まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第15回四国八十八所めぐり~今治喜助の湯といしづちライナー乗車

2018年02月24日 | 四国八十八ヶ所
伊予小松の札所を2ヶ所回った。香園寺と宝寿寺、すぐ近くにありながら何とも対照的な寺院だったなと思い、列車に揺られて今治駅に戻る。

帰りのバスまでの出発時間に立ち寄ったのは、駅のすぐ西側にある「しまなみ温泉 喜助の湯」である。「喜助の湯」と聞いて何か思い出される方もいるのではないかと思う。JR松山駅前にある温泉施設で、愛媛県内を中心にパチンコやボウリング、カラオケなど、いわゆるアミューズメント産業を展開しているキスケが運営している。松山駅前の喜助の湯は、これまでの四国めぐりで松山に行った都度に入浴していたが、今回行くのはその今治駅前店である。

同じチェーンでもちょっとコンセプトが異なるようで、本州と四国を結ぶしまなみ海道が「サイクリングの聖地」ということに着目して、「国内外から集まるサイクリストのためのトランジットになりたい」という癒し処をテーマとしている。自転車で渡ってきた人に汗を流して、マッサージなどで身体を癒してほしいというところだ。私はサイクリストではないが、今回の四国めぐりの最後に入浴することにする。もっとも、他の利用者の多くは地元の人たちという感じである。

浴室は松山駅前店と比べると小ぢんまりした感じで、メインの浴槽は低温の炭酸泉。もちろん中の撮影はできないので画像はないが、壁には来島海峡大橋を描いた壁画があり、行き交う人がなぜか江戸時代のちょんまげや着物姿で、ただスポーツ自転車に乗ったりスマホをいじったりとう不思議な描かれ方をしている。現代のテクノロジーと江戸時代からの日本の伝統文化の風情を組み合わせたというところ。

入浴を終えて、ここで昼食とする。併設のレストランはステーキ料理がメインの店で、昼の定食の他にせんざんきを注文。湯上りには愛媛の柑橘類を使ったサワーがいい感じで、大人の苦味がする八朔のサワーなぞいただく。休憩スペースでゆったりするうちにバスの出発の時間が近づいてきた。

今治駅前のバス停。そういえば朝方は高速道路の通行止めの情報があったような。朝から天気が良かったのであれから意識することがなかったのだが、今治から出る分が特に運休するということはないようだ。スマホで調べてみると、今治小松道は依然として通行止め、松山道は徳島側ではなく伊予大洲あたりが通行止めになっているという。以前に伊予大洲の町を回った時に「大洲は京都に似た盆地の地形で、冬は雪が降ることもある」と案内されたのを思い出す。まあ、これから乗るバスは新居浜まで国道を走るし、徳島側の通行止めは解除されているようで、運行には支障がなさそうである。

13時発のせとうちバスの神戸・大阪行き「いしづちライナー」は2台運行である。予約していたのは1号車。大阪に着くのは19時ということで6時間の長丁場、座席は4列シート。乗るだけとはいえ結構ハードな移動となるだろう。直前の空席照会では満席という表示だったが、今治駅前から1号車に乗り込んだのは5~6人。この先伊予西条や新居浜、三島川之江インターなどに停車するので、そこからの乗車が多いそうだ。

せとうちバスはインターネット予約に対応していないために乗車券はコンビニで購入したのだが、4列シートということもあって座席の指定もできない。その中で先頭席が割り当てられたのはよかった。

まずは今治桟橋に向かい、産業道路から県道38号線に入る。朝方路線バスで走ったのと同じ道を走るとは、結構無駄なことをしているように思う。このバスにしても途中の壬生川なり伊予西条から乗ればよいものを、全区間乗り通しにこだわったようなところがある(四国めぐりの行き帰りにいろんな交通手段で行ってみよう、ということもある)。

午前中は青空が広がっていたが、県道から国道196号線に入ると雪が舞うようになった。少し時間がずれていたら午前中の札所めぐりは小雪の中だったかもしれない。壬生川駅に到着。ここから数人の乗車があり、私の隣にも男子学生らしいのが座る。列車よりも狭いバスの座席でこの先5時間以上身体が密着した状態というのも結構しんどいものがある。

このまま国道196号線~国道11号線を行くのかと思いきや、東予港に続く県道13号線の産業道路バイパスに入る。こちらのほうが車線も多く、広い。港に近い工場群も見えるし、ロードサイドの大型店も並ぶ。先ほどの今治もそうだったが、鉄道駅の近くよりは、少し離れた主要道路沿いのほうが地元の経済活動の中心になっているところがある。

バイパスから一旦離れて駅前本通りを走り、伊予西条駅に到着。次回の四国めぐりはここを拠点として、石鎚山に関連する札所を回ることになる。伊予西条からも乗車が多く、後ろの2号車も含めて座席の半分ほどが埋まる。この先、雪がちらついたり青空が出たり天候がころころ変わる。

再び産業道路バイパスに戻り、西条済生会病院にも停車して海沿いに新居浜を目指す。瀬戸内でもこの辺りは工場も多く、愛媛県の工業を支えている地域である。その中で住友系の看板が目立つようになると新居浜である。住友別子病院というバス停にも停まる。まさか大阪から高速バスで西条の済生会病院や新居浜の別子病院に通う人がいるわけではなく、ロードサイドということもあり、駅に出るよりここで乗り降りするほうが便利な地元客もいるということだろう。また大型病院というのは地域のバスも通ることも多く、連絡を持たせているのかもしれない。

今治から1時間半を過ぎ、新居浜駅に到着。四国めぐりの札所はないが、産業遺産として別子銅山がある。四国を回る一環としてこちらに立ち寄るかどうするか、現在考え中である。マイントピア別子までなら路線バスがあるが、その奥にある「東洋のマチュピチュ」とも称される東平地区まで足を延ばすならレンタカーが必要かな。

新居浜駅から国道11号線に戻り、新居浜インターから松山自動車道に入る。ここまで来ると再び青空となり、高速道路から燧灘や工業地帯を見下ろす。伊予三島、川之江という現在の四国中央市は製紙業が盛んなところで、高速道路の上からも工場の壁面に書かれた商品名を見ることができる。高速道路を挟んで町とは反対側の山の中に、愛媛県最後の札所である三角寺がある。ここはここで改めて1回分来ることになるだろう。愛媛県の最初が愛南町の観自在寺だったことを思うと、愛媛県は広く、札所の数も多く回りがいがあるのを感じる。

最後の乗車停留所となる三島川之江インターに到着。こちらは大阪~松山のJRバスや高知、徳島行きのバスも停車する。さらに松山から各方面への夜行バスも停まるということで、バス停とのしての位置づけが大きい。ここでも結構な乗車があり、これで1号車、2号車とも満員御礼となった。ただ伊予三島、川之江の中心部から離れたところにあり、その間の移動はどうするのかが気になる。地元の人の利用がほとんどだからクルマでの送迎ということになるのだろうが。

川之江ジャンクション、川之江東ジャンクションを経て徳島道に入る。トンネルを抜けて徳島県に入ると、日陰の斜面にうっすらと雪が残っている。ただ道路は乾いており、気になっていた雪の影響はもうないようだ。ここまで大きな遅れもなく順調に走っているが、もし高速道路が通行止めとなった場合はどのルートを通るのかなと思う。地図上では伊予三島からは国道192号線が県境を越えて吉野川沿いに走るが・・。

吉野川サービスエリアに到着。ここで約15分、初めての休憩となり外に出る。トイレに立ち寄り、売店ものぞいてみる。

ここから先は大阪からの高速バスで何度か通っている区間ということもあり、少しウトウトしながら揺られる。徳島道をいったん藍住で降りて板野から高松道に乗るのもいつも通りで、大鳴門橋から四国を離れる。次の四国めぐりは少し間が空くので名残惜しい。

淡路島の室津パーキングエリアで2回目の休憩。雲が出ていてはっきりとは見えないが夕日が海に沈む頃である。2日間の中でいろいろなものを見たためか、長かったような気がするが、ようやく夜である。

阪神高速が渋滞とのことで、明石海峡大橋を渡った後は7号線~新神戸トンネルを経由して阪神の三宮(そごう前)に到着。ここで半分近くが下車した。定刻の18時15分から数分程度の遅れのようだが、5時間以上走って来たのだから十分である。三宮からはハーバーハイウェイ、湾岸線、淀川左岸線を経由して、大開で下車。終点のハーピス梅田のバスターミナルに着いたのは、定刻の19時ちょうどからおよそ10分遅れ。ともかくお疲れさんでした、という感じである。

さてこれで今治シリーズを終えて、札所も60番台に差し掛かった。八十八所めぐりも3分の2を終えたことになり、ほんの少し終わりが見えてきたようにも思う。次は途中少しハードな区間もあるが、楽しみである・・・。
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