まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第18回四国八十八所めぐり~雲辺寺ロープウェイへは緊急措置で

2018年07月17日 | 四国八十八ヶ所
14日の13時、観音寺の駅と駅前はごった返す雰囲気だった。

西日本の豪雨の時に、予讃線の本山~観音寺間の財田川にかかる鉄橋が損壊した。復旧には最低1ヶ月かかる見込みで、同区間は運休、代行バスが運行されている。駅前に何台も観光バスが停まっているのはその代行バスである。隣の本山駅を結ぶ便と、多度津まで直行する便の二つがあり、前者は本山で普通列車に接続、後者は特急の代替という位置づけだ。

また、駅窓口や外では、この先どのように移動すればよいのか案内を求める客が列をなしている。今治、松山方面からの特急は本数を減らして運転して観音寺止まりだが、観音寺で降ろされてこの先どのバスに乗ればよいのか、その先にはどのくらいの時間で行けるのかを尋ねる客が多い。一方、高松、多度津方面からバスに乗ってきた客は次は何時の列車に乗れるのかを尋ねている。駅員だけでなくJR四国の腕章をつけた係員が大勢で対応に当たっている。

前の記事で「大阪からの高速バスが遅れそうなので電話連絡をしたがつながらなかった」ことを書いたが、その連絡先というのは観音寺駅だった。なるほどこの様子を見ると、電話にもなかなか出られないだろうなと思った。

ではなぜ観音寺駅に電話したのかということだが、この先の札所めぐりにある。以前の記事で長々と書いた通り、これから向かう第66番の雲辺寺へのアクセスについて、コミュニティバス+徒歩1時間+ロープウェイというのが厳しくなった。そのため急遽、レンタカーを予約した。12時30分からコンパクトカーの6時間コースで4860円。これに念のため免責補償1080円、NOC(ノンオペレーションチャージ)540円をつけて6480円。半日の利用料としては高く感じるが、この時間から、観音寺駅から8キロ離れた雲辺寺ロープウェイ乗り場、さらに10キロ移動して第67番の大興寺、そして大興寺から観音寺駅までの10キロ・・・公共交通機関の便も悪い中、徒歩で移動するのは無理である。仮にタクシーで回ったとしても同じくらい、いやそれ以上かかるかもしれない。それなら、まだ自力で移動するレンタカーのほうがベターと判断した。八十八所めぐりでレンタカーを使うのは足摺岬にある第38番の金剛福寺に続いて2回目だが、その時は金剛福寺以外に竜串や四万十川を回りたいということがあった。今回は緊急措置である。

駅レンタカーの営業所もところによってさまざまで、駅から離れた別の建物だったり、ニッポンレンタカーなどのレンタカー業者が駅レンタカーの取り扱いもしていることがある。ただ観音寺は駅の窓口がレンタカーの営業窓口も兼ねているため、連絡先も駅の電話番号になっていたということがある。

レンタカーは窓口隣の旅行センター(といっても中は続いていて同じく駅員が担当するのだが)でということで向かうが、前の客が神戸への新幹線割引きっぷの列車変更の相談をしているところ。通常なら特急しおかぜとこだまの指定席を乗り継いで行ける割引きっぷで、この客もあらかじめ購入していたがこういう事態になったのでどうすればよいか相談している様子だ。代行バスで多度津まで行き、普通列車で坂出に行って快速マリンライナー(自由席)で行くように案内されていたりする。客も神戸への到着時間、また帰りの時間がずれるので結構お悩みのようだが、女性の係員も辛抱強く対応している様子だ。待つ間に私の後ろにも行列ができる。

その客の対応が終わり、私の番になった。12時30分からの利用開始予定が13時を大きく回る遅れだが特にお咎めもなく、一連の手続きが済む。案内されたのは駅の外の駐車場で、今回乗るのはスズキのスイフト。出発は13時30分。まあ、この日予定していた2ヶ所を回るだけなら十分だろう。こういう時にクルマの機動力を感じる。

カーナビに「雲辺寺ロープウェイ」と入れて出発する。一方で「雲辺寺」とだけ入れることもできる。その場合は寺の下の駐車場まで案内されるが、標高911メートルの山道を徳島県側から延々と上ることになる。まあ、ガチのクルマ遍路ならそこは徹底して山道を上っていただきたいところで、私も一瞬だけそれを考えたが、ロープウェイには乗りたいし、山道を往復すれば大興寺が間に合わない恐れもあるのでそのままロープウェイ乗り場を目指す。一方で道路標識の「雲辺寺」は、ロープウェイ乗り場を指しているようだ。

正面に雲辺寺山が見える。途中、萩の寺として知られる四国別格二十所の一つ、萩原寺を過ぎる。ここから上り坂になる。ロープウェイ乗り場の近くまでは道が二つあり、一方通行の道路標識は出ていないが、道幅が狭いためそれぞれの道を上り、下りそれぞれ一方通行で走るよう案内がある。案内板に従って走れば問題ないところだが、カーナビ頼りだと「逆走」するクルマがいないとも限らない。

観音寺駅から20分ほどでロープウェイの山麓駅前の広い駐車場に着く。3連休の初日だがクルマの姿はほとんど見えない。ロープウェイは毎時0分、20分、40分に発車しており、次は14時ちょうど発の便である。

それにしても、いろんな要素があったとは言え、この日はレンタカーでよかったのかもしれない。当初の予定どおりだとコミュニティバスを途中で降りて、そこから1時間歩いてロープウェイ乗り場に着く道のりだったが、この日の35度という猛暑、そしてクルマでもギアを一段下げた上り坂ということを考えると、雲辺寺だけで音を上げてしまったかもしれない。

ロープウェイに乗ったのは私の他に4人。大きなゴンドラを持て余すようだがガイドも乗り込んで出発する。このロープウェイは全長約2600m、高低差約660mのところを7分で結ぶ。結構スピードも速く感じられる。発車すると眼下の景色がみるみる小さくなり、観音寺や三豊の平野部、さらに霞んでよく見えないが瀬戸内海も観ることができる。空気が澄んでいれば石鎚山系や瀬戸大橋も眺めることができるそうだ。

また反対に目をやれば緑が濃いところ。道路は徳島県側にしかないため、香川県側のこちらは木々が一面に広がるばかりだ。

山頂駅に到着。駅の温度計は何と26度! 山麓駅とはだいたい7度くらいの気温差があるとのこと。山麓駅が標高約260mのところだから、平野部と山頂を比べると9度くらいは違うことになる。日差しがあるので暑いのは暑いが、さすがに爽やかな風を感じることはできる。

戻りのロープウェイは15時ちょうどの便かなと思いつつ、寺に向けて歩き始める。ちょうど山頂駅前に香川県と徳島県の県境線があり、駅は香川県側だが寺は徳島県側である。線をまたいで久しぶりの徳島県へ・・・・。
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