気ままな思いを

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綴る雑日記です 

言葉を磨く=自身を磨く

2009-01-30 | 言葉の意味は


言葉というのは、使い方が難しい。
口から発せられた音声の並びや、紙に書かれた文字の列が、
場合によっては、人の心をズタズタに引き裂いてしまう。

殴ったり蹴ったりしなくても、悪意をこめた言葉を送るだけで、
相手に致命傷を負わせることさえ出来る。

その言葉を生み出すのは、人の頭脳だ。
邪悪で愚かな頭脳を持つ者は、言葉を凶器として振り回す。
言葉の暴力は、愚か者の証である。

仏教では、「してはならない悪い行為」を、大きく10種に分類するが、
そこには、「殺す」 「盗む」といった一般的な項目と並んで、言葉に
関係する悪行が四つも入っている。

「嘘をつく」 「人の間を裂くような二枚舌を使う」 「荒々しい言葉を吐く」
「理の通らないことを口にする」の四つである。
仏教が「言葉の暴力性」を、いかに嫌ったかがよく分かる。

嘘ばかりついていると、次第に、嘘と真実の区別が分からなくなって、
自分に都合のいい虚偽の世界で生きる、利己的人間になってしまう。

荒々しい言葉で、人を怒鳴りつけてばかりいると、人の情愛を推し量る
感受性が磨耗してきて、たおやかさが失われる。

仏教が主張するのは、「今現在、粗暴な心に支配されている人でも、
優しくて正しい言葉を使うよう、努力し続ければ、やがて自分の中に、
優しく正しい心が、生まれてくる」、ということなのだ。

自分の言葉を、自分でコントロールしていくことが、そのまま、
修行になると言っているのである。

「相手の気持ちをくみ取りながら、慎重の上に慎重を重ねて、
誠実に言葉を紡ぎ出す」、
そういう日々を送ることで、我々は、
自分自身を磨いていくことができるのである。

*** 朝日新聞・日々是修行
              佐々木 閑 (花園大学教授)・抜粋にて ***


「誠実に言葉を紡ぎ出す」、という言葉の表現に、
言葉の、奥行きの深さを感じます、。

乱暴な言葉を発すれば、相手を不愉快にもさせる。
言わなければよかった、と思う一言で、
相手を傷つけてしまうこともあります。

また、無責任な噂を流すことも、言葉の暴力ではないでしょうか。

言葉は大切なもので、使い方はホントに難しいものです。