クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

ビーチャムのディーリアス録音

2017年03月29日 | 演奏(家)を語る
2017年3月29日。お彼岸はとっくに開けたのに、今年はなかなか暖かくならない。一日も早く、春らしくなってほしいと願う。気分も晴れないし、暖房費もかさむから(苦笑)。

今月は、CDを一組だけ買った。トマス・ビーチャムのディーリアス録音を一つにまとめた、EMI音源の限定盤ボックスである。7枚組で、税込み1590円。古い時代の録音とは言え、随分安くなったものだと思う。当ブログ主は別にディーリアンではないけれども、評論家筋からかつて圧倒的な評価を得ていたビーチャム卿のディーリアスをまとめて聴けるということで、今回ちょっと買ってみたのだった。

感想を手短に言うと、やはりステレオ録音された後期の演奏が良いように思われた。モノラル期の音源には、正直言って、がっかり。音が古いだけでなく、演奏自体もあまり巧くない。今回のセットには歌劇<村のロミオとジュリエット>全曲が収録されているということで、「ビーチャムの指揮でこのオペラ全曲が聴けるのは、楽しみだなあ」と、実は内心楽しみにしていた。しかしこれ、残念ながら期待外れ。歌手たちは二流だし、管弦楽の響きからも、この作品ならではの陶酔が殆ど感じられなかった。それやこれやで、一通り7枚全部聴き通した後は、ステレオ録音された曲ばかりをリピートして聴くようになったのだった。今日のオーケストラ水準から見れば必ずしも完成度の高い演奏とは言い切れないのだが、作曲家と同じ時代を生きた名匠のタクトが生み出す雰囲気には、特別な味わいがある。お値段の安さも考え合わせると、当ボックス・セットは十分価値のある一組だと思える。

―今月は多忙のため、これにて。
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