クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

窓の拭き掃除。ドライアー&LSO、他のグリーグ<ペール・ギュント>全曲

2021年02月23日 | 演奏(家)を語る
2021年2月23日(火)。天皇誕生日。昨日から、ちょっと珍しいぐらい陽気が暖かい。そこで今日、昨年末に出来なかった2階の窓拭きを、午後の時間に行なった。強い風のために東窓の外側は拭けなかったが、南窓を両面ともきれいに出来たので、まあ、今回はこれでいいかなと。しかし、つくづく、窓拭きのような重い作業が億劫になってきた。以前は、こんなじゃなかったのに。年を取ったんだなあ・・。

さて、YouTube動画ネタ。前回グリーグの<ピアノ協奏曲>を貼ったので、今回は、同じ作曲家によるもう一つの名作<ペール・ギュント>。ペル・ドライアーという聞き覚えのない名前の指揮者がロンドン響、他を指揮した全曲録音である。で、いきなり結論。これは劇音楽<ペール・ギュント>の、おそらく最高の名演と言ってよい。

<ペール・ギュント>全曲と言えば、俳優達によるセリフのやり取りまで含んだネーメ・ヤルヴィのグラモフォン録音が有名だが、正直な感想を言えば、これは「文献的な価値の高さによって、かけがえのない記録」というのが、当ブログ主の中での評価である。はっきり言ってしまうが、演奏自体には感動がない。ソプラノ独唱として出演しているバーバラ・ボニーも同様で、ただ美しいだけ、ただきれいに歌っているだけである。この完全全曲版で唯一感動的なのは、「オーゼの死」の場面。ここだけは、何回聴いても涙が出てくる。しかし、それはヤルヴィの指揮がもたらす音楽演奏の力ではなく、あくまでペールと母オーゼを演じる俳優さんたちの演技が生み出している感動なのだ。(特にオーゼ役の女優さんの声と、しゃべり方!)

声楽パートを含んだ<ペール・ギュント>の準全曲盤として、ジョン・バルビローリ&ハレ管、他によるEMI録音も夙(つと)に有名。御存じの向きも多いと思う。当ブログ主にとっては、実はこれこそが(演奏内容の点で)ずっと1位を保ち続けてきた同曲最高の名盤ということになる。それが今年に入って、1つの変動が起きた。「俳優達のセリフはなく、オーケストラと合唱団、そして何人かの独唱歌手が加わった、音楽だけによる全曲録音」というのが、当ドライアー&LSO音源の佇まいである。その点ではバルビローリ盤とほぼ同じであるが、収録曲数が万全な分、ドライアーの方が(個々の楽曲での優劣は入れ替わるにしても)全体的な得点で上を行くことになる。

昔と違って、今は動画を貼ることで、“論より証拠”を示せるようになった。だから、贅言は並べるまい。<ペール・ギュント>の劇音楽を愛する方は是非、御一聴を。

"Peer Gynt" Complete Incidental Music - Edvard Grieg
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