クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

モントゥー、シューリヒトのCDと、CDプレイヤーの再修理

2015年01月28日 | 演奏(家)を語る
今年(2015年)に入ってから、ネット通販でCDを3点ほど買った。いずれも去年から予定していたもので、まずは巨匠モントゥーのデッカ・ステレオ録音2種。ラヴェル&ドビュッシーの作品を集めた2枚組と、シベリウスの2番&ドヴォルザークの7番を組んだ1枚。いずれもタワーレコードさんの企画による24ビット盤CDである。それともう1つ、シューリヒト&ウィーン・フィルによる<未完成>と<ハフナー>を組んだ1枚。(※これにはモノラル期の名演として名高いブラームスの第2交響曲も併録されていて、大変お得。)

モントゥーのラヴェル&ドビュッシー集では、まず24ビット・リマスターによる音の情報量の増大に驚く。以前は気付かずにいたような細かい音が、鮮明に浮かびあがってきている。いいなあ・・・。こういう感動体験ができるから、往年の名盤の買い直しには大きな意義があるのだ。シューリヒトの<未完成>もLPレコード、初期CD、ハイパーリマスター盤CDと、再発売が繰り返されるたびに懲りもせず(?)入手し続けてきた音源だが、今回のこれでようやく打ち止めになりそうだ。この演奏に対して私がかつて持っていた印象は、「ちょっと枯れた味わいのある響きで、儚(はかな)げな情緒を漂わせる名演」だった。しかし今回の24ビット・サウンドを聴いたことで、そのイメージに小さくない変化がもたらされることとなった。昔何かの音楽雑誌で目にしたある評論家の文章に、「シューリヒトの音楽の特性は“枯淡”ではなく、“豪胆”である」という指摘があったのを思い出し、「ああ、それってブルックナーの<第9>(EMI盤)を聴いた時に実感していたけど、この<未完成>にも結構当てはまるかもしれないな」と思ったのだった。以前のCDでは幾分痩せた感じに聞こえていた音が、今回のCDでは全体に線の太い響きに変わっている。「あ、この演奏、必ずしも枯れたものではないぞ」と。また、各楽器間のバランス、それぞれの強弱の差なども、以前より随分細かくわかるようになった。

次いで、再びモントゥー。ドヴォルザークの7番。これもまた学生時代以来の、忘れ難い名演。この演奏を新しいCDで聴き直しての最初の感想は、「音のふくらみが豊かになったなあ」ということ。以前のCDでは、もっとシャキシャキした感じの薄い音が出ていた。それが24ビット盤CDでは、何ともふっくらした感じのリッチな響きが広がる。これが何とも言えない心地よさ。ああ、この演奏って、元々はこういうサウンドだったのか・・。で、当ブログで昔書いた事の繰り返しになるけれども、第1楽章のクライマックス〔8:30~〕はクーベリック(※私が聴いた範囲で3種)よりもケルテスよりも、やっぱりモントゥー盤が一番痛快であると改めて実感。消費税増税云々で長らく購入を延期していたが、やはり買い直して良かった。

そして、第2楽章。数分ほど経ったところで、CDプレイヤーが再生異常を起こす。音が飛んだだけでなく、一箇所にとどまって同じ音を延々と再生し、先へ進まなくなってしまった。昔レコードに傷をつけて針が先へ進まなくなり、同じ箇所ばかりを繰り返すというトラブルのパターンがあったけれども、それにそっくりな現象だ。先月修理から戻ってきたばかりなのに、もうこの症状。がっかり。―で、本日(1月28日)、機械をしっかり梱包して、再びDENONの修理担当部へ送付。今回は保証の対象で無料修理になろうかと思うが、日数はまた相当待たされることになりそうだ。やれやれ、である。
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