降りやまないような雨が降って、完全に降りこめられていた。
花達は枯れ行きながらも少し嬉しそうな表情を見せていたのだけれど。
僕は徹底的に怠惰を貫いて
ただただ眠っていた。目覚めていたのはほんの少しの間でしかなく、
気分はまるで貝殻の中で暮らす軟体動物のようだった。
どう過ごそうが季節は確実にじりじりと進みゆく。
遠く ツクツクホウシの鳴き声を聴いたのは幻聴ではなかったはずだ。
このまま盛夏など、まるで何もなかったかのような顔をして終わってくれればいいのだけれど、
そうもいかないであろうことは百も承知。
また鋼鉄の歯車は動き出し、焼け付いたアスファルトの永遠の迷宮の上を僕は
あてもなく彷徨うのだ。
いや「あて」はある・・・・・のだがそんな道標も通り過ぎ、
いくつもいくつも目標物を通り抜け、
問題は最終地点が何処か?ってことでしかないのだけれど
うーん、わからない。
今はまだ八月半ばで、花はまだ咲いてない蕾があるんだよこの期に及んで。
最後の開花のダイナミズム。
そいつが咲き終わった後もまだ、厳しい夏は続くし、
踏んだり蹴ったり 踏まれたり蹴られたりの人生も続く。
毎日がアンチクライマックス、でもそれだっていつまで続けられるか、わからない。
気が付いたら「何とかなっていました」みたいにならないかしら?
「もう何の心配も要りませんぞ!」って誰か大声で叫んでくれないかしら?
無理?