クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

急性胃腸炎、ロストロポーヴィチの<シェロモ>

2016年12月31日 | エトセトラ
2016年12月31日(土)。今日でまた、1年が終わる。早いものだ。今月を振り返ると、上旬にちょっと大変な思いをすることがあった。前日食べた物にあたったのか、夜中の3時半頃に激しい腹痛で目が覚め、真っ青になってトイレへ駆け込む事態に。ひどい下痢、意識が消えそうなほどの苦痛。結局、救急車で病院へ。既往歴などを担当者に一通り話した後、一応の手当を受け、夜が明ける少し前ぐらいにタクシーで帰宅となった。その日は幸い、意識が飛ぶようなところまではいかず、救急車が着く前に少し動ける状態になっていたので、自室の机にしまってあった保険証を用意することができた。それでも本人3割負担で、約5000円の支払い。当然と言えば当然かもしれないが、やはり救急医療費はお高くつくんだなあと痛感した。

そういう“事件“は別としても、今月もまたいろいろと疲れて、なかなか趣味の音楽に浸っている余裕が持てなかった。本年を締めくくる今回の記事も、従って、やっつけ仕事。w 今年もいくつか、お買い得なCDを買った。先頃軽く語ったA・ボールトの『バッハからワグナーまで』もその一例だが、今回はM・ロストロポーヴィチのチェロ独奏による協奏曲録音を集めたEMIのセットに触れておくことにしたい。ドヴォルザーク、サン=サーンス、ハイドン、シューマン、ショスタコーヴィチなどの有名な<チェロ協奏曲>の他、カラヤンと共演したR・シュトラウスの<ドン・キホーテ>、そして極めつけと言ってよいバーンスタインとのブロッホの<シェロモ>を収めた一組である。

お目当ては勿論、<シェロモ>。学生時代、中古のLPレコードを買い、A面のシューマンにすっかり退屈した後、裏返して聴いたB面の曲だ。今でもはっきり覚えているが、これには本当にぶっ飛んだ。「うっわあ・・凄い曲があるんだなあ。でまた、これ、演奏が凄いわ」と、一発でお気に入りの一品(ひとしな)となった。この名曲に関して当ブログ主が気に入っているのは、オーケストラによる怒濤のクライマックスが、引いてはまた返す波のように繰り返しやってくるところ。これが、心地よい聴後感をもたらす。その後、他の演奏家による録音もいろいろ聴いてはきたものの、ロストロポーヴィチとバーンスタインの凄演を超える物にはついぞ出会えない(※おそらく、今後もないだろう)。両者による名演はその後初期CDでも一時期持っていたのだが、やがて中古売却。それから久しく、耳から離れていた。

「組み合わされていたシューマンの方は要らないけど、<シェロモ>だけは新しいCDでまた聴きたいなあ」と少し前から思っていたところ、先月(2016年11月)、HMVさんが期間だか数量だかの限定特価セールをやっているのを見つけ、これは見逃せないとばかり、速攻でポチったのだった。お値段は何と、税込みで1090円。勿論、新品。大バーゲン特価である。ワグナーやブラームスを収めたボールトのボックス・セットも、非常にお得な買い物だったが、ロストロポーヴィチの方はそれ以上のお買い得だったと言えるかもしれない。このような往年の名盤が新しいリマスターで、(しかも、お安い値段で)聴き直せるというのは、古くからのクラシック音楽ファンとしてはうれしい限りである。

―今回は、これにて。読者諸氏におかれましては、どうぞ良いお年をお迎えくださいますよう。
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