まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都50番「穴太寺」~神仏霊場巡拝の道・82(元日の参詣、そしてその夕方・・・)

2024年01月11日 | 神仏霊場巡拝の道

2023年~2024年の年越し神仏霊場めぐりは、京都大原、近江八幡の札所を訪ねた後、もう一丁ということで京都まで出て、亀岡にある京都50番・穴太寺を訪ねることにした。こちらを押さえると、西国三十三所の4巡目も進むし、期限切れ間近のJR西日本「駅からはじまる西国三十三所デジタルスタンプラリー」も進む。

京都に到着。この先のJR嵯峨野線だが、今やインバウンドの影響で混雑路線のイメージがついてまわる。また、この先の行程を考えて、短区間だが亀岡まで特急で移動する。乗るのは京都11時25分発の「きのさき5号」。J-WESTチケットレス特急券利用で特急料金は600円。なお現在、北近畿方面の特急は全車指定席である。

城崎温泉行きだが、正月をあちらで過ごすとおぼしき旅行客も目立つ。あるいは城崎温泉のその先、香住や浜坂まで乗り継ぐ客もいることだろう。一方、嵯峨嵐山は通過するため、発車前、発車後には「嵯峨嵐山には停まりません」という英語の案内が何度か流れる。インバウンドの客に人気なのは嵯峨嵐山エリア。列車事情がわからず特急に乗る人もいるのだろう。

京都の洛西から保津峡の渓谷を越え、亀岡に到着。明智光秀の居城・丹波亀山城があることから、以前この地を訪ねた時には、明智光秀を大河ドラマの主人公に・・というPRが福知山ともども行われていた。それが実を結んだのが2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」。ちょうどコロナ禍の始まりで収録の休止が長期化し、ドラマの放送も一時休止になった。その影響で最終回が年越しの2021年2月という異例の事態に。

光秀ブームはひと段落したのか、現在の亀岡のPRはJリーグ・京都サンガである。京都サンガは当初西京極をホームスタジアムとしていたが、Jリーグが定めるライセンス要件を満たさないとして、新たなスタジアムの建設が課題となっていた。そこで京都府が亀岡に「サンガスタジアム by KYOCERA」を建設した。はい、ここにも京セラ。さすがに、京セラドーム大阪や近江鉄道の京セラ前駅と間違える人はいないだろうが・・。

さて、穴太寺である。これまで3巡した中では、最初は亀岡駅からずっと歩き、2巡目は京都先端科学大学行きのバスに乗り、途中のバス停からそれなりに歩いた。3巡目は、西国四十九薬師めぐりの札所である神蔵寺との組み合わせで、亀岡駅からレンタサイクルで向かった。一応、穴太寺前というバス停もあるのだが、そちらに向かう便はほとんどなかったと思う。

それが今回、穴太寺へのアクセスを調べる中、亀岡駅から穴生寺前に向かうバスが1時間に1本あるのを見つけた。これには気づかなかったが、前回の参詣から間隔が空いていることもあり、その間に新たに設定された系統だろうか。

乗客は私一人のまま発車。亀岡市役所前を通過し、ここからは私にとって初めての道に入り、道の駅と多目的ホールを備える「ガレリアかめおか」を経由する。元日だが、営業しているのかしていないのか、車窓からははっきりわからなかった。

この先、亀岡運動公園を経由して穴太の集落に入る。そして門前の三差路を曲がり、穴太寺の駐車場に設けられたバス停に到着。こういう形でのアクセスは初めてだが、このバスがあるなら、札所への最終アクセスという面で見れば、西国三十三所の中でも便利なほうに含められる。

穴太寺、元日の昼下がりということもあってか、大勢の参詣客がいるわけでもなく、クルマで訪ねた少数のグループがぽつぽついる程度。特に観光名所というわけでもないが、そのぶん落ち着いた佇まいにある。まずは本堂の前で手を合わせる。

穴太寺が開かれたのは奈良時代のはじめ、文武天皇の勅願で、大友古麻呂によるとされる。「身代わり観音」の名がある聖観音が祀られていることから西国三十三所の札所なのだが、寺としての本尊は薬師如来だという。

これに気づいたのは、本堂前でお勤めとした後での納経所でのこと。西国三十三所の先達用納経軸とともに、神仏霊場の朱印帳を差し出す。西国の納経軸には大悲殿の文字の上に重ね印をいただいたが、神仏霊場の朱印帳はちょっと墨書の文字が違っているように見えた。こちらは薬師如来を意味する「醫王善逝(いおうぜんぜい)」と読むそうだ。

冬の時季は本坊や庭園の拝観は停止中だが、別途本堂に上がることができる。本尊の薬師如来や聖観音に手を合わせるとともに、奥の間に祀られている釈迦涅槃像も拝観できる。この涅槃像には布団がかけられているが、それをめくって?お願い事をする部位をなでることができるのが特徴だ。ええ?布団をめくってそんなことするなんて・・・。

参詣を終え、駐車場にあるバス停に戻る。冬の空ということで一時雨が落ちるが、駐車場に生える大木の下、何とか傘なしで耐える。そして次のバスがやって来た。1時間に1本というのも、寺にゆっくりお参りするにはちょうどいい間隔である。

このバスは亀岡駅から穴生寺前を折り返しとする循環ルートのようで、運動公園まで戻った後は、穴川集落の細い道を走る。昔ながらの家屋も並ぶが、この先丹波篠山方面に続く街道の旧道らしい。

亀岡駅に戻り、JRのデジタルスタンプを無事確保する。京都へは、亀岡始発の普通が発車するところでそれに乗り込む。馬堀、保津峡まではガラガラだったが、やはり嵯峨嵐山で乗客がどっと増え、立ち客も多く出るようになった。

京都に到着し、ホームの電光掲示板に「サンダーバード金沢行き」が並ぶのを目にした。金沢まで30分おきとは、改めて結構な頻度だなと思う。先ほどは山陰に向かう特急に乗ったが、こちらはこちらで、北陸に向かう多くの人たちを乗せることだろう。北陸新幹線の敦賀開業まで2ヶ月半となり、「サンダーバード」へのお別れ乗車というのも悪くない・・。

京都から実家の藤井寺まで近鉄でたどることにする。京都14時50分発の橿原神宮前行き特急に乗る。ビスタカーの上段席。橿原神宮前まで50分あまりというのもちょうどいい過ごし方である。途中、西ノ京にも停車。あみだくじで出た唐招提寺の最寄り駅である。

橿原神宮は有数の初詣スポットということで、駅構内も賑わっていた。その中で、16時03分発の大阪阿部野橋行き急行に乗り換える。

列車の接続待ちか、若干遅れて発車。この先は直線区間でスピードも出る区間である。

・・・その最中、私のスマホも含め車内で一斉にアラーム音が鳴り・・・。

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