クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

水回りのリフォーム開始

2023年06月29日 | エトセトラ
2023年6月29日。一昨日、ついに始まった。新聞の折り込みで決算キャンペーンのお知らせを見て、地元のリフォーム会社に問い合わせの電話を入れたのが、今年3月の末。それから若い営業(兼職人)のR氏とのたび重なる打ち合わせを経て、ついにこの6月、工事開始となった。元々は3社ぐらいの見積り比較をするつもりでいたのだが、家庭内の粗大ごみ(※古い箪笥、食器戸棚、がさばるプラスチック衣装ケース、大きな園芸プランター等)の無料処分サービスに加えて、トイレ・洗面台・ユニットバス・キッチンの流し台といった主要製品群を、15%引きから最大何と70%引きという壮大なディスカウント価格で提供してもらった。さらに、「工事開始を6月後半あたりまでお待ちいただければ、今あちこちの現場に散っているうちの職人たちのベスト・メンバーを揃えられますので、T様邸でドリームチームが結成されます」という嬉しい言葉を、R氏からもらった。その結果、こちらも「それなら、御社に今回の件をお願いしましょう。他社との相見積りは無しで」と、電撃的ともいえる速さで契約成立。

何年も前から気になっていた、我が家の水回りの傷み方。お風呂の下から恒常的に水が漏れていて、コンクリートの基礎の上に重ねてある土台の材木は、完全に腐ってグズグズ。脱衣所も台所も、床板がベコベコ。いつか踏みぬいて、大きな穴があくぞ・・・と、そんな危惧感が冗談でなく、本当に現実味を帯びていた。でも、改修工事には踏み出せなかった。どえらい額のお金がかかると、分かっていたから。老後の蓄えとして必死に守ってきた預貯金を、思い切って取り崩す・・・その決意を促すきっかけ、背中を強く押してくれる何かが、ブログ主には必要だった。それが、今年4月に来た母の卒寿を祝う誕生日だったわけである。昨年2月から年金の繰り上げ受給を始めたおかげで、普段の生活費がそれで一応間に合う運びとなっていたのも勿論、大きな要因ではあるけれども。

計算違いだったのは、100歳ぐらいまで普通に行けてしまいそうな雰囲気を持っていた母が、突然の大病でこの2月に倒れてしまったこと。これといった積極的な治療も、リハビリも、何もやってくれない療養型病院のベッドで90歳になった母。次の面会時に、果たしてこの息子の事を認識してくれるのか、それさえも今や予断を許さない状況になっている母。

・・・あ、でも、おとといと昨日に関しては、みいさん、家じゃなくて入院中でラッキーだったよ。改修工事の第1段はトイレの解体と作り直しだったんだけど、その間、どうしていたかっていうとね、おしっこについては裏庭で立ちション。大きい方については、便意が来てから余裕のある時は近所のコンビニやスーパーまで行って、トイレを借りたんだわ。で、そんな余裕のなかった時は、「携帯トイレ」という黒ビニール袋+凝固剤のセットを家の縁側で使ったのよ。で、その大きな袋にポタン、ポタンとうんちを垂らす時の気持ちって、ちょっと妙な感じになるんだね。「この辱(はずかし)めを、どうしてくれるの」って、見えない敵に心の銃を打ちまくるみたいな。そして今日は、洗面台と浴室の取り壊し。これから4日間、お風呂もシャワーも使えない。うひゃひゃ。・・で、その改修が済んだ後は、台所の解体。ベコついた床板の修理から始めるので、幾日かは何も調理なんてできまっしぇんって。やだ、水回りのリフォームって、めちゃくちゃハード。この期間は家にいないみいちゃん、勝ち組だよ。こういう試練はポンコツ息子に任せて、出来上がりを楽しみに待ちなっしゃあ。www
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母との面会~第3回

2023年06月20日 | エトセトラ
2023年6月20日。先週の土曜日、3週間ぶりに予約が取れて、母との面会に出向いた。いつもの通り、弟がこちらまで迎えに来てくれて、そこから車で一緒に病院へ。こないだは母の様子がおかしくて、非常に強い不安を感じたのだが、あれから後は予約がいっぱいで取れず、今回3週間も間が空いてしまった。あの時もし認知症が始まっていて、それが今日までに一層進んでいたりしたら、どうしよう・・。兄弟揃って同じ不安を抱きつつ、母のいる所へ向う。

●第3回 【2023年6月17日(土)】

病室に案内され、しばらくぶりに母の姿を見る。昼間の時間なのだが、ぐっすり眠っている。その寝顔を見ると、すっかり老いさらばえたお婆ちゃん。何だか寂しい。「90歳なら、そりゃそうだろう」とも言えるのだが、うちの母はつい4ヶ月ほど前までの元気だった頃は、実年齢よりもずっと若々しく見えていた人だった。それが今や、何年も前に90歳で長逝した祖母(=母の母)に、そっくり。・・・改めて思う。「人の顔は、その人の精神が作る。これはガチだ」。

しかし、本当によく眠っている。弟と交互に声をかけるも、全く目を覚ます気配がない。「こりゃ、今日はまた外れのタイミングっぽいな」と、ちょっと苦笑い。この時間に家族が予約で来ると分かっていながら患者にセデーションをかけるような鬼畜なことは、病院側もするまい。やはり、自然な睡眠が来ているのだろう。・・・眉間にしわを寄せているのは、鼻に入っている管がもたらすストレスのせいかな。ただ、母は家で普通に眠っている時でも眉をしかめたような表情をすることがあったので、その辺の判断は何とも難しいが・・。

あっ!まただ。母が呼吸困難になって、苦しみ出す。前回と同じ。ただし、喉がゴボゴボいう音はしていない。痰は詰まっていないみたいなのだが、とにかく苦しくてつらそう。隣りのナース控室をノック。なごやかに談笑中のスタッフに声をかけ、母の容体(ようだい)を見に来てもらった。そして、痰吸引。「詰まってはいないようなのに、えらく苦しそうで」と話すと、若い看護師曰く、「Tさんはよく、むせるんですよ」。

その時、ブログ主の中で、また1つの夢が消えたような気がした。「言葉を発せるスピーチ・カニューレの使用は、本人が自分で痰を切れることが前提です」と、2~4月にお世話になった救急病院のベテラン・ナースTさんが言っていた。それが自力で痰を切るどころか、こんな風にしばしばむせるというのでは、見込みはかなり厳しい。さらに付け加えて言うと、「仮にスピーチ・カニューレが装着できても、それですぐに話せるわけではないんです。専門の指導技術を持った人から、発声訓練を受ける必要があります」という事も、同じ人から言われた。この状況だと、母が声を取り戻すことはもうほとんど望めないような・・。悲しいなあ。少しずつ、希望の芽が摘まれていく。・・・結局、その日は母に伝えられなかったけれども、水回りのリフォームがいよいよ来週始まる。ブログ主が今、心の中で母に約束している事。

「家が生まれ変わっていく様子を録画して、後で見せてあげるから、楽しみに待っていてね」。
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