まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「国鉄水島計画」~キハに揺られて倉敷貨物ターミナルへ

2024年03月26日 | 旅行記F・中国

「国鉄水島計画」というのを見つける。2024年、専用鉄道としての開業から80周年を迎える水島臨海鉄道。「国鉄」とあるのは、かつての国鉄型気動車が在籍していることからである。

3月のはじめ、倉敷で行われたオープン戦の観戦に出かけた時、試合までの時間に久しぶりに水島臨海鉄道に乗ったのだが、その時に倉敷市駅や、同社のホームページでこの言葉を目にした。

「国鉄水島計画」とは、水島臨海鉄道が保有している「キハ205」を「復活」させたプロジェクトである。このキハ205とはかつての国鉄型気動車キハ20で、水島臨海鉄道に譲渡された車両である。老朽化もあり2017年に引退しして車庫で眠っていたが、この形式で動かすことが可能な車両が全国に2両しかないことから、鉄道ファンを中心に「復活」を望む声が高まった。

そこで活用したのがクラウドファンディング。目標金額を1300万円としたが、早々に目標を大きく上回る金額が集まり、エンジンのメンテナンスや旧国鉄型への塗装だけでなく、シートの張替えや車両を雨風から守る屋根の設置まで可能となった。書類の上では廃車扱いになったとかで一般の旅客列車としての運用はできないが、基地でのイベント等で動かせることはできるという。

水島臨海鉄道ではキハ20のほか、久留里線、八高線などを走っていたキハ30、キハ37、キハ38といった旧国鉄通勤型気動車を保有しており、こちらは平日の朝夕を中心に今も現役で走っている。貨物列車だけでなく、こうした「キハ」が走ることで、水島臨海鉄道は地元以外にもいわゆるその筋の人たちに密かな人気となっている。

オープン戦後に水島臨海鉄道の乗車記を書こうとして同社のホームページで目にしたのは、3月24日開催の「国鉄水島計画 春の写真撮影会」。終点・三菱自工前駅の奥、倉敷貨物ターミナルに隣接する同社の車両基地で行われるとある。私は撮り鉄ではないのだが、キハ205をはじめとした旧国鉄型気動車を間近に見るのに加え、行き帰りのいずれかでキハの車両が充当された列車に乗ることができるとある。また、三菱自工前から先の線路に乗れるというのも面白そうだ。午後の部は早々に満員になったようだが午前の部に空きがあり、申し込む。料金は1日乗車券や記念乗車証などがついて5000円。

3月24日、この日は大相撲春場所の千秋楽。優勝争いが史上最高の「荒れる春場所」となっており、その結果も気になる(実は当初、「チケット大相撲」にて千秋楽のイス席のチケットを確保しており、日帰りで大阪まで往復しようと思っていたのだが・・)。広島6時49分発「こだま836号」にて岡山に移動。

この日は雨の予報である。実はこの数日前の3月20日、由宇で行われるウエスタンリーグ、カープ対バファローズの試合を観ようと由宇からバスで球場まで行ったのはいいが、この日は天気の変化が激しいこともあり、バファローズの選手たちの練習中に霰まで降る始末。結局中止になりバスで引き返すことに。彼岸の時季、なかなか天気が安定しない。

岡山から山陽線で倉敷に移動し、水島臨海鉄道の倉敷市駅に到着。すでに「国鉄水島計画」と書かれた参加証兼1日乗車券をぶら下げる人の姿が目立つ。窓口で受付すると、その参加証のほかに本日の案内、そしてトレインカードが渡される。

これから乗るのはキハ38+キハ37の2両編成で、9時01分発の三菱自工前行きの定期列車として運転される。撮影会参加者の貸切列車ではなく一般の利用客も乗車するが、全体で見れば参加者が圧倒的に多い。車掌の案内でも「本日に限り2両で運転します」とあったから、普段は1両、ワンマン運転で十分なのだろう。

ホームの先端でカメラを構える人も多い中、折り返し列車となる首都圏色のキハ27、八高線色のキハ38の2両のキハが到着。より古い形式のキハ37に乗り込む。オールロングシートで、車站部のトイレの前だけボックス席という構造だが、トイレは「業務用」の文字があるだけで閉鎖されている。

この車両がそれだったかどうかは覚えていないが、おそらく初めて久留里線に乗った時の車両はキハ37ではなかったかと思う。

気動車らしいエンジン音を響かせ、高架区間や住宅地の一帯を走り抜ける。

水島に到着。日曜日ということもあり工場に通勤する人もおらず、一般の人はここですべて下車。次の三菱自工前までの間で、参加証兼1日乗車券にて撮影会参加の確認が行われた。

定期列車としての終点・三菱自工前を出る。この先は初めて乗る区間で、今回のイベントならではの体験となる。線路が分岐し、倉敷貨物ターミナルに向かう線が分かれる。そしてこちらは気動車、機関車の姿が見える。最後はゆっくりと、他のキハの間の線路に入り停車。

前のキハ38の扉に昇降台が置かれ、参加者はそこで下車する。撮影会の時間はおよそ1時間20分・・・。

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