ツンとくる辛みと、香り、魚や貝の臭みを和らげ、
味を引き締めるワサビは、すしには欠かせない。
ワサビは、日本特産のアブラナ科の植物。
根茎を薬味に使うが、そのままなめても、辛みは感じない。
すり下ろしたり、刻んだりして初めて、辛くなる。
細胞が壊れ、グルコシノレートという成分が、酵素で分解される
ことで、辛み成分のイソチオシアネートができるからだ。
このイソチオシアネートを中心に、ワサビには抗菌など様々な作用がある。
すしと結びついたのは、江戸時代の後半。
文化年間に、江戸でサバの押しずしの臭み消しに、用いられたのが
最初で、やがて登場した握りずしにも、使われたという。
ワサビには、食中毒の原因になる腸管出血性大腸菌O(オー)157や
腸炎ビブリオ菌、魚を介して人体に入る寄生虫アニサキスなどへの
効果が、研究で確認されている。
また、がん細胞の増殖を抑える、ピロリ菌による胃の障害を改善する、
といった作用があることも、動物実験でわかっているそうだ。
もう一つ、すしにつきものの緑茶もがん予防や抗菌作用で知られる。
すしの名脇役たち、多く取ればよいわけではなく、
ワサビは一日3~5㌘、お茶は5~10杯程度が適量だそうだ。
*** 朝日新聞・食の健康学より・抜粋にて ***
ワサビの効能など、考えたことはありませんでしたが、
食べ物の組み合わせには、大切な意味があり、美味しさも
引き立てているのかもしれません。