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クラシック音楽オデュッセイア

2025年正月、ついに年賀状が1通も来なくなった“世捨て人”のブログ。クラシック音楽の他、日々のよしなし事をつれづれに。

第7回心電図検定1級~試験当日【2022年1月10日】

2022年03月19日 | 心電図検定
2022年3月19日。心電図検定1級特集、開始。まず今回は、試験当日の様子について。今でも思い出せる事を、時系列に沿った箇条書きで並べてみることにしたい。

●昨年の2級試験日と同じ日付となる、1月10日。陽気が良かった昨年とは打って変わって、今年はかなり寒い。まあ、大雪とかにならなかっただけでも、良しとするべきか。前回同様、JR五反田駅に午後1時到着。駅を出てすぐに、橋を渡る形。ふと道の向こう側を見ると、周辺の風景に見覚えが。「ああ、去年の帰りには、あそこを通ったな」と。で、今回はほとんど迷うことなく足が進み、1時10分頃には会場に着いた。外で待っている人たちが、10数人~20人ぐらいいたかな。曇り空の下、寒そうにして立っている受検生たちの様子を見かねてか、1時12分頃に会場入り口のドアが開き、運営側の“中の人”と思われる男性が現れた。そして、「まだ開場時間(1:30PM)より前ですが、中にお入りください」と皆を招き入れる。おおっ、ありがたい!・・・建物の中はエアコンが良く効いていて、暖かい。ほっとする。今回もやはり、入ってすぐに手指消毒。そして、額に光を当てての体温チェック。その後受付を済ませ、自分の受検番号がある試験室へ。

●受検者の年齢層は、昨年2級の会場に集まった人たちよりも、少し高いように思えた。と言っても、30代が圧倒的に多い感じ。60代の老人はひょっとしたら、当ブログ主だけだったかも。ただ、ここで事実を率直に書いておくと、当ブログ主の外見はチビ、短足、童顔。生い立ちからして病弱だったこともあり、十分に発育できなかった子供(中学生)のような姿をしている。なので、30代が中心と見られる受検者グループの中にあっても、「一人だけ、お爺さん」には見えていなかったと思う。もし自分が目立っていたとしたら、それはむしろ着ている服の色が原因だったろう。鮮やかな黄金色のダウンコートを脱ぐと、テカテカと光沢のあるライムグリーンの薄ジャンパー。控えめに言って、派手。w ・・・そう言えばこの日、1級の会場に集まった人たちは総じて地味というか、大人っぽくて落ち着いた装いの人が多かった。また、女性の数も、2級の時以上に多く感じられた。その女性たち、皆真面目なタイプの女医さんか熟練看護師さん、あるいは技師さん風。一部、薬剤師さんもいたのかな。去年2級の試験会場で見かけた(例えば、ロングヘアをお団子にせず、なぜか夜会巻きにして出勤してくるような)ギャル系のナースさんっぽい人は、全く見当たらなかった。

●午後2時ちょうどに、昨年同様トイレへ。その後試験室に戻ってから、最後の確認勉強。テスト直前の緊張感の中、頭の中で突然、やたら古い昭和歌謡のメロディが流れ出す。「青い背広で、心も軽く~♪」。出だしの一節しか歌詞を知らない歌なのに、何故今こんなところで?・・・帰宅後ググって、答えを確認。藤山一郎が歌っていた曲だった。・・・藤山一郎。懐。『東京ラプソディ』『夢淡き東京』『青い山脈』『丘を越えて』『影を慕いて』『酒は涙か、ため息か』『燃ゆる大空』『長崎の鐘』等々。昭和44~46年、当時小学生だったブログ主がTVの懐メロ番組を夢中で見ていた頃、この人は毎度常連のおなじみさんだった。で、この歌、長いこと「希望する会社に就職できた青年が、胸を弾ませての御出勤かな」なんて漠然とイメージしていたのだが、とんでもんぺ。かわいい女の子とおそらく初めてのデートにこぎ着けた若者の、うきうきするような幸福感と切ない胸の内を描いた青春の歌だった。(※このブログを書いている男の人生には、全く想像がつかない世界。)・・・でも何で、この歌がこの日いきなり脳裏に蘇ったのか、その理由は未だに謎。

●会場まで、家から持って行った教材2種。心筋梗塞の責任血管部位や、主な先天性心疾患の波形的特徴などを整理した勉強メモ(※当ブログ主は酷い悪筆なので、ワープロ文書を作成)。それと、おなじみの『公式問題集&ガイド』。1級受検であっても、直前のチェックはやはり、この本を見るのがベスト。

●午後2時30分。試験開始。意外なほど滑らかに、答えが選べる。やけに考えさせられる問題、めちゃ簡単な問題、それらが混じって山あり谷あり。何これ、楽しい。w 気持ちが乗って、心が弾む。昨年の2級同様、最初の1回目はマークシートを薄く塗りながら、50問全体に目を通す。不思議と、今回の方が楽。ゆったり余裕で腕時計を見ながら、約50分で完了。続いて、今度はマークシートを丁寧に塗り直しながらの2回目。これもスイスイ。試験の最中なのに、またあの歌が脳内で流れ出す。「青い背広で、心も軽く~♪」。そんな調子で、2周目は20分で終了。時計を見ると、3時40分。終了時刻まで、あと20分。もうそんなに考え直したい箇所はなく、数分で1~2問塗り直したぐらい。最後の15分ほどは、ちょっと贅沢な“退屈気分”を味わった。・・・しかし、結果としてA判定には至らなかった。ここが、1級の1級たる所以。やはり、甘くない。本人が勝手にできたつもりでいても、「正解は、それじゃないんだよ~。残念でした~」とやられたパターンが、今回6個以上もあったのだ。(※後日、YouTubeで『心電図マイスターチャンネル』の【復元】動画を見たら、こちらが思っていた以上に深みのある難問が多く出ていたとわかり、冷汗三斗。また、「当該動画を見ても、問題図の波形を思い出せない物が多い」という事実にも、愕然とする。)

●午後4時。試験終了。いつも通り、回答用紙と問題用紙の両方が回収される。試験前の注意事項を読んだ監督者代表の女性(※どこかの医大の先生らしく、検定委員会の顧問みたいな人)が、締めくくりの挨拶。開口一番、「これをもちまして、今年度第7回心電図検定の、すべての日程が終わりました」。・・・テストが終わったばかりの受検生に向けた言葉としては、ちょっと違和感。思わず、その言葉の背後に隠れた話者の心理を探ってしまった。試験日までの様々な準備や調整、そして2日間に亘る監督業務のマネジメント。試験最終日に至るまでの主催者側の苦労はやはり、並々のものではなかったのだろう。その積み重なった心労と、「やれやれ、無事に終わった。ほっ」という安堵感が、その「全日程が終了いたしました」に込められていたように思えた。おそらくこの方、目の前にいる1級受検生たちよりも、自分自身に対して労(ねぎら)いの言葉を贈りたかったのだ。

●ふたを開けてみればB判定という結果だったが、試験終了時はガッチリした手応えを感じて合格を確信し、「A判定、取れるかも」と、すっかり上機嫌で帰宅の途についたのだった。全くもって、知らぬが花(苦笑)。

―次回から、第7回心電図検定1級に出た具体的な問題例をいくつか振り返りながら、「1級レベルは、何が要求されるのか」について、順次語っていきたいと思う。そのため、記事の内容は避けられずして、一部の医療関係者にしかわからないエソテリック(esoteric)なものになる。その点については予め、ご容赦を乞うておきたい。
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心電図検定1級合格

2022年03月11日 | 心電図検定
2022年3月11日(金)。今から約2ヶ月前、1月の10日に都心の五反田まで行って、心電図の検定試験を受けてきた。昨年の2級に続き、今年は1級に挑戦。その後、先月2月の14日にネット上で合否発表があり、自分の番号が合格者リストに載っているのを確認。夕方、ワインの小ボトル&ケーキで母としんみり祝った。

そして今日、合格証書と記念品の青色ハート型バッジが、郵送にて到着。判定はBランク。1級での満点獲得が難しいのは、プロの循環器医も含めて衆目の一致するところだが、当ブログ主はAランク入りも果たせなかった。問題を解いている最中は簡単そうに見えていても、やはり1級は1級。仕掛けがエグい。(※しかし、何だろう、この敗北感・・・。)

正味1年9ヶ月という長い日数はかかったけれども、ズブの素人が自宅一人勉強で、「検定1級合格」達成。B判定ではあるが、まあ、良くやった方だろうと思う。 Rallegramenti!

―次回は、検定試験当日のお話。思い出せる事を、箇条書きにて。
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心電図検定の合格基準

2022年01月16日 | 心電図検定
2022年1月16日(日)。年末に思いがけない出費があって、結構きつめのオメ○な年越しにはなったが、とりあえず無事に新年を迎えることができた。やれやれ、ホッ。w

さて、ここ何ヶ月かの当ブログの傾向として、心電図検定関連の記事に多くのアクセスをいただいているように感じられた。時期的にちょうど、試験のシーズンに当たっていたからだろう。つい昨日だか、ツイッター検索サイトで「心電図検定」と入力して最近のツイート群を見てみたら、軽くショッキングな情報が流れていて、界隈がざわついていた。

「心電図検定に定まった合格ラインはなく、その回ごとに相対評価で合否が決められている」。

医師や看護師の国家試験を好例として、普通、資格試験とか検定試験というのは、(昭和時代の過酷な大学入試みたいな)“受験者ふるい落とし”を目的とするものではなく、癖のない標準的な問題を並べて、「一定の基準に到達していたら、皆さん合格です」とするのが基本理念である。たとえば「こういう主訴があって、こういう症状が見られたら、普通は○○疾患を疑って、△△検査をするんだけど、知ってるよね?」みたいな常識ラインのことを訊いてきて、それに対して正解の選択肢を選べれば得点ゲット。そして全体で一定割合以上の正答率を挙げたら、皆さん合格・・・こういう感じのはずだ。心電図検定も、基本的にはそのようなタイプの試験であるはず。う~ん・・・。

―以下は、様々な人による関連ツイートを基に考えた、当ブログ主の個人的な推論である。

★今後も変わらず維持するように決められた、各級ごとの合格率

4級 ・・・8割強
3級 ・・・7割強
2級 ・・・6割強
1級 ・・・5割強

―で、それに対して、

●全50問中 50問正解なら → 合格&成績優秀者として表彰(※1級の場合は、マイスター認定)。
●全50問中 49~45問正解なら → A判定。勿論、合格(※上位何名かは、成績優秀者のことも)。
●全50問中 44~40問正解なら → B判定。これも、よほど特殊な状況でない限り合格。
●全50問中 39~30問正解なら → C判定。

問題は、最後のC判定。過去の事例を見ると、このランクには、合格をもらった人と不合格になった人の両方が存在する。で、結局、こういう事↓かなと。当ブログ主が昨年1月に受けた2級の例で言うと・・・

1 基本的には、7割(35問)以上正解すれば合格。これが一応の基準線。

2 ただし、問題の難易度により、その年度の得点状況がやたら良い場合、35問正解の人を普通に合格にすると、合格率が72%とか75%とかになってしまったりする。

3 上記★印の項にある「変えずに維持したい合格率(※2級の場合は、6割強)」に合わせるため、その年は36問、あるいはそれ以上正解した人を合格圏に入れる。つまり、35問の人はアウト。

4 逆に、出題内容が例年以上に難しかったりして得点状況が厳しい年度は、35問に満たない正解数の人でも合格になることがあり得る。

―検定主催者側の“中の人”でなければ、実際の状況はわからない。しかし、素人考えでいけば、こんな感じじゃないかなと思う。また将来、何か新しい情報が得られたら、当記事も適宜修正していく所存。
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心電図検定2級の受検勉強に役立つ教材(3)【YouTube動画編】

2021年04月17日 | 心電図検定
前回からの続き。心電図検定2級の受検勉強に役立つ教材の話。最後は、YouTube動画編。

●看護師の四季さんの動画「5分、10分で分かる心電図」シリーズ

今から1年ちょっと前、2020年の3月。当ブログ主の心電図学習は、優しいおねえさんの解説を聞くところから始まった。出てくる言葉、教わる言葉がどれも未知の物ばかりで、本当にゼロからのスタートだった。今改めていくつか見直してみると、そんなに昔のことではないのに、何だか懐かしい気持ちになる。学び始めの第一歩として、心電図の習得を目指す人の多くにお勧めできる動画。

●米山喜平先生による心電図解説、及び循環器内科全般の講義動画シリーズ

上の四季さんに続いてお世話になったのが、米山喜平先生の動画。この方は聖マリアンナ医科大学の循内ドクターで、「(若い世代に)伝えたい!わかるようになってもらいたい!そして、自分の後に続いてほしい」という、ホットな教育熱に燃えている人。イメージ的には、“新入生や後輩の面倒をよく見る、心優しい部活の先輩”。当ブログ主は同先生の手順(言うなれば、「米山メソッド」なる物)を学びながら、心電図の判読に取り組み始めたのだった。今は他にも高い実力を持った方たちがYouTubeに参入してきていて、学習者に大いなる恩恵をもたらしているが、「初心者を中級者のレベルまで引き上げる、親切なガイド役」としての米山先生の存在は、これからも変わらず高い評価を受け、感謝され続けることと思う。

数ある米山動画の中で、検定2級に直結する物として特にお勧めなのは、この↓3つ。受検者は必見。

―「心電図検定対策」(前後編の2回) 【2020年3月20~21日投稿】 (★1)
―「心室内変行伝導シリーズ 第1~3回」 【2020年9月21~23日投稿】
―「右室梗塞」 【2020年6月7日投稿】

(★1) 米山先生らしく、すべての試験問題をいつものメソッドで判読しながら、解説を行なっている。しかし、検定試験で1問1問をそのように丁寧にやっていたら、間違いなく時間切れアウト。試験には試験用のやり方があるので、受検生は注意が必要。

●出直し看護塾

ジェネラリストの男性看護師・青柳智和氏が主宰する、総合的な医療解説の動画サイト。勿論、心電図の基本的な仕組みも教えてもらえるが、この人の動画では心エコーの入門解説(#116~#118)がとても役に立った。心電図学習のレベルが進むと、「心エコーの基本画像だけでも、知っておいて良かった」と実感する時が必ず来るから。その基本画像とは、傍胸骨アプローチ左室長軸像と短軸像、そして心尖部四腔像(しんせんぶ しくうぞう)。この3つである。参考までに、これらを含んだ心エコーの画像一覧をブラウザにお気に入り登録するなら、こちら↓のサイトがお勧め。

http://www.us-kensahou-seminar.net/muse4/ch1/sub1/index.html

●「心電図検定対策講座」シリーズ 【導入編、基礎編、講座編、検定級判別試験、模擬試験、他】

学習開始2か月目にこれを見たことで、はっきりと検定受検の意思が固まった。名前の通り、心電図検定対策に特化された極めつけのシリーズである。贅言無用。おのがじし、レベルに応じて当該動画を繰り返し視聴し、解説されている内容を習得されたし。異世界的な女性のロボット音声に、身悶えしながら(笑)。

●YouTubeのトップページで ecg practice と検索するとヒットする、いくつかの英語版トレーニング動画

解答がすべて英語なので、使える人は限られるかもしれない。「問題が切り替わるところで動画を一旦停止し、自分で答えを考える。その後また再生をスタートして、答え合わせをする」というやり方で、当ブログ主は4種類の海外動画を使って繰り返し練習した。その中から、一番取っつきやすそうに思えるこれ↓の場合だと、[3:53]から出てくる波形が、今回(第6回)の2級問題にお目見えしていた。

ECG Rhythms | Test Yourself



―あと、英語力に自信のある方には、こちら↓もお勧め。主要な心疾患の英語名をまとめて、学習&ノートできる。話の内容もそれほど難解なものではないので、シリーズの一通りを一度は視聴してみる価値あり。

“Intro to EKG interpretation” 【Strong Medicine】 by Dr. Eric Strong

このシリーズを見ていて1つ面白い発見をしたのが、「たこつぼ心筋症」の英語訳。何とそのまんま、タコツーボゥ(※正式には、takotsubo cardiomyopathy)。日本人の先生によるネーミングが、世界に認められた。

★心電図検定体験記シリーズは、これで終了。次回からまた、従来のクラヲタ・ブログに戻ることになる。更新ペースの方も、月に1回ぐらいになる予定である。
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心電図検定2級の受検勉強に役立つ教材(2)【サイト編】

2021年04月05日 | 心電図検定
祝 ブログ創設6000日【2004年10月31日~2021年4月5日】!幾度も大きな病気をしながら、そして実質的に“開店休業”状態を続けていながら、よくまあ続いてきたと思う。

―ということで、早速本題。前回からの続き。今回は、心電図検定2級の受検勉強に使えるネットのサイトについて。

●太田君のWeb site ~心電図クイズ(全12問)

良問揃いで、2級受検の基礎確認に最適。サイト主さんは、「100問を目指す」という初志をお持ちだったようなのだが、実際には12問目の正解を書いたところで絶筆。何があったのだろう。内容がとても良いだけに、問題数の少なさが残念。

●弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座 ~心電図クイズ(全16問)

これも問題数は少ないが内容は濃く、出題レベルも高い。まさに2級受検者向き。現病歴の説明が詳しいので、検定というよりはむしろ、特に若い医療従事者の臨床向け訓練に照準が合っているようだ。ただ、解答・解説を漫然と読み進めると、次の問いの答がいきなり見えてしまう作りになっているので、答え合わせの時は要注意。今回(第6回)の2級では、このサイトの問2の題材がズバリそのまま、そして問9と問11から類似の問題が出題された。また、今回は出ていなかった(と思う)が、問4の題材は検定の鉄板ネタ。

●医学の友社 ~トライ!12誘導心電図を読んでみよう(全158回)

問題図には患者の主訴も現病歴も全然書かれておらず、各種検査のデータ等も一切添えられておらず、ただ無言で心電図だけが突きつけられる。・・そんなぶっきらぼうな出題とは対照的に、解説ページの方はかなり親切。各回、丁寧に順を追ってチェック・ポイントを教えてくれる。それと、基本的な問題ばかりではあるけれど、ペースメーカーの心電図も相当数出てくる。とりあえず慣れるという点では、好適。

レベル的には、3級受検者が解けそうな問題もある。しかし、2:1伝導の心房粗動、右胸心、PACの2連発、一見PVCみたいな心室補充収縮、そして間欠性のWPW症候群等、ハイレベルな問題も多いので、全体的には2級受検者向きと思われる。実際、第40回の肢誘導ネタや第91回の胸部誘導ネタが、今回の2級で出題された。第89回と第141回にそっくりな物も出ていた。あと、複数の正解を持つ出題例として、第131回の題材も出た。この131を見て思い出すのは、本番の試験で、「当てはまるものを2つ、選びなさい」という設問が時々、不規則な形で混じって出ていたということ。そこでは当然マークシートを2ヶ所塗ることになるわけだが、見直す時間の余裕がなかった人の場合、「1つだけ回答して次に行ってしまい、×採点にされた」という残念なパターンがあったんじゃないかという気がする。試験日が近づいてきたら、回答スピードも意識した勉強をするのが吉であろう。(※余談ながら、第154回のような心電図で副伝導路の位置を推定させるのが、典型的な1級の問題というところか。)

●日本不整脈心電学会サイトの心電図クイズ(2009年10月~2018年9月。全58問)

さすがに検定主催の御本家サイトらしく、手の込んだ多彩な設問が並んでいる。一例を挙げるなら、有名なブルガダ症候群。今回(第6回)の2級に出題された同疾患は、パッと見てすぐにその危険性が伝わってくるcoved型だったが、このサイトでは1肋間上でのとり直しや、ピルジカイニド負荷試験を行なった結果の心電図を並べ、学習者に比較検証を促す問題が出ている。これは同疾患に対する見識を深める上で、非常に有益である。2017年2月、2010年6月第1&2回、2010年5月第1&2回の問題など、今回の検定でズバリ出題された物もある。あと、2010年2月の回では、前記事の【書籍編】と同様に、「よく知られた題材を巡って、意外な角度から攻められる」という刺激的な体験を楽しむことができる。

―次回は、シリーズ最終回。YouTube動画編。
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