まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都三弘法まいり・1~東寺

2016年07月10日 | 四国八十八ヶ所
先に参加を表明した四国八十八所めぐり。その最初となる阿波・徳島の区切り打ち、その中でもぶつ切りにした第1回目について、次週の連休を使って行う予定である。ただ、連日暑い中であるし、1週間後は雨かもしれない。一応スケジュールは考えているが、一般の歩き遍路の人たちから見れば超ユルユルの行程に見えるかもしれない。まあ、ペースもなかなか読めないし、初めての地で体力がどのくらい持つかもわからないので、あまり無理はしないことにする(公共交通機関も大いに使うことだし・・・)。

さて、四国八十八所めぐりに向かう前に、道中の無事を祈願するということで京都に行ってきた。四国に行くのになぜ京都?というところだが、江戸時代に始まった風習に「京都三弘法まいり」というのがあるそうだ。

京都の中でも弘法大師空海にゆかりの深い東寺、仁和寺、神光院(じんこういん)の3つの寺を回るもので、元々は正月3ヶ日や弘法大師の縁日である21日に行われていたものが、江戸時代に多くの庶民が八十八所めぐりをするようになってからは、道中の無事を祈願し、東寺では菅笠、仁和寺では金剛杖、神光院では納札入れを授かり、それらを身に着けて四国へと旅立ったという。そして無事に戻って来れば、高野山奥の院と合わせてお礼参りを行った。いつしかその風習も廃れたが、4~5年前あたりから再び知られるようになった。やはり最近の遍路ブームや朱印ガールなどの影響があるのだろうか。

私もこの先何年かかるかもわからない(また、新西国三十三所めぐりも途中であるし)八十八所を無事に終えるよう、手始めにこの3つを回ってみることにした。

この3つについては特に順番は決まっていないようである。ということで、まずは京都駅に近い東寺に行き、仁和寺と神光院はそれぞれ京都駅からバスで直接行けるが、上賀茂神社の先にあって遠いほうの神光院を先にして、バスの乗り継ぎで仁和寺、帰りは嵐電と阪急で梅田に戻る・・・というコースを取ることにした。

大阪から新快速で京都に到着。コンコースは大勢の観光客を中心にごった返している。祇園祭の時季で、ちょうど1週間後が山鉾巡行である。また、京都水族館や京都鉄道博物館のある梅小路も人気スポットである。そういえば鉄道博物館、4月の開館以降まだ行っていない。最初のブームが多少落ち着いたら・・と思うが、その落ち着きというのは果たしていつになるやら。

さて向かうのは東寺。最寄駅でいえば近鉄京都線の東寺だが、京都駅からでも15分くらいで歩ける距離である。近鉄乗り場を横目に見て、八条口に出る。駅前広場の再開発が行われ、以前見覚えのある風景がガラリと変わっていた。

暑い中、新幹線の高架に沿い、近鉄のガードをくぐって大宮通に出ると、五重塔が見えてくる。真言宗総本山・教王護国寺が正式名称である。大宮通側の慶賀門から境内に入る。まずハスの花が出迎えてくれる。また、四国八十八所の地図があり、「四国霊場巡拝には先ず東寺御影堂にお参りをして」とある。高野山のお礼参りは広く行われているが、行く前に東寺へというのはそこまで知られていないのだろうか。そういえば遍路姿の人もほとんど見ない。

三弘法まいりの弘法大師のおわす大師堂はそのまま真っ直ぐ向かうことになるが、せっかく来たのだからと、有料エリアの拝観とする。東寺に来たのもいつ以来かな・・・?というくらい久しぶりである。20代、30代とJRの乗りつぶしで全国を回り、その中で観光も織り交ぜていたのだが、各地の「小京都」には好感を持つ一方で、本家の「京都」はどこか避けていた。観光地としてあまりにもメジャーになり過ぎていることへの反発心があったのかもしれない。それが最近は、札所めぐりを行うようになったこともあってか、京都の寺社に対する見方が変わってきたようだ。四国への「発心」もその延長かもしれない。

まずは五重塔を仰ぎ見る。

続いては金堂。薬師如来を中心に、日光・月光菩薩、そして薬師如来の台座を下から支える十二神将という「チーム薬師」が参詣者を迎え入れる。

そして講堂では大日如来を中心として21体の仏像が圧倒的な雰囲気で並ぶ。密教の教えを表現する密厳浄土の世界ということである。

講堂から再び無料エリアに戻り、食堂(じきどう)に向かう。納経所はここだが「まずは大師堂にお参りください」との表示がある。

ということで、室町期の建物である大師堂に向かう。有料エリアの金堂や講堂は参詣というよりは「見仏」のエリアだが、手を合わせてお願いごととなると大師堂のほうがしっくりくる。ここでは靴を脱いで上がる。納札を入れる銀色の箱もあり、初めて四国の納札を切る。ちょうど箱の口が、今朝方投票してきた選挙の投票箱をイメージさせる。輪袈裟だけは持参してきたので、これを首からかけてお勤め。ちょうど年配のご夫婦も入ってきて読経を始め、巡礼らしい雰囲気になってきた。

お勤めをしたということで、改めて食堂に入る。ここは東寺の納経所であるが、四国八十八所の本来の出発点らしく、さまざまな遍路グッズが売られている。一応、一揃えのものは通販で入手済みなのだが、東寺がこうなら、先に実物を見てもよかったかなというものもある。歩き遍路のバイブルとされている地図の実物を初めて手にしたが、中を見る限りでは今はまだいいかなという感じである。

その代わりに入手したのが、京都三弘法まいりのお守りとなる木札。先ほど、昔は東寺で菅笠を授かって・・・と書いたが、復活した今は菅笠が書かれた木札や、菅笠のミニチュアのストラップの形で並べられている。本日のミッションはこの木札3つを集めること。3つで道中の安全が叶うということで・・・。

三弘法の専用の納経帳(3つを衝立のように立てることができる)もあるが、ここで四国用に買い求めていた納経帳の後ろの空白のページに朱印をいただく。こちらも、後の空白のページに仁和寺と神光院の朱印が入る。これは専用の納経帳でなく、四国のものと一体ということでいいだろう。

東寺の前から四条大宮に行くバスがあり、仁和寺に行くには嵐電に乗り継げばいいかなとも思ったが、予定通り京都駅に戻る。来る時は通りの反対側を歩いていたので気づかなかったが、「焼酎バー 空海」という名前の店を見つける。うーん、早速空海がこんな形で出てくるとは。空海と聞くと「空海、飯『食うかい』?」などというダジャレで出てくるイメージだが、この焼酎バーはダジャレでなくそのままズバリ。結構大胆だ。

また東寺というと「東寺DX劇場」は確かこの辺りではないだろうか(行ったことがないのでわからないが)。この辺り、夜に来るとまた違った面白さがあるかもしれない。真言宗の総本山と、焼酎バーやDX劇場が隣り合っている風景・・・。

今の時間は昼食である。来る途中で見つけた「京都ラーメン研究所」という店に入る。しょうゆとんこつがおススメということでそちらをいただく。ほどよい濃さのスープと、太麺がよく合っている。研究の成果というやつか。

これで腹ごしらえもでき、午後から残り2つの寺院を回ることに・・・・。
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