カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

告白

2011-05-18 | 映画
告白/中島哲也監督

 今までみてきた中島監督の作風とはかなり違ったので最初はちょっと違和感の方が強かったが、お話が良くできているので、自然にのめり込んでいくことができた。最初の女教師の語りだけでもかなりショッキングで、これでお話が終わってもそれなりに納得してしまいそうだった(映画としては、早く終わりすぎだろうけど)。
 立場を変えた告白が続いて事件の真相がより詳しく分かるという内容になっており、日本の得意な羅生門映画であるとはまずは言える。繰り返すが、構成やアイディアが活きていて、おそらくこの話に派生していろいろ亜流が出てきそうな印象も受けた。とにかくストーリーが面白いのである。仕掛けも良くてオチも申し分ない。原作がおそらくいいのだろう。
 いじめ問題や、少年法の問題、殺人や復讐ということや、もちろん教育問題などもいろいろと考えさせられる仕掛けにもなっている。多少ステレオタイプ的な解釈があるにせよ、多くの人の疑問や不安を上手く刺激することになっているのではなかろうか。
 しかしながらこの物語の根底にあるのは、突き詰めれば母子問題であるようだ。母子の強いつながりがあってこそ、サスペンスやホラーが強烈に生きていく仕掛けになっている。子供のころの喧嘩の常套句に「お前の母ちゃん出べそ」的なものがあるのだが、相手を傷つけるには、母親の悪口を言うのが何より効果的だからである。おそらく子供で無くとも同じであろうけれど…。
 子供の問題がこのような社会の中で展開されているとは僕自身はあんまり考えてはいないのだけれど、デフォルメとしては、ありうる話なのであろう。
 嫌な気分を楽しむには、格好の娯楽作なのではないだろうか。


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