まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第10回四国八十八所めぐり~第38番「金剛福寺」

2017年07月23日 | 四国八十八ヶ所
同じ高知の両端にあたる室戸岬と足摺岬。大阪からの距離は足摺岬のほうが遠く、四国の最果てに来た感じがするのだが、地形のためか、温泉街があるためか、室戸岬よりは開けた雰囲気がある。ともかく、足摺岬が四国八十八所めぐりの西南端で、ここから少しずつ北上していく。

金剛福寺は足摺岬観光の一つのスポットでもあるからか、巡拝以外の人たちも多く参詣している。「補陀洛東門」の札が立つ山門をくぐる。ちょうどここが観音のおわす補陀洛への入口として古くから信仰を集めている。

山門をくぐるとまず目につくのが亀の石像。弘法大師がこの地で修行していた時、海亀を呼び寄せ、その亀の背に乗って目の前の不動岩に渡って祈祷を行ったという。

そして正面の本堂に向かう。一連のルーティンの後でお勤めだが、暑い。汗で経本が濡れてしまいそうだ。

本堂の前には池があり、周りは岩が配置されている。12年前の前回、観光で初めて来た時にもこんな景色だったので別に何とも思わず、補陀洛らしい景色だなと写真を撮る。ただ、帰宅後にこの記事を書くにあたって他のブログ記事などを見ると、この庭園は昔からあったわけではなく、平成に入ってからの造作物だという。そういえば本堂その他の建物も、他の札所に比べて「古さ」をあまり感じさせない。やはり観光地としても多くの人が訪れる寺だからかなと勘ぐってしまう。

大師堂にも回る。ここでもわずか数分のお勤めで汗をかき、やれやれという感じで一つ終了した。

この後は境内をぐるりと回る中で、八十八所を何巡した記念として各札所の本尊が奉納されていたり、観音像が雛壇を作っているのにも出会う。中でも観音の雛壇は圧巻である。

納経所で朱印をいただく。寺の方もこの暑さ、Tシャツ姿での対応である。

さて、足摺岬に来たということで、岬周辺を散策する。やはり灯台がシンボルで、そのたもとまで行くと「地球の丸さ」を感じることができる。亜熱帯というわけでもないだろうが、南国風の木々が繁っていて、その中を金剛杖を突いて歩き回る。

急な階段を下りて白山洞門に着く。足摺岬の中の奇岩で、訪れる人も多い。長年の風雪でできた真ん中の洞穴が、角度によってはハート型に見えるということで、カップルには人気だという。このご時世を反映してか、補陀洛・・もとい大陸の言葉を話すカップルも訪ねていた。

急な階段を下るということは、帰りは急な階段を上ること。ゼイゼイ言いながら車道まで戻ったが、これも金剛杖さまさまである。当初は、岩本寺は窪川駅から徒歩数分だし、金剛福寺も足摺岬までレンタカーで行くのなら持って行かなくてもいいのではと思っていた。ただ、今回だけ持って行かないのも何だか妙だなと思い、ここまで来た。前日は土佐入野の海岸に突き立てたし、この足摺岬でも岬めぐりの助けになった。やはりこれは八十八所めぐりには手放せない・・・。

一通り回り、再び金剛福寺の東側の参道を歩いて、レンタカーを停めた道端に戻る。時刻は11時を回っており、足摺岬には1時間半ほど滞在したことになる。中村のレンタカー返却は19時と時間はたっぷりとある。ここは竜串に向けて走ることにする。今度は半島の東側を回って土佐清水の市街地に行くことになる。そんな中、足摺岬から次を目指す人、そして足摺岬に向かう人と、思ったよりも多くの歩き遍路の姿を見る。この暑さ、Tシャツに短パン姿で全身真っ黒な人もいれば、白装束姿の人もいる。

今日の私はクルマで横を通り過ぎるだけだが、改めてこの暑さの中での歩きに頭が下がる思いである。やはり四国めぐりは歩きが一番上なのか・・・・?
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