ骨を折っていたものよ。
で、義父が寝付いた途端、彼らとの親交は途絶えたわ。
お見舞いはおろか、お葬式にも、どなたもお見えにならなかった。
そんなもんかもね。
『大阪で姉が弟を自殺に見せかけて殺害』
父親が創業した会社の役員をする姉が
やはり役員の弟を殺害したとされる事件。
建設系の業種に姉弟の確執‥他人事とは思えないわ。
この姉弟の父親は二つの会社を持っていて
本線の建設会社は40才の弟が
水道工事系の会社の方は44才の姉が、それぞれ社長をつとめていたみたい。
憶測だけど、業界の常識からすると姉の水道系は弟の建設系の下請けで
弟の会社より規模が小さかったんじゃないかしら。
決してよそ様のことは言えないんだけど
見たところ、あんまり羽振りが良さそうには見えないわね。
会社をきょうだいで分かち合うのは、モメる元なのよ。
骨肉の争いが普通で、平和な方がレアなんだから。
きょうだいなのに‥じゃないのよ。
きょうだいだから‥なのよ。
鬼の一匹や二匹、出てくるってもんよ。
こういう環境って、起業した父親は昭和のワンマン経営者で
子供は何不自由なく甘やかされて育ったと相場は決まってるわ。
そういう家の子が姉と弟だったら
きついお姉ちゃんと優しい弟の組み合わせもお決まり。
大人になって親が弱ってくると、当たり前のように子供が経営を引き継ぐけど
身についているのはプライドだけで
逆境の乗り越え方なんか、知るわけないじゃないの。
色々と問題が起き始めるのは、たいてい落ち目になってきた頃だわよ。
姉は考えると思うわ。
弟がしっかりしてないから、自分とこの仕事が減った‥
もしかして、嫁がセーブしているのかも‥
そうよ、あの嫁は前から気に入らなかった‥
弟の方に本線の会社を与えて、自分は下請けの貧乏くじ‥
お父さんはやっぱり弟の方が可愛いんだわ‥
悶々としながら、周りの人を憎むようになるものよ。
「もし自分とこだけ潰れたら‥」
そう考えると、居ても立っても居られないと思うわ。
お姉さんが独身だったら、死活問題よね。
弟に頭を下げて援助を頼むのは、姉として敗北。
弟だけならまだしも、嫌いな嫁に知られるのは耐えがたいはずよ。
いずれにしても不安を解消するためには
弟と入れ替わって、自分が本線に立つしかない。
年も年だし、いまさらよそで働くという発想は無いから
会社経営に執着してしまって
だんだん「弟さえいなければ」になっていく。
自分を無傷で残すなら、弟の自殺がベスト。
これ以外に無いわ。
そういうのを自己中って呼ぶんだけど
邪魔者を消して成り代わろうとするのは、韓流ドラマによくある筋書きね。
それにしても、練炭自殺を図ったとされるトイレのドアを
内側から密閉するために使った接着剤の容器が
トイレの中じゃなくて別の部屋から見つかったことや
火をつけなければ練炭自殺はできないのに
トイレにライターやマッチが無かったことから他殺と断定するなんて
刑事ドラマや探偵ドラマみたいだわ。
完全犯罪って難しいのね。