クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

YouTubeで聴ける伊福部昭の舞踊曲<サロメ>

2019年02月23日 | 演奏(家)を語る
2019年2月23日。前回扱ったシュトラウス作品からの連想で、今回は伊福部昭の舞踊曲<サロメ>。この曲については昔、平凡な演奏のCDを1回だけ聴いた。正直、あまりパッとした印象がなく、「まあ、伊福部先生らしい曲ではあるよね」ぐらいの感想しか、当時は持てなかった。それが、少し前に「ようつべ」で良い演奏に出会ったおかげで、作品自体のイメージというか、評価みたいなものがグンとアップしたのだった。

まずは、『7つのヴェールの踊り』から。山田一雄&新星日響による1987年の熱演。



次いで、全曲。一般のクラシック・ファンは上の『踊り』だけを話の種程度に聴けば十分かと思うが、伊福部ファンなら当然、全曲を聴かずにはおられまい。w こちらも、優れた演奏が「ようつべ」に載っている。広上淳一&日フィルによる名演で、これを聴いたことが、伊福部サロメに対する評価の上昇につながったと言っても過言ではない。

実は、広上が指揮する伊福部作品については、当ブログ主はずっと批判的だった。<タプカーラ>にしても、<SF交響曲ファンタジー>にしても、ただ上手にオーケストラの交通整理をしているだけの、ただひたすら自分の耳の良さを誇示しているだけの、そのどこか冷めたような演奏態度に苛立ちを禁じ得なかったからである。「あんた、怪獣映画の音楽とか、内心、馬鹿にしてるだろ」「タプカーラ(特に、第3楽章)の熱狂に、あんた、全然共感してないだろ」と、ちょっと問い質してみたくなるような(でも、実際に本人が目の前に現れたら、「いえいえ、何でもございません。内輪の冗談でして」と、<雪娘>に出てくるブルシーラみたいにヘタレそうな)当ブログ主の趣味に全く合わない分析的な演奏が、どうにも好きになれなかった。しかし、この<サロメ>全曲は随分、印象が違う。山田一雄に比べればずっとすっきりした、いかにも広上らしいスタイリッシュな演奏ではあるのだが、作品への共感というのか、何か熱いものが感じられるのである。

(※注意。この動画は曲の区切り目ごとにバチッ、バチッという耳障りなノイズが出る。おそらく、これを載せた人の使用機に何か不具合があるのだろう。気にはなるが、現段階で唯一の全曲動画なので、貼っておこうと思う。)



―今回は、これにて。
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