クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

YouTubeで聴けるカイルベルトの2つの<サロメ>

2019年01月23日 | 演奏(家)を語る
2019年1月23日。YouTube動画の貼り方を覚えた先月以来、当ブログで昔書いていた珍しい曲や、お気に入りの演奏が今どれぐらい同サイトに載っているものかと、ちょっと調べてみた。過去に言及した作品を全部チェックできているわけではないのだが、主だったところをざっと見た範囲で言えば、びっくり仰天の結果だった。ほとんどが、載っている!あらまあ、こんなのまで有るのかと、ただもう驚くばかり・・・。つくづく、時代は変わったなあと思う。(※ただ、「ようつべ」動画はある日突然削除されて消えたりすることがあるので、その点は注意しておく必要がある。)

―と言うわけで(←何が?)今回は、ヨゼフ・カイルベルトの指揮によるR・シュトラウスの<サロメ>を採り上げることにした。「<サロメ>の演奏史(1)」という過去記事の中で、当ブログ主が“私を一番ゾクゾクさせてくれるサロメ”と絶賛していた若きインゲ・ボルク主演による1951年のバイエルン・ライヴである。先月のオルロフ盤<オネーギン>と同様、今回も“論より証拠”を示す記事となる。時間的な都合などで全曲聴くのは無理という方は、サロメがヨカナーンの首を求めるところから幕切れまでの約30分をお聴きいただけたらと思う。

●インゲ・ボルク主演による1951年7月21日のバイエルン・ライヴ

『サロメの踊り』は[59:40~]、「ヨカナーンの生首がほしいの」とサロメが可愛らしく言うところから、ヘロデとの激しい応酬が展開されるのは[1:09:46~](←ボルク主演盤は、ここが最高)、皿に盛られたヨカナーンの首が出てくる場面は[1:21:30~]、生首を手にしてサロメが恍惚状態に入るのは[1:34:29~] 。なお、当音源は、ボリュームを普段よりかなり大きめにしての再生がお薦め。




さて、当時の蠱惑的(こわくてき)なボルクに比肩し得たもう一人のサロメ歌いと言えば、やはりという感じで、クリステル・ゴルツである。と言っても、ここに貼り付ける音源はよく知られたクレメンス・クラウス、ウィーン・フィルのデッカ録音ではないし、かつて当ブログで扱ったミトロプロスのメト・ライヴでもない。上と同じカイルベルトの指揮による1948年のドレスデン・ライヴだ。今回<サロメ>を採り上げる気になったのは、同音源を「ようつべ」で発見し、初めて聴いて強い感銘を受けたから。現在録音で聴けるゴルツのサロメは蓋(けだ)し、これが↓最高である。この頽廃的官能美!録音状態が意想外に良いのも、嬉しいポイント。

●クリステル・ゴルツ主演による1948年5月20日のドレスデン・ライヴ

『サロメの踊り』は[59:04~]、「ヨカナーンの生首がほしい」は[1:09:47~]、皿に盛られたヨカナーンの首が出てくる場面は[1:21:55~]、生首を手にしてサロメが恍惚状態に入るのは[1:34:56~](←ゴルツ主演盤は、ここがハイライト)。それともう一つ、 [1:33:14~]の所。ここで聞かれるサロメの声・・・。



―上記2つの名演を比べての総合的な評価は聴く人それぞれの判断に委ねるが、サロメ役について言えば、「東西の横綱ががっぷり四つという感じで、ちょっと優劣がつけられない」と、当ブログ主は思っている。キャピキャピした猫耳ギャル(ただし、性格は残酷)を取るか、若い美人OL(ただし、内面はドロドロ)を取るか、あとは聴く側の趣味・好みの問題であろう。w 

―今回は、これにて。
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YouTubeで聴けるデル・モナコ、コレッリ、バスティアニーニの凄い声

2019年01月02日 | 演奏(家)を語る
2019年1月2日(水)。新年、明けましておめでとうございます。今回は、先月覚えた「ようつべ」の動画貼りをまたやりたくて、お正月早々の特別投稿。当ブログ主のお気に入り音源を、3つ。

◎若きマリオ・デル・モナコの超人的な“Esultate(=喜べ)!”(1951年のライヴより)



◎フランコ・コレッリのセッション録音盤“Nessun dorma(=誰も寝てはならぬ)”(1962年)※日本語対訳付き



◎エットレ・バスティアニーニが歌う<道化師>トニオのプローロゴ(=前口上)

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