クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

モントゥー晩年の名盤が一気に復活!

2014年09月28日 | エトセトラ
2014年9月28日(日)。先頃も書いたとおりの話だが、この4月の消費税増税以来、私は音楽CDを買っていない。食材や衣料等の生活必需品が当然ながら優先され、音楽CDのような趣味道楽の品は後回しという判断からである。

(※そしてもう一つ、思うところをありのままに言えば、「消費税増税はあまりにも早すぎだろ」というささやかな抗議の表明になっている面も一部ある。ここで健気にお金を使って景気を支えるような真似をしたら、調子に乗った財務省のクソ役人とその傀儡(かいらい)議員たちが、「よしよし。思惑通りだ」とほくそ笑みながら、さらなる増税を決行するのである。消費税とは、国民が買い物をするたびに与えられる懲罰に他ならない。これをやったらさらに罰せられる結果になるとわかっていることを、わざわざ好き好んでやる奴はいないだろうって話である。政府が年内に決めるべきことは、「さらなる増税をするのかどうか」ではなく、「消費税を5%に戻すぐらいの方向で、真面目に政策を考え直すこと」だと、私は思っている。)

そんな中、以前からよく利用させてもらっているネット通販サイトの一つであるタワーレコード(tower.jp)さんが、来月(2014年10月)半ばの予定で、ピエール・モントゥー晩年の名盤を一気に復活させてくれるらしいことを最近知った。で、面白いのが、数日前からgooブログさんが「アクセス解析」の期間限定無料サービスをやっていて、私のような非有料会員でも、「昨日は○○の記事にアクセスが○○件あった」とか「昨日はこんな検索ワードでアクセスされた」みたいなことがちょこっと見せてもらえるようになっていること。その結果、この2~3日、モントゥー先生の名前が主要な検索キーワードとなり、昔書いていた該当記事のページにアクセスが来ているらしいことがわかったのである。これは多分、タワレコさんの企画で巨匠晩年の名演が復活するというニュースから、「良いものかどうか、ちょっとネット上の意見を見てみようか」と思った方がおられたのではないかと推測している。

そのような方々のために、今日思い立ってブログを更新することにした次第。昔の記事でも書いたことだが、ここで改めて申し上げておいていいと思う。来月復活するモントゥー晩年の録音は(少なくとも、後述する3点について言えば)、すべて“買い”である。どれも、買って損はない。それどころか、人によっては一生の宝を手に入れることになるかもしれない。それぐらい素晴らしい物が、ズラリと並んでいる。で、実のところ、私も今悩ましいところにいる。

まず、シベリウスの<2番>とドヴォルザークの<7番>を組んだ1枚。前者シベ2については現在、豪エロクエンス盤で保有中。音は普通のリマスターで、オーディオ的にちょっと不満あり。ちなみにこの演奏、全体に亘って独自の透明感と高貴な気配が漂う逸品だが、第4楽章終了近く〔11:11~〕で使われるリタルダンドがまるで日本の演歌。初めて聴いた時は思わず、ギャハハ、と笑ってしまった。後者ドヴォ7は約10数年~20年前、ベートーヴェンの<7番>と組んだ外国盤を持っていて、内容をそっくりMDにダビングした後、当時お世話になっていた職場の同僚にプレゼントしてしまった。今回この2曲が24ビット・リマスターで蘇るのは、まさに朗報。値段も安いし、これは買い直すしかないなと。w

続いて、ラヴェルとドビュッシーの作品を集めたデッカ音源の2枚組。私の場合、これはちょっと悩ましい。初演者の面目躍如となる<ダフニスとクロエ>全曲と、最高峰の名演<亡き王女のためのパヴァーヌ>、そしてそれに準ずる<スペイン狂詩曲>については、かつて国内発売された「栄光のロンドン・サウンド」というシリーズで買った物を、今も大事に保有中。通常の16ビットながら、良い音質。しかし、CD自体は少し古くなった。<牧神の午後への前奏曲>他、ドビュッシーの作品集はフィリップス音源も含んだ国内デッカ盤で持っていて、これもやはり通常の16ビット盤。この<牧神>と<夜想曲>からの2曲も、今回まとめて24ビット・リマスターで出るということだ。「う~ん、新たに買い直してみようかな」という思いが、抑えがたく湧き上がってくる。この2枚組も結局、買ってしまうかも。(←をいをい、増税に対する抗議はどうなった?w )

Last, but not leastで、「モントゥー・PHILIPS名演集成」と題された5枚組のセット。これが一番、悩ましい。と言うのは、ここに収められた曲目は上記と同様、もう既に持っているか、あるいは以前聴いたがやがて要らなくなって手放したものばかりだから。名演の誉れ高いコンセルトヘボウ管とのベートーヴェンの<英雄>、これこそ至高の音楽と絶賛したい<マ・メール・ロワ>全曲をはじめとするロンドン響とのラヴェル作品集といったあたりは、もう持っている。かつて聴いたシューベルトの<未完成>に特別な感慨はなかったし、宇野先生絶賛のブラームス<交響曲第2番>も昔聴いた時はどうもピンとこなかった。後者のブラ2など、「ここをこういうテンポにするの?う~ん、どうかなあ・・」といった感じの、何とも腑に落ちない違和感を演奏のあちこちで持ってしまったので、ほどなく中古売却してしまったのだった。チャイコフスキーの<白鳥の湖>ハイライトも一時期よく聴いたCDで、『スペインの踊り』等、生気漲(みなぎ)る名演が含まれる一方、終曲の超スロー・テンポなど「これはもう、スケールが大きいとか言って褒める物ではなく、音楽が緩んじゃっていると見るべきだろ」と首をかしげるような仕上がりの物もあった。このCDもやがて、中古売却。<英雄>第2楽章のリハーサル風景は未聴だが、こういうのは「1回聴いたら、もう十分」というものの代表例だろう。5枚組セットということで、上記2点のCDより当然値段も張る。「あのブラ2を今の歳になって聴き直したら、どんな感想を持つかな」とか、「モントゥーがフィリップス・レーベルにステレオ録音した演奏が1セットで全部揃うというのは、なかなかに魅力的な話ではあるよな」といったような前向きな思いも出てくる一方、「欲しいところはもう持っているから、別に新しく買わなくてもいいか」という気持ちもある。何とも悩ましいところである。(あ!消費税の再増税が見送りになったら、お祝いに買おうか。www )

幸いなことに、今回の企画CDは、「初回限定生産」とか「数量限定発売で、無くなり次第終了」とか、そういった物ではないようなので、焦る必要はなさそうだ。私の場合、シベ・ドヴォの1枚と、ラヴェル・ドビュッシーの2枚組を、とりあえず買い直すことになるんじゃないかという気がする。

―ということで、今回はこれにて。
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