まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

北大阪急行、千里中央~箕面萱野にて延伸開業

2024年04月03日 | 旅行記E・関西

3月23日、北大阪急行の千里中央から北へ2駅、箕面萱野までの2.5kmが延伸開業した。北大阪急行といえば1970年の大阪万博に合わせて江坂~千里中央間が開業し、万博終了後も御堂筋線と直通して大阪市街と千里ニュータウンを結ぶ路線としておなじみである。

御堂筋線の利用客からすれば「千里中央行き」というのはおなじみの存在で、その昔、新大阪からの新幹線に間に合わない!と慌てて乗った列車が「中津行き」だとガッカリする・・というのがあった。まあ、今はそうした折り返し列車もほとんど「新大阪行き」だが。

その北大阪急行の延伸構想というのは、平成の初めあたりからあったそうで、2010年代になると延伸を公約に掲げた市長の誕生も後押しとなって、箕面萱野までの延伸が決定した(当初の計画では「新箕面」という駅名)。2020年度の開業を目指して建設が進められたが、用地買収や工期の遅れがあり、2023年度末の開業となった。新駅は、箕面船場阪大前、そして終点の箕面萱野である。これで御堂筋線~北大阪急行の直通により、堺市~大阪市~吹田市~豊中市を経て箕面市まで1本で結ばれることになった。

3月31日、広島からの日帰りで京セラドーム大阪に野球観戦に出かけたが、その前段として、新幹線で新大阪に着いた後、御堂筋線のホームに上がる。

もちろん行き先表示は「箕面萱野」となっている。案内板等には一応「江坂、千里中央方面」と書かれているが、時刻表を見ると早朝夜間の数本の江坂行きを除いて全て箕面萱野行きとなっている。これまでなじんでいた「千里中央行き」というのがなくなるのも、まだ延伸開業したばかりとあって不思議な感じがする。

まあ、同じような時期に新幹線が「敦賀行き」に変わり、特急サンダーバードも「敦賀行き」になったのに比べれば小さな変化かとは思うが・・。

ちょうどやって来たのは北大阪急行の車両。「延伸開業」のヘッドマークが掲げられている。しばらくは新御堂筋に沿って走り、千里中央の手前で地下に潜る。千里中央はこれまで半世紀以上絶対的な終点だったが、これからは途中駅の一つとしてすぐに発車する。

しばらくして箕面船場阪大前。船場という名前から大阪中央区の船場センタービルを連想するが、実際この辺りは、大阪市中心部の過密化にともない、船場から移転して来た繊維業者の工業団地があるという。大阪メトロの駅名には近隣の複数の町名やら何やらをくっつける傾向があるのだが(西中島南方、喜連瓜破、ドーム前千代崎などなど)、大阪の船場と区別する意味での「箕面」をつけ、さらに後ろに「阪大前」とつくのは、大阪大学の箕面キャンパス(かつての大阪外国語大学)最寄りのアピールである。ともかくさまざまな情報を入れたがる。

箕面船場阪大前を出ると再び地上に顔を出し、そのまま効果にて頭端式の終点・箕面萱野に到着。箕面の山も目の前にあり、さすがにこれ以上の延伸はなさそうだ。ホームでは撮影を楽しむ姿もちらほら見える。

改札口を出る。すぐそこにあるのが「みのおキューズモール」。新しく開通した駅の周りといえば空き地が広がり、これから少しずつ建物ができていくことが多いように思うのだが、ここ箕面萱野については長い間北大阪急行の延伸を見越して住宅地やこうしたショッピングモールの整備が行われていて、万全の体制で開業を迎えたといえる。時間的に開店前の店がほとんどなのだが、それでもこの辺りとぶらついたり憩っている人も多く、地元のよりどころとなっている。

一角には勝尾寺のだるまのパネルもある。箕面萱野まで延伸したことで勝尾寺までのアクセスも近くなるかなと思ったが、バスは従来通り千里中央駅発、北千里駅経由の便のようだ。もっとも、以前の紅葉のシーズンには阪急箕面駅等から臨時のシャトルバスが出ていたという情報もあり、今後、箕面萱野延伸を絡めたアクセス便が出ることも期待したい。

駅に戻ると、「かやのさんぺい橋 工事中」ということで、新御堂筋をまたぐペデストリアンデッキが工事中である:「かやのさんぺい」とは「忠臣蔵」に出る「萱野三平」のこと。なぜ箕面で萱野三平、また橋や新駅の名前になっているのか。

元々この辺りが萱野という地名で、萱野家はここの郷士としてそう名乗ったのだが、江戸時代になり旗本の大島家に仕えるようになり、三平は大島家の推挙で浅野家に仕えた。松の廊下事件で浅野家が取り潰しとなった後は箕面に戻ったのだが、浅野内匠頭の仇を討とうという同志たちに賛同していた。そのため、彼らとともに江戸に向かおうとしたが、かねて大島家に仕官するよう勧めていた父の反対にあう。三平は結局、主君への忠と父親への孝との板挟みになり、自刃する・・・。「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」という、昔から現代までこれで悩んで自害したり命を縮めたという話はあるが、結局、誰も得しないのである。必要以上に美談にすることもないと思う。

もっとも、「忠臣蔵」じたい以前のように年末の風物詩や映画・ドラマの定番でもなくなったし、箕面の人たちもどのくらい知っているのかなと思う。

さて京セラドーム大阪に向かうにあたり、まずは御堂筋線で延々となんばまで南下。乗車時間34分、しかも各駅に停車するが(車内で読書も結構進む)、大阪の中心部をずっとたどるルートを乗り換えなしで行き来できるようになるとは、箕面の注目度もこれから高まるかもしれない。

久しぶりのミナミ。阪神なんば線に乗り換える前に、朝から混雑の「赤垣屋」で景気をつける・・・。

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