8月3日、オールスター戦をはさんでの連敗がようやく10で止まったバファローズ。首位はおろかAクラスも遠くなってしまったが、ここからどこまで巻き返せるか。
その翌4日、京セラドーム大阪でのマリーンズ戦に出かける。この日は広島から新幹線での日帰りだが、高松から出陣のマリーンズファンのⅠ氏と現地で合流する。この方とバファローズ対マリーンズ戦を現地観戦するのは10年ぶりのこと。
8月のバファローズ主催試合は恒例「Bs夏の陣」である。限定ユニフォームの試合が続くが、それにしてもこの暑い中、いくらドーム球場での試合とはいえ真っ黒な色彩というのはいかがなものか。まあこのシリーズ、かつては「大坂夏の陣」の真田幸村の赤備えをイメージしたものあれば、涼し気なライトブルー、果ては迷彩柄までいろいろあったが、このところは濃いめの色合いが続いている。
この日は、マリーンズファンのⅠ氏を招待する意味もあり、三塁ベンチ上の座席を確保した。元々はエクストラプレミアムメンバーの引換券がリセールに出ていたものだが、このエリアならマリーンズファン、バファローズファンそれぞれが混在しているのでお互い気兼ねない(ちなみに、私たちのすぐ後ろに同じくリセール利用で陣取ったカップルはどちらかといえばマリーンズ寄りだったのだが、マリーンズ以外にもマニアックな話があり、また男性のほうは高校時代に今グラウンドにいる○○選手と対戦したことがあるというような発言もあり、結構楽しませてもらった)。
スタメン発表でレフトスタンドが沸く。この試合にはマリーンズのチア・パフォーマー「M☆Splash!!」とマスコットのマーくんが応援にかけつける。マリーンズの先発は種市、そして6番には今季初出場の山本大斗が入り、これにはⅠ氏を含むマリーンズファンからも驚きの声が挙がる。Ⅰ氏によると、中堅でくすぶっている選手を引っ込め、とにかく今調子のいい選手を起用する吉井監督のスタイルがここまでの健闘につながっているとのこと。
そしてバファローズのスタメン発表。大型連敗中も故障や不調で選手起用に苦慮しているが、大里、そして前日のヒーロー・来田、さらにこの日は杉澤といったところが入る。先発は2年目の曽谷。
ベンチ前にマリーンズ選手も登場する。そうそう、現役ドラフトでバファローズからマリーンズに移った大下も、Ⅰ氏いわく「何やかんやでチームのムードメーカー」と評される。
試合前には「BsGravity」と「M☆Splash!!」による共演。
いよいよ、試合開始。そして始球式には、バファローズOBの坂口智隆氏が登場。さすが元プロという見事な投球を披露してくれた。
その先頭打者・岡が2球目を振り抜き、左中間の最も深いところに飛び込む先頭打者本塁打が出る。あらあら。しかしその後曽谷は藤岡、ポランコ、ソトと危なげなく打ち取り、まずは1点だけでしのぐ。
1回裏、種市が登板。まずは先頭の大里を三振、続く西野には内野安打を許すが、森、西川と退けて上々の立ち上がり。
2回表、先頭の佐藤がヒットで出塁し、今季初打席の山口大斗に回るがここは凡退。
3回表、一死から岡のヒット、ポランコの四球で二死一・二塁となり打席にはソト。するとレフトスタンドからはあの「ネフタリ教」のコール、応援歌が流れる。そうそう、この怪しげな宗教儀式風の曲を現地で聞きたかったのよ。しかしここは曽谷が踏ん張って空振り三振に打ち取る。
その後は曽谷、種市とも好投を見せる。そのイニング途中、ビジョンに映ったのはあの福本豊氏。たまたまプライベートで来ていたのかな。先ほどの坂口氏ともども、OBとしてチームに喝を入れてほしい。
5回裏、バファローズは先頭の来田が二塁打で出塁。Ⅰ氏からは「明石商業の同級生・中森と対戦する日はあるのかな」と。明石商業といえば、熱血漢・狭間監督である。また明石といえば前の市長だった泉房穂氏も熱血漢だなあ・・。
同点のチャンスだが、続く頓宮は内野ゴロで進塁できず、杉澤の代打・中川も凡フライ。代打・中川は作戦として、後ろの席に陣取ったマニアックカップルの女性が「1打席で引っ込めるなら最初から出すなよ!」と口にする。これには思わずウンウンとうなずいてしまう。もっとも杉澤は5回表に藤原がセンターに放ったヒットを後逸して二塁まで進まれたこともあり(得点にはならなかったが)、その懲罰だったのかもしれない。
続く若月のところでマウンドに集まるが、これは何を警戒してのことだろう。最後は若月が見逃し三振で得点ならず。
5回裏終了後のハリセンタイムも両チームのチア・パフォーマー、マスコットの共演。
6回表、一死からソトに二塁打が出るが、曽谷が佐藤、山本を抑えて無失点。失点は岡の先頭打者本塁打のみで辛抱強い投球である。それだけに打線が・・。
その裏、先頭の大里が三振の振り逃げで一塁に出る。続く西野は強打からのフライで倒れたが、森がヒットで一・二塁として打席は西川。ここもチャンスだったが二塁ゴロ。ゲッツーと思われたが一塁はかろうじてセーブ。吉井監督から物言いがついたが軍配通り。二死一・三塁となった。
今度こそ同点というところで「紅球必打」の紅林だったが・・・フライに倒れて無得点。続いて、マリーンズのラッキー7となる。
その7回表、一死から友杉の打球はセンター前へのポテンヒット・・と思いきや、二塁の大里が落下点に追いつき、何と後ろ向きでキャッチ。これにはマリーンズファンからも拍手が起こる。先ほどの振り逃げ、そしてこの好守備・・何とか食らいつこうという気持ちが見えてよい。
バファローズのラッキー7、頓宮の四球はあったものの後が続かず無得点・・。
曽谷は7回まで投げて103球、被安打5(うち本塁打1)、四球1、奪三振6という好投だが、結局先頭打者本塁打のために勝ち投手の権利なく降板。続いて8回に登板したのは古田島。おお、私、Ⅰ氏の勤務先企業出身投手ではないか。登場曲が「水戸黄門」から「一世風靡セピア」に替わったのはどういうことやら。
ファンの間では「古田島優勝」と呼ばれているが、とにかく劇場型にしながらも最後は抑えてまるで優勝したかのようなガッツポーズをつくる古田島。この日も一死から藤岡が四球、代走の小川が何度も牽制球を投げさせた後、ソトのヒットで二死一・三塁となる。一度コーチがマウンドに向かい、打席には佐藤。
佐藤の打球はレフトへ抜けようかという当たり、これにショート・紅林が逆シングルで追いつき、二塁へ必死のトス。これがフォースアウトとなり3アウト。数日前、緩慢なプレーで懲罰交代させられた紅林だが、やはり守備の球際の強さはチーム随一だ。古田島劇場の後で追い上げなるか。
マリーンズの種市も7回を111球、被安打4、四球1、奪三振8、何よりも無失点の好投で、8回には横山が登板。この日は抑えの益田がベンチ外で、Ⅰ氏も8・9回を誰でしのぐか予想しあぐねていたが、勝ちパターンの一人である右サイドハンドを選択。大里からの1~3番を簡単に打ち取ってしっかり役目を果たす。
9回表、バファローズは吉田が登板。1対0というビハインドの場面、勝っていても負けていても今季とにかく登板しているのがこの吉田、そして井口といったところ。しかし先頭の中村にヒットが出た後、二死一・二塁となって打席には先頭打者本塁打の岡。ここでタイムリーでも出ようものなら試合の大勢は決まったといっていい。
その岡への初球、いきなりの死球。岡はヘルメットを脱いでその場にうずくまる。Ⅰ氏に動画中継を再生してもらうと、左手を直撃したようだ。それでもベンチに下がり、治療を受けて無事に一塁に到達した。こちらに一塁側、ライト側からも大きな拍手が起こる。
満塁後、続くは代走で途中出場の小川。Ⅰ氏のいう「今調子のいい選手」の一人だが、ここで回ったチャンスをモノにするレフト前ヒット。これで2人が生還し、3対0とマリーンズがリードを広げる。
9回裏、マリーンズは左腕の鈴木が登板。先頭の西川がヒットで出塁するも、続く紅林が併殺打。最後は来田がフライに倒れて試合終了、3対0。
ヒーローインタビューは7回無失点で6勝目の種市。ホームゲームなら先頭打者本塁打の岡、あるいは追加点となった2点タイムリーの小川が出てもよかっただろう。
ドームに入った時は早くも猛暑を感じていたが、試合終了後に外に出ると怪しげな雲が広がり、ちょうど大正駅のホームに上がった時に一瞬の豪雨となった。これ、タイミングが少し遅れると外で雨に遭うことになり、ずぶ濡れで踏んだり蹴ったりだったことだろう・・・。高松まで高速バスで戻るⅠ氏とは大阪駅で分かれ、そのまま新大阪に向かう。その時には雨はすっかり上がっていたから、局地的なもの・・というよりはバファローズファンへの意地悪の洋にも思う。
うーん、これで今季の現地観戦成績は1勝6敗1中止1見送り、京セラドーム大阪では5戦全敗ということで・・・。公式戦は8月、9月とまだまだ続くが、せめて現地観戦での勝利を観ることはできるのだろうか・・・。