クラシック音楽オデュッセイア

2009年の大病以来、月1回程度の更新ペース。クラシックに限らず、身の回りの事なども、気の向くままに書いております。

ブログ15周年。近衛秀麿の<新世界より>

2019年10月31日 | エトセトラ
2019年10月31日。今日は当ブログの誕生日である。これで、満15歳となった。この間には本当に、いろいろな事があった。時代も変わった。

クラシック音楽の趣味関連で昨今特に強く感じるのは、YouTube動画の発展充実ぶりと、それに比例するようなCDとの疎遠化である。CD、あまり買わなくなったなあ・・。DVDはもう何年も、全然買っていない。メーカーが生産終了してしまったMDも、随分前に作った古いコレクションが棚の一角を占めているぐらいで、ほとんど手にとって聴くことがなくなった。たいていの物はYouTubeで見たり聴いたりできるようになっているので、それで済んでしまうのである。敢えてCDを買おうとまで思うのは、オーディオ的に価値のある(つまり、これは是非ともステレオ・フルコンポの音で聴きたいと思わせるような)曲や演奏に限られてくるというのが、ここ何年かの状況だ。

さて、そのYouTubeネタ。晩年の宇野功芳氏が絶賛していた音源で、「機会があったら、いつか聴いてみたい」と思っていた近衛秀麿の<新世界より>が、ひょっこり見つかった。実際聴いてみると、これが予想以上に見事な出来映え。1968年の録音らしいのだが、日本人が指揮する日本のオーケストラが、ここまで素晴らしい<新世界より>をこの当時にやっていたというのは、まさに驚きの一語である。

動画の再生回数を見ると、当音源がYouTubeにアップされている事を知っている人は少ないようだ。これは実にもったいないことといえよう。「久々にCDを買って、フルコンポのステレオで聴いてみるのも良さそうだ」と当ブログ主に思わせるほどの名盤なので、一人でも多くのファンに聴いてほしいと心から願うぼくであったといえよう(笑)。

●近衛秀麿&読売日響のドヴォルザーク/交響曲第9番<新世界より>(1968年・ステレオ録音)

【第1楽章】(2019年10月31日付け再生回数:84回)



【第2楽章】(2019年10月31日付け再生回数:45回)



【第3楽章】(2019年10月31日付け再生回数:61回)



【第4楽章】(2019年10月31日付け再生回数:87回)



―今回は、これにて。
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手術入院前の胃カメラ。カレーラスとヴンダーリッヒの<グラナダ>

2019年10月30日 | エトセトラ
2019年10月30日。このところずっとお世話になっている病院で今日、胃の内視鏡検査を受けてきた。先月腸から採取した組織の分析結果が非常に悪い物で、「がんではないが、がんに類する悪性の腫瘍」ということが判明したのだった。消化器外科の担当医が受け持っている手術日程の都合によって、来月になるか再来月になるかは不明だが、いずれにしても新たな手術入院が避けられない事態となった。今日の胃カメラは、その前のお膳立てとして必要な検査の一環として行なわれたものである。当ブログ主が今抱えている腫れ物は腸よりもむしろ胃にできやすい物のため、そちらは大丈夫かと医師が確認を求めたということのようだ。

かつて他の病院で経験してきたものと違って、今回は内視鏡を飲まされる前に鎮静剤(一種の眠り薬)を注射してもらう形を取ったので、ウゲウゲと吐きそうになる苦痛はまったく味わわずに済んだ。勿論、薬を使った分だけ窓口での支払額は高くついたが、苦しまずに検査を受けられたメリットの方が大きい。しかしまあ、8月に1つの臓器(と、その周辺器官)をがんで摘出したばかりなのに、ここに来てまた別の腫瘍を切り取る手術を受けねばならないとは・・。当ブログ主の体はいったい、どこまで壊れているのだろう。

さて、音楽ネタ。少し前にひょんなきっかけから、作曲家アグスティン・ララの誕生日が10月30日らしいことを知った。まさに、今日の日付である。―ということで今回は、YouTubeからララの名歌曲<グラナダ>の音声動画を2つ、貼ってみようと思う。当ブログ主にとっての、同曲ベスト2歌唱である。

●若きホセ・カレーラスが歌う<グラナダ>・・・(ロベルト・ベンツィ指揮イギリス室内管弦楽団の伴奏によるフィリップス録音)

カレーラスはステージ・ライヴを中心に、十八番としている同曲を何度も何度も歌っている。当録音での歌唱は良くも悪くも若さが際立つものだが、終曲部では当時の彼にしか出せなかった奇跡のような声を聴くことが出来る。その圧倒的な美声ゆえに、これは不滅の価値を持つ記録となった。



●フリッツ・ヴンダーリッヒが歌う<グラナダ>・・・(ハンス・カルステ指揮グラウンケ交響楽団の伴奏によるグラモフォン録音)

歌詞がドイツ語だったり、曲自体にも自由なアレンジが施されていたりいて、オリジナル版からはだいぶ離れているが、不世出の名歌手フリッツ・ヴンダーリッヒの圧巻とも言うべき声の至芸が聴かれるという点で、声楽ファンなら絶対に聴いておくべき名盤の1つになっている。



―今回は、これにて。
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