クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

解散総選挙2017、オイストラフのチャイコフスキー(1957年)

2017年09月30日 | 演奏(家)を語る
2017年9月。小野寺防衛大臣、河野外務大臣を擁した改造内閣が好評だったにもかかわらず、ある意味“突然”といった感じの、衆議院解散宣言。やはり、朝鮮半島有事が近いのか。だとしたら、野党がガタガタになっている今、選挙で国民の信を得て政権基盤をしっかりさせておこうという判断は正しい。しかし安倍総理の口から出たのは何故か、消費税増税。「税の使い道を変更しようと思うのですが、どうでしょう」という問いかけ。その真意がどこにあるかはわからないが、選挙に打って出る上で、おそらく一番出してはいけない物を出してきた。消費税増税。元々総理に敵対的だった勢力は勿論のこと、当ブログ主のような「基本的には、安倍政権支持」という賛同者までも突き放すような、最悪の提言。厳しい結果が予想される。しかし野党側も、小池新党の出現で今やカオスの極み。ほとんど闇鍋状態。来月22日の投票結果は果たして、どういうものになるのだろうか。

さて、音楽の話。今月、オイストラフのヴァイオリン独奏によるチャイコフスキーの協奏曲CD(MEL CD 10 02261 プレス2014年)を聴いた。これを買ったのは何ヶ月か前だったが、その時に実は、ちょっとした勘違いがあった。随分昔、LPレコードの時代に、オイストラフとコンドラシンが共演したチャイコフスキーの協奏曲演奏を聴いてひたすら圧倒された記憶が今も強く心に残っていて、今回のCDをネット通販サイトで目にした時、「あ、良いもの見つけた。この二人のチャイコフスキーって、土俗感むき出しで凄かったんだよな。あれは録音がメチャ悪かったけど、新しいCDなら音質改善されて、少し聴きやすくなっているかも」と思い、(たまたまそれがセール特価になっていたこともあり)、速攻でポチったのだった。

聴いてみて、ありゃりゃ・・。これは全く別の演奏であると、即座に判明(苦笑)。まずもって、音が良すぎる。w 決して大げさでなく、大ヴァイオリニストが弾いているステージの、その一階席最前列に座っているような気分になる。生々しい音。オイストラフのチャイコフスキーについては、ロジェストヴェンスキーやオーマンディと共演した録音等も昔聴いたけれども、今回のCDほどにヴァイオリン独奏がオンマイクで克明に記録された音源はちょっと珍しいんじゃないかと思える。オイストラフならではの恰幅の良い美音と闊達な表現に、息を詰めて全曲聞き入ってしまった。その意味でこれはオイストラフ・ファン必聴の音源とも言えそうなのだが、その一方で、かなりがっかりさせられたのがオーケストラ伴奏。先日改めて調べ直してみたら、かつてLPで当ブログ主を吹き飛ばしてくれた豪演は多分1958年のライヴで、オケはモスクワ・フィル。今回聴いた演奏は1957年(※日付けまでは不明)の録音で、オケはソヴィエト国立交響楽団(当時)。これら両録音でのコンドラシンの指揮ぶりはちょっと、同じ人とは思えないほどに違う。この57年盤はノリが悪いというか、全体的にどうも覇気が感じられない。オケが引っ込んだような録音であることも影響して、とにかく聴く者の気持ちを盛り上がらせてくれない。本来なら最もワイルドに燃え上がってくれるはずの第3楽章、ここが特に不満。独奏の見事さと、当時のメロディア音源としてはおそらく最高の部類に属する音質を誇りながら、消極的なオーケストラ伴奏が少なからず興をそぐ結果となってしまっている。惜しいなあ、これ・・。

―今回は、これにて。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする