クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

熊本大震災と消費税

2016年04月30日 | エトセトラ
2016年4月30日(土)。今月の半ば、熊本(及び周辺各県)で大きな震災が発生した。現地は今も大変なこととお察しするが、あの5年前の東日本大震災に比べたら、今回は随分条件が良いように思う。津波は発生せず、発電所も(今のところ)問題無し。そして何より、政権担当者が非常にまとも。現地の状況も、これから順々に改善されていくことだろう。

さて、政治的な話はあまりしたくない当ブログ主ではあるが、ここでどうしても書いておきたいことがある。消費税の問題だ。今回の震災を機に、政府には本気で消費税の減税を検討してほしい。おととい(4月28日)、日銀が「新たな金融緩和は行なわず、現状を維持する」と発表し、日経平均株価が後場寄り付き直後から一気に暴落した。為替の方もぐんぐん、円高に進んだ。が、当ブログ主はこの件で日銀を批判する気はない。現段階でやれるだけのことはやってくれていると思うから。一般の銀行が日銀に預けている当座預金について、「今後追加される分には、利息を付けません。逆に、マイナス金利という形で手数料をいただきます。これからは、市中にお金を回すようにして下さい」と前回やったのはまさに、“事件”だった。「よくまあ、そこまで」と思えるぐらい、目いっぱい踏み込んだ政策決断だった。

一方、ダメダメなのは政府である。日銀がそこまでやっているのに、安倍政権は財政政策をちっとも出してこない。「金融政策だけでデフレを脱却し、好景気を実現する」など土台から無理な話で、金融政策と財政政策が並んで初めて車の両輪が揃い、経済が前に進み始めるのである。ところが、その大事な一方の車輪が、いつまでたっても動きださない。これでは駄目だ。熊本(及び周辺各県)の状況、5月に行なわれるサミット、夏の参議院選挙、そしてかねてより噂が流れる衆議院解散の可能性・・・いろいろな要素が絡んでの首相判断になってくるのだろうが、軽減税率をどうするかなどというくだらない議論はさっさとやめて、「消費税の再増税は、凍結。逆に減税する」という方向で政策論議を始めてもらいたいと思う。

(PS)

先週の金曜日(2016年4月22日)、FM番組でマリア・カラス主演の歌劇<ジョコンダ>全曲が採り上げられた。当ブログ主未聴の音源が平日昼間の放送だったので、ミニコンポを使って録音しておき、後で聴き通した。結果、昔からあるオペラのガイド・ブックなどに書かれているのと同じような感想しか持てなかったので、今回の記事タイトルにするのはやめた。ジョコンダはカラスお気に入りの役柄だったようで、この録音でも入魂の歌唱を聴かせる。あの独特のうざったい声が嫌いでない人には、これは貴重な名盤の一つになっていることだろう。ところで、このオペラにはバルナバという希代の悪党が登場する。この超魅力的(笑)な悪役で当ブログ主を満足させてくれたバリトン歌手は今もって、エットレ・バスティアニーニただ一人。今回放送されたカラス主演盤(EMI)で歌っている若きカプッチッリ、ずっと新しいバルトレッティ盤(デッカ)で歌っているミルンズ、ともに力不足で不満だらけ。―ということで、他の歌手たちの優秀さ、指揮者の好調さと併せ、今なおこのオペラの最高の名盤といえるのは、ジャナンドレア・ガヴァッツェーニのデッカ盤ということになる。
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