みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

戦争の危機

2012-09-18 19:18:20 | 国際・政治

強い日差しが照り付けたり、いきなり激しい風雨となったり、雷が鳴ったり、止んだり、空には異様な形の雲が行き来する一日でした。

「中国漁船1000隻 尖閣海域へ」との朝刊記事に、いよいよ戦争の危機が迫ってきたのを実感しました。戦争=国家レベルの大量殺人行為ほど罪深いことはない、と私は思います。

尖閣諸島は、日本国家から見れば日本の領土、中国から見れば中国の領土です。問題の「棚上げ・先送り」こそ、最良の解決策です。

戦争の危機が迫ってきて、米軍の駐留が何ら抑止力にはならないことがあからさまになってきました。もし日中戦争となっても、米国は日本国民のために中国と闘う理由も余裕もないことでしょう。

日本と中国の経済力、政治力、軍事力、精神力等々を比較すると、今、日中戦争になったらどちらが勝つか、自明なのではないでしょうか。そして、勝っても負けても、戦争には真の勝者はいません。

死地に赴くのは庶民です。今回、戦争が回避されたとしても、日中関係の悪化は、中国だのみの日本経済にとって大きな痛手となるでしょう。そのしわ寄せは、結局は私たち庶民に、とりわけ弱き人々に押し付けられることでしょう。

マスコミに煽られて、対中国強硬路線を唱える人々が多いようですが、その強硬路線の行き先を考えると、私は暗澹たる思いになります。


柄谷行人著「世界史の構造」へのつぶやき③

2011-03-03 20:17:49 | 国際・政治

「世界史の構造」を私が読んでいることを知った友人が、関連資料を送ってくれた。その中に「文学界」昨年10月号掲載の、「世界史の構造」をめぐっての鼎談があった。この鼎談での柄谷の発言の一部を以下に写す。

~ソ連崩壊以後、社会主義への望みもなく、かといって、ナショナリズムも機能しない。人々に訴えるのは、イスラム主義の革命だけになった。イスラム主義以外に、近代世界システムに対抗できるものがない。確かに、イスラム主義には、資本=ネーション=国家を否定する要素があります。~無論このようなイスラム革命は聖職者支配の教権国家に帰着するだけだと僕は考えていますが、だからといって、簡単に斥けることはできない~

~僕は世界戦争が切迫していると思います。たとえば、日本の国内で、経済的格差が目立ってきて、それに対して苛立つ人たちが増えている。それでも何とか無事に済んでいます。が、世界的なレベルでは、南北格差が凄まじい。そして、それが無事に済むはずがない。先進国ではぶつぶつ言いながら脳天気に暮すことが出来ますが、他方では、宗教という形であろうが何であろうが、格差からの解放を目指すに決まっています。また、先進国・中進国の間の抗争は激化している。今日の経済において、領土や資源といった考え方は古いというような経済学者がいましたが、そんなことはないですね。再び領土を奪う種類の戦争が起こると思います。僕はそれを阻止すべきだと思いますが~

今日の中東情勢を予見していたかのような発言、そして今日の世界情勢を再認識させられる発言だと思う。日本の国内が無事に済んでいられるのも長くはないようだ。

それにしても、この国のマスコミ報道の異常の加速に唖然とする。たかが試験のカンニングぐらいのことを連日かくも大々的に取り上げる。八百長問題も然り。パンダが来たとか、たかが電波塔が600メートルを越えたと言って騒ぐ。ニュージーランド地震も、上っ面だけの情報をどうしてこんなに繰り返すのか。ここまで異常が徹底しているところを見ると、これは何らかの意図があって国民を愚弄している、としか思えない。本当は私たちが最も関心を持つべき事実を隠したいのか。


フィフィの呼び掛け

2011-02-17 19:36:34 | 国際・政治

エジプトの夜明けの意味を真摯に語るフィフィのブログ! 数多くの共感の反応が寄せられ、エジプトへの沢山の想いが届いて、フィフィは、感謝の気持で涙が流れるばかり、という。

年間3万人以上が自殺する日本、この日本の、特に若者たちへ、フィフィは呼び掛ける。17日の記事 読者の方へ から、以下に一部抜粋する(漢字表記などを一部変更しています)。

・信じて! これまでは動かせなかった大きなことが、1人の力でも、どれだけでも、広がりを見せて、国すら、いや国際社会すら、いや秩序ですら変えられることを。あなたのその手中から。

・日本の若者はまだまだ熱い! そして無限の可能性を秘めています。若者がダメになったなんて誰が言ったの? 私は日本の未来に光を見た気がします。

年老いて心が干からびてきた私でさえ、このフィフィの言葉には胸を熱くした。


エジプトの夜明け

2011-02-13 15:19:36 | 国際・政治

私はフィフィのことを全く知らなかった。カイロ出身のエジプト人女性で、タレントとして日本で活動しながら、インターネット上でブログを綴っている。

エジプトは遠い。しかしその民衆革命はアメリカの覇権を挫く。それは即、日本の明日を左右することではないか、と理屈では考えても、今ひとつ、この革命を身近に感じることが出来なかった。フィフィのブログは、そんな私に大事なことを教えてくれた。

フィフィの「エジプトの夜明け」と題する一連の記事から、以下に少し抜粋する。(漢字表記等を若干変更しています)

2/3の記事より  ・ムバラクは確かに長期政権を握ってきた独裁政権です。しかしそれは、アメリカの作った親米政権による独裁であるわけで、国民はその親米による独裁に憤慨しているのです。

2/5の記事より ・(アメリカは)表向きには(エジプト)国民を応援しているように見せていますが、もしそれが真意なら、エジプトの政治に口を挟むべきでは無いはずです。エジプト国民はエジプト人のためのエジプトを作りたいのですから。 ・私は今日もブログに自分の思いを綴りましたが、今までならタレントという立場からもハッキリと明言することを躊躇っていたと思います。 ・でも今はもう迷わない! ・母国の為に、またアラブの為に、叫び続ける彼らの為にも、諦めないと決めました。彼らの起こす革命を世界中が注目しているんです。彼らのメッセージを私が日本で伝えていきたい、それが私に出来ること。

2/13の記事より ・大統領辞任のアナウンスを新聞が掲載したことで、我々エジプト人は革命の成功を確信した。今まで国民の側に立ち国民の求める政治記事が掲載されることなどなかったから。そして、人々は冷静だった。革命を祝う人々は、お祭ムードの中にも、これからのエジプトを考え行動しようという意思を忘れてはいなかった。 ・エジプトはエジプト国民によって歴史を変えることに成功した。我々はそれに至るまで3千人の負傷者、3百人にも及ぶ死者という犠牲を払ったことを決して忘れない。 ・革命の余波は、更にその勢いを弱めることなくアラブ全域に広がろうとしている。何よりガザの人々がエジプトの革命を祝福している映像を目にして止めどなく涙が溢れ出た。アラブの裏切り行為とも言われる平和条約の下で、私たちは同じアラブの民が虐殺している姿を目の当たりにしながらも、ムバラク政権下でそれに為す術が無かった。それはどれだけ私たちのプライドを傷つけてきたか。 ・実体無き和平の上に存在する大国のための平和条約など、誰が望んだろうか? エジプト人はパレスチナを見捨てていないことを、彼らは信じていてくれた。 ・本当の平和はそんな名ばかりのものなんかじゃない。パレスチナに明るい未来が来る日は容易ではないが、私たちは彼らの為に、その一歩を踏み出したんだ、待っていてほしい。

フィフィの勇気ある真摯な発言に心から感謝を捧げたい。


権力の掌握

2011-01-03 19:52:05 | 国際・政治

菅首相は1日、首相公邸で新年会を開き、「やりたいことをやるために権力を掌握してがんばる」と述べた。

産経ニュースが報道する菅首相のこの発言が、もし本当なら何と恐ろしいことだろう・・ 「国民のために自分の力を尽くしてがんばる」とは言わず、自分がやりたいことをやるために国の権力を支配し行使しよう、というのだ。独裁者のセリフだ。

Dscn1805 ジョージ・オーウェルが1948年に執筆した反ユートピア小説”1984年”を読んでいる。独裁体制の国が舞台だ。そこでは、人々の行動や態度は当局に監視され、思想や心も支配され操作され、常態化した戦争に人々は熱狂する。

~印刷技術の発見は世論操作をより容易なものにし、映画とラジオの出現はその操作法を更に発展させた。テレビの発達に伴い、その技術的進歩が同一セットによる同時受信、発信を可能ならしめると、遂に私的な個人生活は終わりを告げるに到った。全市民、或いは少なくとも要注意に値する市民は警察当局による一日24時間制の監視下に置くことが出来るし、他の全チャンネルを塞いで政府の宣伝だけを聞かせることも出来るのだ。国家の意志に対して完全な服従を強制する許りか、あらゆる問題に対して完全な意見一致を強制する可能性まで、今や初めて存在するに到った。

オーウェルが呈示するディストピアの描写は、別世界の出来事のようでありながら、膚に纏わりつくような実感をもたらす。大手の新聞やテレビが足並みを揃えた報道を流し続け、その論調のままに人の心が流されている現代日本の現実は、当局の意志のままに精神まで操作される”1984年”のディストピアの写しに見えてきて、眩暈を感じる。

独裁者が権力を掌握すれば、インターネットも本格的に個人を監視する装置となる。猜疑心の強い小心者ほど、独裁への願望を強くするのではないか、と危惧を覚える。


ポーツマスの旗

2010-11-26 10:24:56 | 国際・政治

吉村昭ならではの徹底した取材調査・資料収集に基づいて、歴史的事実が丹念に呈示される頁が続く。読み進むにつれて、事実の集積の力が読む側の心を揺り動かし、やがて名状しがたい感慨の渦中でこの本を閉じることになる。

Dscn1689 1904~1905年(明治37~38年)の日露戦争の主たる舞台が、日本でもロシアでもなく、中国大陸であったことにあらためて呆然とする。ボストン北方のポーツマスは、アメリカの斡旋による日露講和条約締結交渉の地である。

欧米列強が、大国ロシアの勝利を当然視する中、日本軍は、難攻不落と称された旅順を占領することに成功、奉天の大会戦でもロシア軍を敗走させた。対馬海峡では、日本艦隊の巧妙な作戦によりロシア艦隊(バルチック艦隊)に壊滅的な打撃を与えた。 

人々は、日露両国陸軍の決戦ともいうべき奉天大会戦に続いて、日本海軍がロシア艦隊を壊滅させたことに熱狂した。

しかし、日本側の戦死者も4万6423人にのぼり、戦争で失ったものは莫大だった。戦争が長期化すれば、物資、人員、財力の差が表面化する。軍部も政府中枢も天皇も、ロシアとの講和を急いだ。

宮崎県日南の小藩の下級武士だった小村寿太郎が政府の要職に就くようになったのは、好運もあったろうが、鋭い洞察力、深い判断力、果敢な実行力があったからこそ、だろう。英語も仏語も流暢に話せた。彼は、誰もが嫌がった全権を引受けた。

身長180センチほどのロシア全権ウイッテを相手に、小村寿太郎は身長143センチながら終始泰然自若として、決死の覚悟を秘めつつ堂々と渡り合った。

8月29日、ポーツマスで小村全権とウイッテの間で全条件の妥協が成ったことは、30日夜の号外で東京その他各地に伝えられた。講和条件そのものに不満をいだいていた人々は、抑留艦艇引渡し、ロシア極東海軍力制限、償金支払いの3要求を放棄し、さらに樺太北部もロシアへ返還したという報に、激昂した。 

人々がそのような感情をいだいたのは、政府が戦争の実情をかたく秘していたことに原因のすべてがあった。海軍は完全に制海権を支配していたが、陸軍は大増強されたロシア軍と戦闘を続ければ勝利の確率が少なく、またそれによる軍費の膨張で日本の財政が崩壊せざるを得ないことを知らせることはしなかった。

その理由は、ただ一つであった。もしも、憂うべき実情を公表すれば、ロシアの主戦派は勢いを強め、講和会議に応ずるはずがない。たとえ講和会議が開催されたとしても、ロシア側は日本の要求を拒否し、逆に不当な提案を押し付けてくるに違いなかった。

そうした内情を知らぬ国民は、講和条約を締結した小村全権とそれを支持した元老、閣僚に怒りをいだいたのだ。

新聞各紙は、9月1日、日露講和条約の成立を大きく報ずると同時に、一斉にそれに対する激しい非難の論説を掲載した。「斯の屈辱」「敢て閣臣元老の責任を問ふ」「遣る瀬なき悲憤・国民黙し得ず」などの見出しのもとに、ロシアに屈した日本の軟弱外交を責め、中には国民が一斉に立ち上り暴動をひき起すのも時間の問題だ、と説く新聞もあった。新聞の論調は日増しに激越なものになっていったが、徳富蘇峰の主催する「国民新聞」のみが条約の成立を容認する社説をくりかえし掲載していた。

9月5日、講和反対の群集の暴動により、東京市の派出所の7割以上は焼失し、 9月6日には、各地のキリスト教会が(ロシアはキリスト教国という理由で)放火、破壊された。 電車16台も焼かれた。日比谷公園での集会から始まったこの暴動は、「日比谷焼き討ち事件」と称された。国民新聞社も小村寿太郎の家も襲われた。

政府は東京市周辺に戒厳令の一部を施行した。東京に次いで、横浜、神戸でも騒擾が起こった。その後も、小村寿太郎は批判され続けた。 

著者の吉村昭は「あとがき」で、戦争と民衆との係わり合いの異様さに関心を抱き、また、講和成立が、後の太平洋戦争への起点になっていることにも気付いた。つまり、明治維新と太平洋戦争を結ぶ歴史の分水嶺であることを知ったと述べている。

ポーツマスから帰国後の小村は、結核性の持病を抱えながら、講和内容の具体化に奔走した。欧米露を相手に堂々かつ紳士的に渡り合った小村だが、韓国と清国に対しては威圧的で、韓国併合(日本による植民地化)推進の主役でもあった。政治家として極めて有能な人物だったが、その足跡の歴史的評価は複雑にならざるをえない、と思う。

昨今の日本を取り巻く不穏な情勢と国内世論の昂ぶり、そしてマスコミの一面的報道の中で、吉村昭の言う「戦争と民衆との係わり合いの異様さ」を考えると、心が暗くなる。

小村には妻と3人の子がいたが、家庭の幸福には恵まれない人だった。また自ら家庭を顧みることもしない人だった。外相辞任後まもなく、持病の悪化により死去した。56歳だった。


遠い日の教室

2010-11-16 10:52:17 | 国際・政治

遠い日の教室での出来事を思い出した。高校の「日本史」の時間だった。その教師~仮にS教師としておく~はいつも前のめりで勢いよく教室へ入ってきて、口元に笑みを浮かべ目を輝かせながら次々に言葉を繰り出した。自らの授業を自ら楽しんでいるかのようだった。私はS教師の授業が好きだった。興味津々で心を集中させていた。

日本史の試験の日、並ぶ問題を楽しく解いていた私は、或る問題のところにきて呆然とした。「北方領土の問題について述べよ」という設問で、自由に文章が書けるように余白が用意されていた。S教師の授業には夢中だった私だが、北方領土について語られたときだけはチンプンカンプンで、聞き続けて理解しようとする意志を失った授業だったのだ。余白は余白のまま試験の時間は終了した。

また或る日のこと、S教師の授業中に白い大きな犬が教室へ入ってきた。おとなしい犬だったが、追い出してもまた入ってくる。S教師は授業を妨害されたと感じたのだろう、この犬を両手で抱き上げ、教室の窓から外へ放り出した。教室は二階だった。校舎の二階は普通の家の二階よりはるかに高い・・・

授業後、級友が涙を流しながら、S教師の振舞いへの憤りを私に訴えた。S教師の授業をいつも熱心に聞いている私への憤りをも込めて。

日本史の授業の世界で勇躍歓喜するS教師は、現実の世界で犬を高所から落とせばどうなるかへの想像力と感性が欠如していたのだろうか。

昨秋、前原誠司(当時の国交相)は「終戦のどさくさに紛れて(旧ソ連が北方領土を)不法占拠した」と言った。千島列島(国後、択捉から北千島まで)は1975年の樺太・千島交換条約により日本の領土となった。その後、サンフランシスコ平和条約で日本が千島列島放棄を表明したり、紆余曲折はあるものの、国後・択捉と歯舞・色丹をロシアが実効支配していることについては「不法」と私も思う。

しかしモノには「言いよう」ということがある。庶民の一個人の雑談だったら結構な発言内容であっても、閣僚には許されない発言というものがある。外交も人間同士のやりとりで成り立っている。どさくさに紛れて、などと低レベルの言葉で揶揄されれば、相手は挑発されたと感じて対抗措置(メドベージェフ露大統領の国後訪問など)に出るのが人情というものだろう。前原誠司には自らの発言が招く結果への想像力が欠如している。

尖閣諸島での漁船衝突事件についても、田中角栄・周恩来による日中国交正常化以来の暗黙の了解(鄧小平のいう「棚上げ」の智恵)に沿って、従来なら強制退去で済ますところを、前原誠司(当時の海上保安庁を管轄する国交相)は逮捕を強行した。その結果、困難な事態となり、外相となった前原は船長釈放を指示せざるをえなかった。「釈放は地検の判断だった」と責任を他へ押し付けて、である。

11/14の日中外相会談で、前原誠司は尖閣問題に全く言及出来なかった。船長逮捕がもたらす結果への想像力の欠如が、外交を迷走させた。前原誠司の頑なに据えた目付きに、想像力と思考力の欠如、ひいてはこの国の危うい現状を見せ付けられているようで、不快だ。


言論統制と「民意」

2010-10-10 09:27:12 | 国際・政治

ノーベル平和賞受賞の劉暁波氏が共同起草者だった「〇八憲章」は、2009年12月10日(世界人権デー)インターネット上に発表された。発表前に劉氏は当局に拘束されたが、中国の共産党独裁の廃止と選挙による民主政治等の要求を掲げるこの憲章は、ネット上で賛同の署名が広がった。

言論統制の国では、ネット上であっても当局の規制を免れることは出来ないが、それでもインターネットの発達は社会変革の力になることもある。

日本における言論は自由があり過ぎるように見えるけれど、それはこの国の支配体制が極めて巧妙だからではないか、と思わせられることが増えてきた。あからさまな統制ではないだけに、却って悪質な場合もある。

最近のマスメディアは「民意」という言葉を頻用する。ところがその「民意」は、当のマスメディアが誘導し煽り立てたものだったりする。端的な例が小沢一郎への執拗なバッシングだ。

小沢一郎は自民党政権時代の小沢一郎とは違う。転身した小沢一郎は、外交では対米自立を唱え、内政では「国民の生活が第一」を掲げた。対米従属の利権屋勢力にとっては脅威の的となったのだ。現政権を操る勢力は検察審査会の制度まで悪用し、マスメディアと総ぐるみで政界からの小沢一郎追放の「民意」を煽っている。

私は小沢一郎を善人だとは思わないし、ましてや民主党を積極的に支持するものではないが、「民意」の誘導によって小沢一郎を政界から追放しようとする動きは、日本の政治や社会の危機を深刻化するものだと畏れている。民意の誘導は言論統制と紙一重の差だ。

今、オンライン署名サイトで「小沢一郎議員の民主党議員としての地位保全を求める署名」が進められている。ネット上だから、過疎地に住む無力な私でも参画することが出来る。功罪があるインターネットだが、「功」を活用してマスメディアに対抗する力になることを望む。