映画を観ていたら、ソーメンを食べる場面があった。他人が飯食ってるのをあれこれ言うのはあまり品の良くないことではあるけれど、何というか、ちょっと違和感があった。それというのも、ソーメンを一度麺つゆの中にどっぷり漬けておいて、それから啜っているのである。麺つゆをつけすぎであろう。麺つゆは水で割ってはいるものの、そんなにつけたら濃くなってよろしくないのではないか。
ところで朝ドラでも一時素麺をよく食べている人たちがいて、これもたっぷりと麺つゆをつけて食べているようだった。関東地方というか、あれはどこだっけ? そういう地方では麺つゆをたくさんつけて食べる習慣があるんだろうか? 少なくとも九州では、あまりたっぷり麺つゆはつけないのではないのか。どのようにデータをとればいいのか分からないけど、そのような印象がある。
ところがそんなことをいうと、案外麺つゆはたっぷりつけるという人がいる。麺つゆにソーメンをちょっとだけつけて食べるというのは、そんなに多数では無いのではないか、という意見も聞いた。一家ぜんぶたっぷりつけるという人がいたのである。
という事になると、ちょっとだけつける派というのがあるとすると、僕なんかは実は少数派なのではないか。
たぶんであるが、蕎麦ならちょっとつける派は多数であろうと思われる。どっぷり漬けるとなんとなく風情としてよろしくない気もする。素麺たっぷり派のひとも、蕎麦ならそこまでどっぷりじゃないかもしれないと言っていた。でもそれなりにはつけるんだそうだけど。
先日ラーメンを食いに行ったら、つけ麺を食っている人がいた。それとなく観察すると、何とどっぷり漬けていた。そんなに中に入れてしまうと、つけ麺としてどうなのか? とさえ思った。ラーメンのつけ麺って、やっぱり蕎麦の応用じゃないのだろうか。
まあしかし、やはり蕎麦のように麺自体に香りが強い場合ならともかく、素麺のような麺はある程度味を絡ませないと満足できない人もいるんだろう。ラーメンもしかりである。蕎麦の通の人なんかは、あえて香りを楽しむために、つゆはつけずに何箸かは食べるというような話を聞いたことがある。そこまで来るとあんまりという気もしないではないが、好き好きなので仕方がない。
それにしてもだが、そうであっても、なんとなく麺つゆに白い麺がどっぷりつかるのは、絵的にギョッとしたんだけどな。少数派なら仕方ないです。