クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

寂しく晴れた秋の一日

2013年09月29日 | エトセトラ
今日(2013年9月29日)の東京は、秋晴れ。静かな日曜日。朝の9時から、おなじみのFM番組『名演奏ライブラリー』を聴いた。往年の名クラリネット奏者レオポルト・ウラッハの特集である。ネットの番組表で前もって確認できていたのだが、番組の後半でモーツァルトの<クラリネット協奏曲>が予定に入っていて、その伴奏がカラヤン&ウィーン・フィルということだった。私は寡聞にして、こういう顔合わせの録音があることを今日まで知らなかった。HMVさんのサイトでチェックしてみたら、オーパス蔵がCD化を実現しているらしい。へえ~、そうだったんだ、という感じ。ウラッハのクラリネットでモーツァルトの協奏曲といえば、あのロジンスキーによるどうしようもなく粗雑な伴奏のものしか遺されていないとてっきり思い込んでいたのだが、とんでもんぺ、これはうれしい発見だった。

結論。かなり良い演奏。w それに、思いがけないほど録音が良い。1949年のモノラルとは、にわかに信じ難いぐらい。かつてCDで持っていたロジンスキーとの共演盤は、伴奏オーケストラのあまりのひどさに一発で嫌気がさしてしまい、二度と聴く気にならなかったが、こちらのカラヤン盤はずっと好ましい。厳しいことを言えば、若きカラヤンの指揮についても全く不満がないというわけではないのだが、あのロジンスキーのひどさからすれば遥かにマシということはできる。この名曲のキモである第2楽章について、宇野功芳せんせーが昔、「寂しく晴れた秋の一日」と始まる個性的な論評を展開しておられたが、今日の東京はまさにその言葉がぴったりくるような日和で、何とも感慨深い(笑)。実に良いタイミングで放送してもらえたなあ、と有り難く思った。
コメント
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