まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

東海道昼特急

2006年08月20日 | 旅行記E・関西

先日の18日、大阪に帰省した。日本の都市間輸送ということについて、東京~大阪間というのは実にいろんな交通手段、ルートがあるわけで、いろいろと乗り比べてみるのも楽しみの一つといえるだろう。

P1010647_2 今回はその中でJR高速バス「東海道昼特急」号を選択した。高速バスといえば夜行バスがメインであるが、そこをあえて「昼間」に走るというもの。時刻表上の所要時間は東京駅から大阪駅まで8時間15分とある。(ちなみに、「東海道昼特急」の兄弟分として、新宿発の「中央道昼特急」というのもある)

朝の東京駅。太陽が照りつけ、暑い。帰省ラッシュのピークは過ぎたようだが、東京駅の八重洲口には旅行カバンを手にした大勢の客がいる。改札があり、2階の指定席に陣取る。バスのこととて立ち上がって歩くには体をかがめなければならないが、一旦シートに腰を落ち着けるとそれなりの広さはあるし、リクライニングも余裕。また前のほうの席なので、少し目をやれば前方の展望もバッチリだ。

P1010632 8割くらいの入りで発車。残りは途中の停留所から乗ってくるとのことで、満員御礼である。若い一人旅やカップルの姿が目立つが、旅のベテラン風なおっちゃんとか、いかにも節約術のうまそうなご婦人とか、幅広い層に利用されているようだ。ちなみに京都深草以降、大阪までの料金は6000円。新幹線の半額以下である。

P1010636 よく晴れた東京の街を抜ける。国会議事堂を見て首都高速~東名高速へ。上り車線は通勤ラッシュか、ところどころ渋滞している箇所があるが、東京を出る下り線は順調そのもの。ただ、途中の停留所があるため、空いているからといってスピードを出して早く進むというわけにはいかない。

通常では途中、足柄SA、浜名湖SA、養老SAの3ヶ所で20分ずつの休憩を取るのだが、夏休み中で混雑が予想されるため、足柄SA→鮎沢PA、浜名湖SA→三方ヶ原PAに休憩場所を変更する旨のアナウンスがある。いずれも一つ手前のPAだ。

P1010639 順調に東京、神奈川と走り抜け、足柄山中、静岡との県境に近い鮎沢PAで最初の休憩。なかなかきれいな感じの建物である。ここで富士山の地下水を使っているというミネラルウォーターを仕入れる。静岡県に入り、御殿場付近ではうっすらとではあるが富士山の姿が見える。完全な夏山の姿。ウーン、でも富士山はやはり頭の上に雪がかぶっているほうがしっくりくるような気がするな。

このまま順調と思われた途端、急にバスのスピードが落ちる。前方を見ると渋滞ができている。何でも、この先の沼津~富士間で乗用車2台の事故があり、そのために5キロほど渋滞しているとか。

P1010641 「渋滞を抜けるのに50分ほどかかる見込みです。お急ぎのところ申し訳ございません」というアナウンス。まあ、本当に急ぐ人は「昼特急」には乗らないと思うが・・・それでも所定よりロスが出るのは面白くない。「私が乗るといつもどっかで事故やってんだよねー」という声も聞こえる。まあ、バスに乗る以上は「事故渋滞」のリスクを計算しておいたほうがよさそうだ。私も座席に持ち込んだ文庫本に目をやり、渋滞の抜けるまでの時間を過ごす。

やはり40分くらいモタモタした後、ようやくにして事故現場を通過。ここからは一気に解放されたがごとく再びの快走。こうしている間に東京を出てから3時間が経過。新幹線ならとうに新大阪に着いている時間。

P1010642 以後は特に渋滞区間もないようで、駿河湾を目の前に見たり、茶畑の中を走ったり、鉄道(在来線)の沿線と比べれば車窓の変化には乏しいが、それでも静岡らしい風景の中を走る。

三方ヶ原にて休憩。事故渋滞の影響で現在40分程度の遅れ。20分の休憩が15分に縮まったが、時間的に昼食時であるのでここで食料を調達。売店がデイリーヤマザキであり、焼きたてのパンやら握りめしを買い求める。高速道路のこととて、「車窓の友にちょいと一杯・・」ができないのが残念だが。

浜名湖を渡り、三ケ日インターで乗務員が交代。あとは後半戦、名古屋の郊外を走りぬけ、小牧から名神高速に入り、小雨の関ヶ原を越えて滋賀県へ。そして逢坂の関をくぐれば京都である・・・。ここまでの道中、数多くのトラックと抜きつ抜かれつで走ってきた。ローカルな高速道路とは違い、やはり東名~名神は日本の大動脈である。

京都を過ぎたあたりから、隣の席の女性がバッグからメイク道具を取り出し、顔のお手入れとお絵描きを始めた。数分後、見事に「変身」。その後、カチャカチャと携帯メールを打っていた。彼氏が大阪駅で待っているのかな?

吹田インターで高速を下り、千里中央から新御堂筋へ。いよいよ、大阪入りである。そして、新大阪駅の下をくぐったのが17時過ぎ。結局、東京を出てから9時間かかったことになる。新幹線なら一度新大阪まで行き、折り返して東京に戻り、もう一回新幹線でやってくるより多くの時間がかかった。

それでも、こういう1日の過ごし方というのも悪くない。東京と大阪の間の距離感というのもまた変わるような気がする。車内でぼんやり、普段の煩わしさから解放された気持ちにもなれるのだ。

P1010648 17時20分頃、大阪駅の桜橋口着。そろそろ夕方であるが、独特の蒸し暑さ・・・。やはり東京より暑い。そんな中、下車した客たちが三々五々、駅や地下街のほうに散らばっていく。

東海道昼特急、なかなかの面白い選択肢といえるだろう。また乗ってみたい。ただ、往復ともとなるとちょっと・・・というのがホンネかな。(というわけで、大阪からの戻りは近鉄特急+名鉄特急+青春18きっぷによる在来線乗り継ぎ・・・だったが、結局途中の乗り継ぎを入れて10時間かかることになった・・・)

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2 コメント

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yamatojin2005さん (まつなる)
2006-08-21 22:03:42
北海道への長旅お疲れ様でした。
ちょうど、私が昼特急に乗って西へ向かっていたとき、東京に立ち寄られていたんですね。

格安で快適な交通手段として人気の高速バスですが、やはり事故渋滞のリスク(これは突然起こるだけに)は避けられないものですね。また、先頭席とか、窓側の席ならいいのですが、真ん中の席となると、ちょっと居心地が悪いかな。

それでも、「片道」乗る分には非常に便利だと思いました。
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一昨年の年末、東海道昼特急に乗りました。 (yamatojin2005)
2006-08-21 20:25:01
そのときは京都府の大山崎まで渋滞なくスムースでした。
ちなみにそのときの座席は「1号車1番A席」で、2階の先頭の席でした。

あれから昼特急には乗ってませんが、
機会があれば乗ってみたいなあと思ってます。

TBしておきます。
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