落合 恵子さんが、ドアを強く閉める音、電話の切り方などの
「残音」について、書かれていました。
ドアの強い音などは、その時の心の中を、表しているかのようです。
正直私も、怒ったときなど、ドアを強くしめてしまうことも・・・・・
何度かありました。
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電話の切り方も、用件を伝え終えた途端、
一拍もおかずに、ガチャンはちょっと痛い。
耳にも心にも、ズキリと痛い。
池波 正太郎さんのエッセイに「残心」と題された一文がある。
もともとは剣道の言葉であるそうだが、池波さんが小学生だった頃に、
電話の切り方いついて、先生が言われたことを、記しておられる。
・・・・・・話が終わっても、ちょっと間をおいて切りなさい、
おじぎをするくらい間をおいてから、切るものだ、と。
当時の下町の小学校で、家に電話があるのは、
10人にひとりぐらいだったそうだ。
が、「君たちが社会に出て、電話をかけるときのために」
と、先生はおっしゃったという。
それを、ずっと覚えておられた池波さんは、こう記されている。
無言の間が、心を通わせることがある、と。
ドアを閉める音や、電話の切り方は、古いとか新しいとかいった
範疇(はんちゅう)のことではないだろう。
*** 朝日新聞・積極的その日暮らしより、抜粋にて ***
範疇(はんちゅう)~分類の枠・範囲・カテゴリー
( 三省堂・辞書より )
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