クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

CD買い直しモード~オーマンディ、フリッチャイ、パールマン、クナ、ムーティ

2015年04月29日 | 演奏(家)を語る
愛用のCDプレイヤーが先月、長い修理から戻ってきた。おかげさまで、それからトラブルもなく快調に動いてくれている。そのためもあってか、夜のひととき、好きな音楽に浸ることがまた多くなってきた。昨2014年4月の消費税増税以来、ぱったりと音楽CDを買わなくなっていた私だが、最近また少し買い始めている。で、それがどんなラインナップかというと、まるで申し合わせたかのように、「昔よく聴いた懐かしい名演の、新しいリマスター盤」ばかり。今の演奏家たちの新しいディスクには、殆ど興味がわかないためである。

先月(2015年3月)買った『モントゥーのフィリップス名演集成』以来、今月もまた往年の大家たちの録音ばかりを買ってきた。具体的なところを挙げてみると、まずユージン・オーマンディ。今月5日(日)に放送されたFM番組『名演奏ライブラリー』を聴き、組曲<火の鳥>(1967年録音)や<幻想交響曲>(1960年録音)等での充実しきったオーケストラの響きにすっかり感心してしまった私は、指揮者オーマンディへの見直し気分が高まり、彼のCDをまたいくつか買ってみようかと思ったのだった。で、最初に選んだのが、「バルトーク&コダーイ作品集」の2枚組(CBSソニー盤)。オーマンディはアメリカで活躍した人だけれども、故国はハンガリー。となれば、この人にとっての本当のお国物はアメリカ音楽ではなく、ハンガリー音楽ということになる。特に2枚目に収められたコダーイが聴きたくて、これを買った。<管弦楽のための協奏曲>、組曲<ハーリ・ヤーノシュ>(←長く埋もれていた旧録音)、ガランタ舞曲、そしてマロシュセーク舞曲。バルトークの同名作品に比べて思いっきり日蔭者の存在になっているコダーイのオケコンだが、オーマンディは作曲者の自演よりもはるかにスピーディで、生命感あふれる快演を聴かせてくれる。(ただ、それが最終的に感動のレベルにまで昇華しきれないのはやはり、曲自体が持つ魅力の不足なのだろう。)

コダーイ作品集と言えば、フェレンツ・フリッチャイの指揮によるグラモフォン盤も買った。実はこれ、昔持っていて一度中古売却した音源で、今月買おうという考えは元々なかった。それが、このCDを含んだ「グラモフォン・オリジナルス」というハイビット・リマスター盤のシリーズが、HMVさん、tower.jpさん共通で特価セール中となっていたため(1枚物が何と、税込767円)、この安さならいいだろうと注文してみたわけである。上記オーマンディ盤の<ガランタ舞曲>を聴いて、「もう一つ、踏み込みが欲しいなあ」と思っていたところへ、懐かしいフリッチャイ盤の限定値下げとなって、この際だから聴き比べをしちゃおうと思ったのだ。結論は、フリッチャイの勝ち。w モノラル録音というハンディはあるものの、曲想に応じたテンポと表情の使い分けが実に多彩で、時折「ここのテンポはちょっと、どうかな」と思える箇所もなくはないのだが、結局聴き終えると、「いや、お見事でした」と頭が下がる思いになる。いささか陳腐なレッテル貼りをさせてもらえるなら、これは「フルトヴェングラー的なコダーイ演奏」とでも言えるだろうか。同じ指揮者によるドヴォルザークの<新世界より>(G)がふと、思い起こされる。フリッチャイのバルトークは正直なところ私の感覚には合わなかったが、コダーイはかなりいける。

特価販売のグラモフォン・オリジナルスと言えば、もう1つ。全盛期のパールマンがバレンボイムと共演したサン=サーンスとヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲集。これも税込み767円という超特価に惹かれて買い直し、音の情報量が豊富なハイビット・サウンドで聴いて感銘を新たにした。

あと懐かしいところの買い直しが、もう1つ。クナッパーツブッシュ、ウィーン・フィルの『ポピュラー・コンサート』(デッカ盤)。LP時代に繰り返し愛聴した音源が現在、24ビット盤CDになって蘇っている。初期CDの音質には不満を禁じ得なかったが、今回のはかなり満足。値段も安い。収録曲としては何と言っても、シューベルトの<軍隊行進曲>。この愛すべき小品にここまで深い内容を孕ませた指揮者は、後にも先にも、クナ先生ただ一人だろう。

そして、当ブログのお得意分野で、オペラが2点。これらも実は、元々買う予定のなかった物。若きムーティの指揮によるヴェルディの<アイーダ>全曲と<ナブッコ>全曲(いずれもEMI)。昔さんざん聴いて、すっかり気が済んで手放した名盤を、何でまた今さら・・・という感じなのだが、これら2つについての購入動機も、単純に値段の安さ。いわゆる“限定数特価”というやつで、私は本当にこういうのに弱い(苦笑)。<アイーダ>全曲は、税込み1430円。<ナブッコ>全曲は、同じく税込みで890円。ホントかよ、って。w 1枚物のハイライト盤みたいな値段ぢゃないか!だったら、改めてまた全曲聴いちゃうぞと。w 当該商品はいずれも歌詞台本(リブレット)が参照できるCD-ROMがついた新しいプレスのCDで、音質的にも期待できそう。これら2点も今、到着待ちの状況である。

―というわけで(←何が?)、いよいよ5月の大型連休。昨年夏に続いて今月、母が膝の手術を受け、長く続いた関節の強い痛みからようやく解放される目処が立った。日中はリハビリ入院中の母を見舞いつつ、帰宅してから夜はじっくりと、懐かしい名盤の聴き直しに勤(いそ)しむことにしようかと思う。
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