カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

貯蔵に優れた機能に苦しめられる

2018-11-21 | Science & nature

 体についている脂肪は、1キロで7000キロカロリーあるんだという。成人男子の3日分の摂取カロリーに匹敵するらしい。これはエネルギーとしては、かなり膨大なものなんだそうだ。しかしながらこれを減らしたいとして3日食べなかったとしても、1キロの脂肪がそのまま減る訳では無い。そういう都合の良い具合には減らないのは、困ったことだ(それでも食わなければそれなりに脂肪は減るだろうけど)。それに3日も食わないと、かなり精神的にもつらいだろう。他に体調を崩すかもしれない。無理に食べない期間の後急に何か食べても、今度は胃の方が受け付けないなど厄介なことが起こりそうだ。自分の体といっても、コントロールは難しい。
 要するに日常的に食事をとらなければならないのに、その量を減らすのが難しいことなのだ。飽食の時代というが、捨てても捨てても食べ物は身の回りにあふれている。要するに捨てるほど調達できてしまうシステムに取り組まれている訳で、そういう世界から抜け出すことが出来ない以上、困難は続く。肥満の人が入院したり刑務所に入ったりすると痩せるというが、普通の生活をするだけでダイエット出来るのに、それが出来ない環境にあるという事になるのだろう。それはある意味で個人の問題だけにとどまらないことなのではないのか。
 一部の渡り鳥を除いて、鳥は飛翔能力を保つためにほとんど脂肪を身につけられない。脂肪で重くなった体は、飛ぶのには向かない。だから毎日食べ続けなければならない。カロリーをため込めないので、いつも飢餓状態のようなものなのかもしれない。
 おそらく人間という動物は、そのような事態から身を守るために太りやすくなったのかもしれない。常時摂食しなくても生命を維持する機能として。しかし飢餓が訪れなくなった社会においては、その機能がアダとなっている。優れた機能を活かしきれていないのが、現代という環境なのだろう。
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