八月 

2021-08-16 16:46:06 | Weblog

降りやまないような雨が降って、完全に降りこめられていた。

花達は枯れ行きながらも少し嬉しそうな表情を見せていたのだけれど。

僕は徹底的に怠惰を貫いて

ただただ眠っていた。目覚めていたのはほんの少しの間でしかなく、

気分はまるで貝殻の中で暮らす軟体動物のようだった。

どう過ごそうが季節は確実にじりじりと進みゆく。

遠く ツクツクホウシの鳴き声を聴いたのは幻聴ではなかったはずだ。

このまま盛夏など、まるで何もなかったかのような顔をして終わってくれればいいのだけれど、

そうもいかないであろうことは百も承知。

また鋼鉄の歯車は動き出し、焼け付いたアスファルトの永遠の迷宮の上を僕は

あてもなく彷徨うのだ。

いや「あて」はある・・・・・のだがそんな道標も通り過ぎ、

いくつもいくつも目標物を通り抜け、

問題は最終地点が何処か?ってことでしかないのだけれど

うーん、わからない。

今はまだ八月半ばで、花はまだ咲いてない蕾があるんだよこの期に及んで。

最後の開花のダイナミズム。

そいつが咲き終わった後もまだ、厳しい夏は続くし、

踏んだり蹴ったり 踏まれたり蹴られたりの人生も続く。

毎日がアンチクライマックス、でもそれだっていつまで続けられるか、わからない。

気が付いたら「何とかなっていました」みたいにならないかしら?

「もう何の心配も要りませんぞ!」って誰か大声で叫んでくれないかしら?

 

 

無理?


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枯れ行く美

2021-08-09 17:04:21 | Weblog

向日葵の最盛期は終わり、枯れ行くときが遂に訪れた。

何だか寂しい気もするけど、仕様がない。

衰退期の訪れ。

僕の住んでるこのマンションは以前からご老人が多くて、

会えばご挨拶するような人も何人か居る。

でも最近その方々も目に見えて枯れて行っているように感じる。

その弱弱しさは妙に愛おしい。

ご老人の皆さん、向日葵を喜んでくれたのだが、

彼ら彼女らにあと何年、向日葵を見てもらえるだろうか。

っていうか

考えてみたら僕は、この二年も実家に帰れてないのだ。

あまりそのことをストレスに感じないように、

あまり考えないようにしているのだが

実家にお住いの方々(実母、T橋昭二さん、垂穂さん)だって確実に少しずつ寿命に向かいつつあるのだ。

もっと言えばこの僕だって。

以前のようにライヴ出来ないので、

ほとんど人に会ってない。僕もやはり衰退している。

やっぱ人と会う事って大事だよな・・・などと

今更気付きつつある。

思うに

このコロナ禍はいろいろと歪んだ世界の姿を炙り出している。

でもそろそろ、この停滞状況に穴をあける「何か」が起こるのではないか?

などと僕は予感する。

その「何か」によって我々は更に困った状況に陥るかもしれないが、

今のままのアンチクライマックスが続くよりは

マシかもしれない。

いや、でもそんな考えって

本の読みすぎかもしれないよな本当に。

もうこの三連休、ほとんど外に出ず、眠っては本を読み、眠っては本を読みの

読書依存状態だったから。

その感覚と衝撃が自分の中で血肉化したらまたここに書くだろう。

とりあえずは

今年の向日葵は咲いてくれて、そして今、枯れようとしています。

可愛い彼ら彼女らに、心からの感謝を捧げます。

 

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読点も句読点もないといっそ清清しい

2021-08-03 20:49:29 | Weblog

 

 

せっせ せっせと 喰うだけ喰っては   

じゃんじゃん・ばりばり・ピーピーと排出し

性懲りもなく また食って

 

それを毎日毎日繰り返し

 

そのようにして私は

私であることを維持していく

 

 

”喰いもの” とは「世界」そのものであるから

いつしか私は「世界」と一体化する

 

「世界」と「私」は 隔絶されたものではないのだ

 

だから私がいくら「世界」を嫌ったところで

無意味だ

それはつまり自己嫌悪でしかないのだから

 

仮に

 

愛したところで

 

それは自己愛になるだけだから同じ

 

 

 

 

 

それならば

 

「私」が私であることに

 

何の意味がある   というのか????????

 

 

 

えーっと意味は

 

 

「私」が「世界」を体験し

 

 

それに同化していく   というプロセスの中にある

 

 

結果ではなく過程にこそ

 

 

意味とか意義とか

 

そーゆーのがあるのだ

 

 

わかったか俺よ

 

 

 

 

 

そう   それで今朝はひさしぶりに

 

 

 

薄羽蜉蝣のことを考えていた

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウスバカゲロウだ

 

 

彼ら・彼女らの成虫には クチがないのだ

 

 

成虫は一日しか生きられないから なのだろうけど

 

 

それにしてもあまりにも実用的というか 即物的というか

 

 

もしかして食欲もないのだろうか

 

 

「喰う」ことは幼虫の時代には重要だったはずだが

 

 

 

成虫になったら「喰う」ことから解放されるのだろうか?????

 

 

 

僕にはわからない

 

 

彼ら・彼女らを「設計」した人に聞いてみたい

 

 

っていうかウスバカゲロウに直接尋ねてみたい

 

 

いろいろと聞いてみたい

 

 

気苦労とか

 

 

 

 

 

 

 

今朝は雨

 

 

雨の日には他愛のない疑問にはまり込んでしまう

 

 

 

しかし

 

この先ずっと雨でいいのにね

 

 

 

もうピーカンはこりごりだよ

 

 

 

アタシゃ

 

 

 

 

草々

 

 

 

 

 

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最盛期の訪れ

2021-08-01 19:10:03 | Weblog

今日から八月。

そして今日は日曜日。

 

炎天下の中、一時間くらいかけて丹念に、向日葵ミッション完遂。

 

ミッションとは大げさだが単に、水をやったり、

枯葉を除去したり、

花が咲いて頭部が重くなっているので支えの棒を立てて、それに茎を麻紐で結び付けて。

昨夜の集中豪雨と暴風で「くきっ」と折れたやつも何人かいたので、それらを丁寧に修復して。

この作業が思いのほか、楽しい。

ずっとやりたかったのを1週間我慢していたからかもしれない。

平日の私には、自分の時間などほとんどないのだ。

 

そして さてさて、お待ちかねの 今年の向日葵、全盛期だ。

花の盛りは、長くて今週いっぱいだろう。

すでに老化・・というか枯れ始めている気の早い個体も居るし。

 

しかし

自分がこんなに「園芸関係」を楽しめるとは思っていなかった。

そういえば、今は亡き父はこーゆーの好きだったな。

 

この楽しさは何かに似ているぞ・・・としばし考えたのだが、

たぶんあれだ、楽器のメンテナンスとか、

曲を作って、歌詞を作って、それを ああでもないこうでもない・・・と

推敲している時の感じに少し、似ているのだ。

楽器も正確に調整しては眺める、見とれる、見惚れる。楽器もまるで「花」のようだ。

そして楽曲も、最高の状態に持って行って結局のところ、満足する。

楽曲ももちろん、「生き物」だ。

 

楽器も、楽曲も、その「全盛期」があって、枯れるときは枯れる。

そりゃ、似ていて当然だ・・・と思う。

 

2021年の向日葵たちは少し、小ぶりだった。

僕が「間引き」をするのが どうしても嫌で、一切それをしなかったからかもしれない。

でもいいのだ。

少々小ぶりで、何が悪い。

「大は小を兼ねる」なんてのは一種の真実ではあるが、

効率至上主義的だし、パワーポリティックス的でもあり、弱肉強食的でもあり、僕は気に入らない。

「柔をよく剛を制す」なら好きだ。柔道では小さな奴が往々にして大きな奴を投げ飛ばす。

だから意外かもしれないけど柔道は大好きだ。僕自身は、弱いけど。

(強かったらそれこそ意外だろう?)

勿論オリンピックは、ちらりとも見ないがね。

 

さて話は向日葵に戻る。

 

全盛期の彼らの周りは、ぱっと明るい。

何か、か弱いけどそれなりのオーラみたいなのを放っている。

 

彼らは、僕の目には、快活に笑っているように見える。

笑いながら、「さよなら」と僕に手を振っている。

 

そう、全盛期を迎えてしまったからには、お別れも目の前なのだ。

 

出来れば、一時間と言わず、一日中君たちのそばに居たい。

一日中眺めていたい。

夜は寝袋を持ってきて、花壇の横で眠りたい。

 

でも、そうもいかないのだ。

 

そんなことをしたらまず、やぶ蚊に刺されまくって悲惨なことになるし、

 

歩道を行く通行人から通報されるだろう。

 

このへんは観光客も通るのだ・・・京都だし。

 

 

だから思いつめないようにしている。

 

 

単に私は、花壇で花を育てている。

 

 

ただそれだけのことなのだ。

 

 


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