カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

dead or alive 犯罪者

2011-05-19 | 映画
dead or alive 犯罪者/三池崇史監督

 もうハチャメチャで面白い。やれることはやってやろう、という感じなのかもしれない。ひょっとすると人を選ぶかもしれないけれど、まあ、いいじゃないですか。と、子供の僕は思うわけだ。
 三池監督が海外からも人気が高いのは、このようなクレイジーな日本人を演出することがウケているからだろうと思う。僕が外国人だったら間違いなくこのような日本人に憧れるだろう。そしてこんな変な国にぜひ行きたくなるに違いない。もちろんそういう人は一般的ではないだろうから、日本の観光立国化に貢献しているわけではなかろうけど。その上完全に誤解だから、むしろ害悪かもしれない。
 基本的に何も考えないで観ていい映画だと思うし、どうも本当に考えていないようなところも散見される。しかしながら考えてみると、どうも不思議な映像が多いのである。家族の絆についても、深いんだか浅いんだか分からないし、兄弟の絆についてもこれでいいのか良く分からない。最終的には強烈な思いが世界を巻き込んでしまうのだが、そんなに強い思いがこの人たちからあふれてくる必然は、さらに良く分からない。そういう不思議さ加減もこの映画の妙な味わいになっており、なんとなく忘れられないような感じがするのである。まあ、最終的にはどうでもよくもなるんだが…。
 この映画を観て他人に語りたくなることは確かで、しかしその語りについてはボキャブラリーが貧弱になってしまうのもまた確かなのである。凄いものを観てしまった、とは思うし、ぶっ飛んでいる、とも思うのだが、まあ、とにかく見て下さい、ということになって、同じ観たという共感か嫌悪を共有したいと望むようになってしまう。とにかくそのような「凄い」映画であるということなのだ。いろいろ破綻しているようなストーリーもすべて許せる人と、なんじゃそりゃ、という人に分かれるだろうことも安易に予想できて、そしてそのことを楽しめた自分が愛おしくなるというか。
 そういうわけで、あえて僕は観ることをお勧めしない。でも見ちゃいけないといわれると観たくなる人もいるでしょ。そういう人には特にお勧めしませんからね。ふふふ。
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